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最近の情報収集の方法と、情報源の選び方

情報が跋扈し、気が付いたら収拾がつかなくなる世の中。世界一使われている検索エンジンでさえも SEO 対策の名の下にハックされ、自分が欲しい情報を手に入れることが難しい時代です。

そんな中で信頼できる情報をどのように手に入れるのか、あるいは信頼できる情報源をどのように探すのか。そんなことを日々模索しながら過ごしている人も多いことでしょう。筆者もそのひとりです。

この記事では主に技術情報やニュースなどを最近どのようにザッピングしているのか。どんなメディアを購読しているのか。新しいものを採用するときは何を基準に選んでいるか、といった情報収集の方法について書いていきます。

使うツール

日々眺めるもの

まずはツールですが、僕はニュースや記事のザッピングには主に RSS リーダーを使用しています。

RSS リーダーとは何かというのはここでは詳細には解説しませんが、今風に言うと Web サイトを “フォロー” して更新情報を随時取得できる仕組みです(Twitter ができるよりも前からあるとても古い仕組みです)。例えばブログの最近記事の更新だとか、ニュースサイトの最新記事一覧などを RSS リーダー上で見ることができます。

有名どころのサービスでは Feedly や Inoreader があります。ちなみに僕は後者の Inoreader を使っています。どちらを選ぶかは好みだと思いますし、どちらも基本無料です。

読むツール(いわゆるあとで読むサービス)としては Instapaper を使っています。UI と、シンプルさが好きです。

僕の朝の日課は、 Podcast (後述)を聴きながら、スマホアプリの Inoreader を眺めて気になった記事を Instapaper に登録していくことです。そしてその場で読んだり、一生読まなかったりします。

また Instapaper の機能で Kindle に記事を送るという機能があるので、それを使って Web 記事を Kindle Paperwhite で読んでいます。

朝食を食べる際にテレビがついているなかで新聞を読んでいるのを現代風にしたらこうなった、という感じですね。

日々聞いているもの

Podcast を日々聞いています。Podcast は簡単に言えばインターネットを使ってラジオ番組を配信できる仕組みで、さまざまな番組があります。

ニッポン放送や Spotify のような企業が製作しているコンテンツもありますし、個人がブログのように趣味でやっている番組もあります。ちなみに、僕自身も趣味で Podcast を製作しています。

僕の番組はさておき、僕自身が聞いているのは主にはニュース系、テクノロジーやガジェットの関連の番組、雑談配信などです。

基本は娯楽として楽しんでいるだけであまりニュースとか情報収集だと思って聞いていません。その代わり、特に集中もせずただ流しているので消費量は結構多めです。

情報源

続いて情報源です。RSS リーダーなら Web サイト、Twitter や Instagram やTikTok ならアカウント、Podcast なら番組をフォローすることが、自分にとっての情報源とすることと等価です。

自分が読みたいもの、消費したいものをフォローすれば良いのですが、フォローをするハードルはある程度高めに設定しておかないと消費しきれないです。あとコンテンツがそもそも多すぎて、フォローをするコンテンツを自分では選べないという問題もあります。

僕の中では、フォローする基準は次のように設定しています。自分が興味を持った、ということは前提として、その上で下記の2点のどちらかを満たせばフォローすることがあります。

  • 自分が信頼している人が信頼していること

  • 自分でその情報源の「正しさ」が検証可能であること

「信頼できること」をどのように判断するか

情報源とするわけですから、自分が信頼できるソースであることは大前提です。しかし、信頼できる情報源であることを判断するのはとても難しいです。

自分で判断できないのであれば、他人の判断を借りるというのがひとつの手です。つまり「自分が信頼している人が信頼している情報源」をフォローするのです。つまり、友人や職場の人など、信頼できる人におすすめを聞くのです。

自分が信頼している人を介して知った情報源は、身近な人への信頼を借り受けるため、比較的信頼できるもののはずです。訳のわからない企業のメディアや、訳のわからない個人 YouTuber を信頼するハードルは非常に高いですが、身近な人という下駄を履かせるだけでそのハードルは容易く越えることに気づくはずです。

さらに踏み込むと、その信頼した情報源も結局は人です。なので、情報源の誰かが信頼している情報源もまた比較的信用できると考えられます。こうして情報源は芋づる式に広がっていきます。

僕の場合、Podcaster から紹介された本を読んでみる、ニュース記事の中で紹介されたガジェットを家電量販店で眺めてみるなど、情報源を介した消費行動をしています。

自分で「信頼」できるか

上述の方法は精度もよく効果的だと個人的には思いますが、身近な人に情報ジャンキーがたくさんいる、なんて人はそこまで多くはないでしょう。

その場合、目の前に現れた情報(源)を自分が信頼できるかどうかに対する基準を何かしら設けておくのが手です。

といっても難しく考える必要はありません。自分で検証できることかどうかを自問すればよいです。それだけです。

100 円ショップで買ってよかったものだったら自分で買ってみればいいし(大した出費にもならないでしょう)、逆に何十万円もするものであれば複数の情報源に当たるとか、信頼できる人に当たるとか方針転換をするべきです。

ほかにも、例えば社会問題に対する話題、歴史に関することなど目の前の情報をむやみに信じてはいけない領域もそれなりにあります。特に自分が知らない、詳しくない領域であるならば自分で情報源を探さないのが吉でしょう。

他にも、長年多くの人に信頼されている、というのもひとつの基準です。新聞社などはこのタイプですね。無条件にというわけではないですが、一定程度信頼して接することにしています。

例. 企業によるメディア

どんなメディアなら信用できるのか、という問いへの答えはとても難しいです。しかし企業が運営している Web メディアから得られる情報は一定程度の品質が保証されていることもまた事実です。

