消化器内視鏡技師試験対策4:大腸腫瘍の切除

大腸腫瘍切除には、その病変の大きさや携帯、深達程度によっていくつかの異なる切除方法がある。
①ポリペクトミー
病変が10㎜以下の有茎性、亜有茎性病変が適応。スネアでポリープの茎根部にかけて絞扼(こうやく)、通電し焼き切るホットスネアポリペクトミー(HSP)と,熱凝固を加えないでスネアで切除するコールドスネアポリペクトミー(CSP)がある。

メタ解析ではHSP と比較してCSP で所要時間が有意に短い。
遅発性出血率もHSP と比べてCSP で低い傾向である。

*大腸ポリープに対するコールドスネアポリペクトミーとホットスネアポリペクトミーの有用性と安全性の比較検討:システマティックレビューとメタ解析 日本消化器内視鏡学会雑誌Vol. 61( 6), Jun. 2019

②EMR (endoscopic mucosal resection:内視鏡的粘膜切除術)
内視鏡的に粘膜下に生理食塩水などを注入し、高周波を用いて粘膜病変を切除する方法。粘膜下層に隆起を形成し、スネアをかけるため治療後の穿孔や出血などの偶発症例も少ない。無茎性ポリープや平坦で軽度隆起した比較的小さい病変の治療に適応。

③ESD(endoscopic submucosal dissection:内視鏡的的粘膜下剥離術)
粘膜下に生理食塩水やグリセオール、ヒアルロン酸Naなどを注入し広範囲の粘膜病変を切除剥離する方法。高周波ナイフなど専用でエバ椅子を使用。従来では切除が困難だった大型平坦病変やポリペクトミー、EMR治療で一括切除できなかった病変も切除可能。しかしESDに対応した施設環境と術者の高度な手技が必要。

*基本的な腫瘍切除は高周波電流を用いて行われるため、高周波発生装置は必需品。
*スネアは病変を絞扼するワイヤーループこのこと。
*生食やグリセオールなどを注入する局注針が必要。
*ITナイフはESDで使用。他にニードルナイフ、デュアルナイフ、フックナイフ、フレックスナイフ、デュアルナイフなどある。

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