フリーランスデザイナーに営業力が必要かどうか

福岡 フリーランス」で割と上位に来てた...当ブログ(外部ブログ)ですが、せっかくなのでそういったワードで流れ込んで来た人たちのために僕ならではの視点でいろいろと述べていこうと思います。

フリーランスのデザイナーなどによく聞かれる質問として多いのが、「営業力は必要ですか?」である。

いろんな方の見解は置いておいて、僕は必要だと考えるタイプです。

なぜか

冷静に考えればわかることではありますが、フリーランスとして活動している以上、基本的にはすべてのことを自分1人でやらなければいけません
すべてというのはつまり、「仕事獲得の営業活動からクロージング」「お客さんとのやり取り」「制作」「それ以降の保守・メンテ」などなど挙げればキリがないですが、だいたいこんなところでしょうか。

以上を見ればわかると思いますが、これだけの活動をする上で「営業力が必要ではない」といえる要素が逆にあるでしょうか

では、とりあえず「営業力」が必要ということはわかりましたが、他のみんなはどうしてるのか、営業ができない自分はどうしたらいいのかそもそも営業って何したらいいのかわからない、などの悩みを持ってる人のために、僕なりの「営業力」について経験も踏まえて解説します。

まず「営業」という考え方を捨てて楽になる

そもそも固く考えちゃうからダメだと考える当方です。

「営業」って言葉だけだと、一昔前みたいな「訪問営業」や「ルート営業」みたいな、「営業」=「大変」というイメージが定着している人もいると思います。(営業職の人ごめんなさい)

だったら営業って表現を変えたほうがいいでしょう。

仕事を獲得するための営業=プレゼン

フリーのデザイナーの場合ですが、まずやることといったら「仕事を獲得する」ことだと思います。
つまり昔風に言うと営業になっちゃって、またスタートに戻っちゃいますが、これは逆の見方をすると「お客様になるかもしれない人へのプレゼン」だと言えます。

つまり第一ステップの「仕事獲得の営業」は、「仕事獲得のためのプレゼン」と思考を切り替えましょう。
プレゼンと考えればやることもだいぶ見えてくると思います。
デザイナーは作ることが本職なんだから、名刺はまずこだわっていいでしょう。
そこから弾む話もあります。

次に大事なのが提案資料。
ここで制作実績を出してくる人もいますが、制作実績を出される側からすると、どんな制作物を、どういう層に対して、どんな目的でつくったかの背景が伝わりづらいです。
おまけに、実績の数が多ければ多いほど、何を見て判断すればいいのかわからない。

デ「私、今までこんなのをたくさん作ってきましたー(ドヤァ」
客「・・・おー、す、すごいですねー・・・」

ってなる確率80%です!これは経験も踏まえて!

デザイナーなら目の前のお客さんも1ユーザーとして見て、その人に刺さるような「提案資料」を作ってみてもいいと思います。

デザイナーの営業は、言葉よりデザインで。

お客さんとの制作上のやり取り=コミュニケーション

フリーランスのデザイナーの多くがここに悩まされる人は多いはず。僕もその一人でしたので。

ここに関しては正直言うと、営業経験がある人とない人では、折衝力にかなり差が出てしまいます。
ですが、ここで本当に必要なのは単に「営業」というよりは「コミュニケーション」をいかにとるか、これに尽きると思ってます。

フリーランスの人というのは悲しいもので、企業に属している人と比べられる傾向が高く、「低価格が当たり前」「こっちは法人ですよ」思考がまだまだ拭えないクライアントが多いのが現状です。
こういった関係性の中、デザイナーはクライアントの言い分に従う形で製作を進行していかなければいけません。
一見すると「それの何が問題なのか」思う人もいるでしょうが、世の中は広いもので、なかなか頭を抱えるクライアント様も多くいらっしゃいます。
どうしてもそういう人たちに対して、デザイナーであるこちらの見解や要望、意見が通りにくいことがしばしばあるのです。

具体的なケースでいうと、
デ「この前打ち合わせた内容を元に修正したものです。いかがでしょうか。」
客「うーん、全体的にはまとまってると思うけど、この空いてるところに●●●と○○○を入れたいかなー」
デ「そ、それだと、かなりゴチャゴチャした見た目になりますが、大丈夫でしょうか?」
客「そこはうまい具合にデザインしてもらえばいいよ」
デ「・・・」

この流れ、一見するとお客さんがわがまま言ってるようにも見えますが、僕の視点からいくとデザイナーのコミュニケーションに問題があると考えます。

重要なのは、僕らがデザイナーであることを自分自身でちゃんと認識した上で、お客さんとそれ相応に接することができれば、むしろ対等に話をすることも可能です。

デ「前回の打ち合わせを元に修正しました!□□さんのおかげでだいぶ内容がまとまってきましたね」
客「そだねー。だいぶいい感じ。でも、もうちょっと●●●と○○○を入れたいんだけどどう思う?」
デ「確かに●●●は情報としては入れたいですね。それはうまく入れるようにしてみましょう。○○○はHPでも説明できてるし、そこまで重要じゃないかなーとも思いますが、どうですかねー」
客「そうねー、○○○も入れたいんだけど、これ以上はゴチャゴチャなっちゃうかなー。HPにも入ってるし入れなくてもいっか。」
デ「いいですね!以上を踏まえてまた手直ししてみますね。修正に少しお時間いただいても大丈夫ですか?」

といった感じです。
こんな会話の内容、オメェのさじ加減じゃねぇかと言われればそれまでですが、このやり取りで重要なポイントは「お互いが一方的な意見を言う関係性じゃない」ということです。

常に相手に意見を求めつつも、相手の意見を取り入れて、二人で作っていくようなやり取りがいわゆる「お客さんとのコミュニケーション」だと考えます。

フリーランスデザイナーにおける営業力とは

全体的に長々とした解説になってしまいましたが、今まで営業と言われていたものが、実際は「デザイナーとしての本質」や「コミュニケーション」が重要であり、フリーランスのデザイナーだからこそ、そういった要素が必要じゃないかと思いますし、長年やってきた僕の見解もそこに至っています。

もう一度初めに戻ると、フリーランスデザイナーに営業力は必要か、という問に対しては「必要」と言いましたが、それはつまり「フリーランスデザイナー」ならではの営業力(デザイン提案・コミュニケーション)が重要という解に至ります。

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