13.早熟!魅惑のワルツ

初めてワルツをやった日から2週間、私はやっとのことでワルツのステップを習得した。

「今日から一緒に組んでやっていきまーす!」

キター❗ 待望の瞬間が!

男子は女性の先輩、女子は男性の先輩と向かい合う。

私の相手は当然のごとくセクシー先輩だ。

「ようやく覚えたのね、坊や。」

はい! やっと組めます!

「いらっしゃい、坊や。」

失礼しまーす!

早速ホールドを組んだのはいいが、初めてなんで無意識にちょっと腰が引けてしまう。

「ちょっと、隙間が出来てるわよ。

ほら〜、もっと腰を押しつけなさい。」


ホントにいいんですか?

「当たり前じゃない。それとも何、

アタシの中に入りたくないのかしら?」


とんでもない! 

入れたい・・・じゃない入りたいです!


「じゃあ、早くいらっしゃいよ。

そう、太ももは脚の間に突っ込んで。」

先輩のアプローチで脚と脚の間に自分の脚を挿入する。

「もっと奥まで入れて!」

えっ、こんなに深く!?

何か、あの・・・お股が乗っちゃってますけど。


「お腹もしっかりコンタクトさせなさい。」

違う所もコンタクトしちゃってますけど。

私の肋骨の辺りにはちきれんばかりのボヨヨンとした何かが当たっている。

超密着である。

これホントに大丈夫? ハグどころじゃ無いよ。

女性は気にならないのかな?

「今ちょっと離れたわよ。

もっとしっかりコンタクトさせなさい、坊や。」

気にしてないみたい。


「そのまま踊るわよ。」

ようやくワルツを踊りだした私であったが、ステップをする度に腰が離れる。

「もう〜、ちゃんと奥まで入れなさいよ。全然気持ち良くないわ。」

す、すみません。

しっかりと腰を押し付けようとするのだがすぐに離れてしまう。

「ちょっと〜、早いわよ〜。」


オ、オレ初めてで・・・。

「そうね、ちゃんとしたのは初めてだから、こんなもんかもね。

まっ、でもアタシが初めての相手ってことで許してア・ゲ・ル💋」

はぁ。 全然踊れなかった・・・。

「次までにはもう少し長く続けられるようにしてちょうだい。わかった、坊や。」

はぁ、面目ない。 もっと密着したかった・・・。

こうして私の初めてのワルツ体験は全然踊れずに終わり、社交ダンスの新たなるステージへと私を導く事となるのであった。


次回、ルンバDEガンバ!












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