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差別化って、難しく考え過ぎない方が上手くいくと思う私なりの理由

今週火曜日、朝、法務局に寄る用事があった。

ここの法務局の営業時間は、8:30から。

以前から、少し早めに着いて、目の前のルノアールで朝食をとるのが密かな楽しみだったりする。

そのルノアールは二階で、交差点の目の前。

窓際の席からは、朝の通勤時間帯の人間模様を観察することができる。

ーー私服の人、スーツの人。ランニングしている人、自転車で横切る人。点滅する横断歩道を駆け抜けるおばあちゃん。犬と散歩しながらゆっくりと渡る子供。

次から次へと、他人が入れ代わり立ち代わり現れては消え、現れては消えを繰り返す。

交差点は、様々な人間模様が交差している。

一人ひとりにそれぞれ人生ドラマがあると思うと、なんだか果てしない気持ちにすらなってくる。

ふと、この中の誰に向かって自分は仕事をしているのだろうという気持ちが浮かんだ。

■差別化に対する疑問と不安

自分の仕事は、他の誰かと同じように見えているのだろうかと思うとき、ふと頭に浮かぶのは、差別化という言葉である。

雇われている立場であれば、所属する会社内での役割をとりあえず全うさえすれば、ひとまず生き残ることはできる。

ただ、独立して事業主となるのであれば、そうはいかないだろう。

当然のことながら既に百戦錬磨の同業者が必ずいるわけで、経験も劣る身ながらも同じ土俵に上がらないといけないわけである。

そのために必要なのが差別化という話である。

ミュージシャンなどは分かりやすい例だが、今ならYouTuberでもそう、違いがなければすぐ埋もれてしまい、価値を見出されないのは、今も昔も変わらない。

ただ、この差別化は、まさに言うは易く行うは難しの典型で、実際にはとても難しい。

まず何より、他の誰も持ってない価値を手に入れること自体に高いハードルがある。そんなレアカードは、とっくの昔に先人達が狙っているもののだ。

手っ取り早い方法として、資格を取ることがよく言われているが、取ったところで今度はその資格を取ったもの同時での差別化が求められるわけで、差別化への根本的な解決策にはならない。

ここのところは、長い間、私の中でも答えの出ない疑問ではあった。

■差別化に必要な要素

そんな私の差別化に対する疑問に、一つの光を差し込んでくれたのが4〜5年程前に動画で見た藤原氏の講義であった。

当時の私にはなかなか衝撃的な内容で、どこかnoteの記事でも引用している気がするのだが、一言でまとめると、キャリアを極めてそれを掛け算すれば、自然と希少性が生まれるという内容である。

希少性を持つ(="レアカードになる"と藤原氏は表現されていた)ことができれば、必然的に差別化もされるわけである。

なるほど、と当時思ったわけであるが、それでも差別化に対する疑問は、まだ完全に払拭されたわけではなかった。

実際に昨年独立してみて、約一年間、それなりに差別化と正面から向き合ってきて、自分なりに行き着いた一つの結論がある。

それは、目の前の特定の"誰か"にとって一番であれば、とりあえずは良いということ。

たとえ自分がレアカードになれたとしても、そのレアさを感じ、実際に欲しいという相手がいなければ、それはただの紙切れになってしまうだろう。

つまり、差別化は、自分そのものにフォーカスが行きがちだが、それだけでは成り立たないということである。

とは言えあまり気負いすぎても潰れてしまうので、とりあえず目の前の誰か(私で言えば関与している顧問先や関係先)、その人にとっての一番を目指していくことが確実な道だと思う。

果てしない数の人を想像するのではなく、目の前の誰かにとっての一番を目指す。

それが、差別化は難しく考え過ぎない方が上手くいくと思う私なりの理由である。

■おわりに

そんなことをふと交差点を行き交う人の群れを見ながら思った。

この見ず知らずの人達全てに向けた、果てしない仕事をする必要はない。

目の前の、顔の浮かぶ誰かに集中して、地に足つけて仕事をしよう。

そう思ったところで、ちょうど8:30になった。

今日も頑張ろう、少しだけそう思いながら、会計を終えて1階に降りて、先ほどまで見ていた交差点を渡った。

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あさがお税理士事務所
代表税理士 伊藤貴文

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