そのため、僕は基本的に個人のブログなどよりもメディアの情報を優先するようにしています。

例えば

などです。

また、僕自身は数学科出身のソフトウェアエンジニアなので、数学に関する発信をしている個人ブログや技術者の個人ブログは(ある程度)内容の良し悪しなどが自分で判断できるので読んでいます。

逆に、例えば金融関係の情報についている個人ブログがあっても読みません。僕も資本主義社会を生きている人間なのでお金を増やす方法には関心があります。しかし、内容の良し悪しや信頼性が判断できないので、避けるようにしています。

例2. 開発者コミュニティ・企業テックブログ

ソフトウェア技術に特化した内容ですが、技術発信をするコミュニティが形成されています。

僕は Zenn というサイトのトレンドを日々見出しだけ見ています。

他にも、企業のテックブログはたくさんあってまとめた RSS フィードがあったりします。

例3. Podcast で知ったメディア

Podcast を聞くことで知ったメディアがいくつかあります。

一例としては、

  • The Verge(ガジェット系・テクノロジーニュース系)

  • The Information (テクノロジー系、全記事独占配信)

自分だけでは存在さえ知ることのなかったメディアだなと思っていて、こういう出会いは面白いなと感じます。

また Podcast を聞くことで他の Podcast を聞くこともあります。ていうか、新しい Podcast を知る機会がそれしかありません。

SNS

一応、SNS も使っていて情報源としては Instagram と TikTok が多いです。

服やハイブランドの情報は Instagram で見ていることが多いです。逆に普段の暮らしの便利グッズ(100円ショップで買うおすすめみたいなの)は TikTok 経由で目にすることが多いです。

アウトプットすることで脳内をまとめる

最近 Craft というメモアプリを使っていて読んだ記事を日毎にまとめています。

すごいざっくり言うと、Craft は Notion のようなツールです。Daily Note という仕組みがあって、1 日に 1 つメモを残すことがやりやすいツールです。

この Craft を使って、読んだ記事のリンクと自分のコメントを毎日残しています。その記事やコメントをニュースレターという形で週に 1 回まとめてます。

アウトプットをすることで自分が考えるきっかけを作る、自分の気づきを言語化しておくきっかけにするのが目的です。あまり誰かに読ませるつもりのない内容を肩肘を張らずに書いています。

まとめ

  • 情報のザッピングには RSS リーダー / Podcast / TikTok を使っている

    • Instapaper に読みたいものは集約

  • 情報源は「自分が信頼している人が信頼している情報源」を追うようにする

  • アウトプットすることで読んだものの振り返り・定着を図る

一個人が情報収集するのにこんなに色々と考えなきゃいけない社会だってこと自体が問題だとも感じます。

しかし情報はあらゆる判断の源泉です。判断の源泉ということは、自分が得た情報の質が人生を左右するということです。情報の質や鮮度を見極め、適切に取り扱うスキルは、残念ながらより良い人生を生きるために必須だと思います。

目の前にある情報を信じるか信じないか。その判断をするためにはその時の自分が持っている他の情報と、その情報の確度を上げる(あるいは下げる)ために自分の持てるスキル、そして自分の人生の経験がものを言います。

最後にはその情報を信じた(信じなかった)自分を信じるしかありませんが、自分が信頼のおけるチャネルを複数持っておくのが、自分を守ることにもつながると思います。

補足

書きたいけど本文の構成に乗らなかったトピックをまとめました。

1. 情報源をフォローする / しないで完結させる

僕はあまりメディアのつまみ食いをしません。ニュースプラットフォームやそれに近い存在(Yahoo ニュース、スマートニュース、Twitter、Google Discover など)を情報源にしないようにしています。

言い換えると、フォローしていないコンテンツはそもそも見ないし、フォローしたコンテンツであれば全ての見出しに目を通すようにします。

というのも、僕が読みたいニュースはニュースプラットフォームなどにはあまり現れないからです。Google Discover をチェックしていた時期はありましたが、芸能・皇室のスキャンダルなどノイズが多くてやめました。

信頼している人が紹介していた記事をつまみ食いすることはありますが、僕はその特定の記事が面白いかどうかではなく、メディアの記事の傾向が自分に合っているかで判断しています。

合わないメディア以外は切り捨てないと時間がいくらあっても足らないという現実的な問題もあり、この運用を貫いています。

2. ニュースレターの扱い

ここ数年はニュースレターをどう扱うのかにも若干頭を悩ませています。

Inoreader の有料プランだと、Inoreader の発行するメールアドレスでニュースレターを購読することもできます。

しかし、僕はメールアプリは HEY というサービスを使っていて、HEY はニュースレターに最適化された UI を提供してくれているのでアプリ上で読むことも多いです。あんまり決まったルールはなく、結局メールでも RSS リーダーでもどちらでも購読していることもあるくらいです。

NewYork Times が送ってくるような長いニュースレターだと Instapaper に保存してあとで読んでいます。あと、アーカイブが残らないニュースレターは Web クリップしたかったりもします。

いろいろと悩ましいが、あまりちゃんと決められてないです。とはいえ Substack アプリが銀の弾丸とも思えないし、難しいですね。

3. 動画はショートビデオしかみない

僕はあまり YouTube や Netflix などの動画プラットフォームのコンテンツを見ません。原則として、1 本 5 分以上の動画は理由がない限り見ないようにしています。見ている側から時間ばかりが流れていくからです。

TikTok や Instagram のショートビデオもあまり長い時間回遊はしません。ちゃんと計測していませんが、せいぜい 1 日 5 分くらいでしょうか。

4. 聴いている Podcast の例

一例ですが、いくつか挙げておきます。

余談

なぜか毎年 3 月になるとこういう記事を書いています。なんの習性なんでしょうね。。。

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