野付半島 となりは国後
北海道の端っこに行こうと、
冬の増毛、離島の焼尻の次に
道東のいちばん端、
野付半島に足を踏みいれた。
国後島をわずか16キロほどで
望むことができる。
鳥の嘴のような、
あるいは海老のような形の
全長26キロの細長い
野付半島のなかほど。
なにやら異様な木々の群がみえた。
足元が水に浸かりそうになって
冷や冷や歩いていくと、
立ち枯れた木々のナラワラが
眼前に現れた。
しかも、倒れて湿地に没した大木もある。
自然に戻っていくのだろう。
樹齢100年ほどのミズナラの原生林が
地盤の低下によって
海水の浸食で立ち枯れて、
骸骨のごとく白骨化したのだ。
ちなみに、トドマツの木々が立ち枯れると、
それをトドワラという。
荒涼たる奇観に
自然の厳しさとはかなさを感じ、
声も出ずただ眺めるだけであった。
これぞ、地の果てか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?