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敏感肌に必見!セラミド・スキンケアのすすめ

スキンケアは心の潤い。DSRのたかおかです。

お肌のバリア機能にはセラミドがとても大切ということはお話しました。
セラミドを適切に維持して、バリア機能を正常に保つことが美肌への近道です。
そのようにセラミドを中心に据えたスキンケアを
「セラミド・スキンケア」と呼んでいます。


セラミドを大切にするスキンケアとは?

まず第1に、セラミドを失わない。
セラミドはお肌のバリア機能にはとても大切な物質です。
しかし、日常生活の中で、洗顔という行為によって失われていきます。
また、ストレスや摩擦によっても失われてしまいます。
年齢によってもだんだんと減少してきます。
お肌のセラミドが少なくなってしまうとバリア機能が十分に機能しなくなり、お肌の乾燥や刺激につながります。

第2にセラミドを補給する。
皮脂もバリア機能に大切ですが、
一度失った皮脂は通常は数時間で元にもどります。
しかし、セラミドは一度失うと、皮膚内部で生成されて元通りになるのに
数日~数週間かかってしまいます。
化粧品として、外部から補ったセラミドもバリア機能修復に効果があることは確かめられていますので、失ったセラミドを化粧品でしっかり補うことが大切です。

セラミドのいろいろ。どれが良い?

セラミドと呼ばれている化粧品原料には色々な種類があります。
大きく分けると次の3種類になります。

  • ヒト型セラミド

  • 天然セラミド

  • 疑似セラミド

ヒト型セラミドは、ヒトの皮膚にあるセラミドと同じ構造のセラミドです。
ヒト型セラミドの多くは化学合成によって作られたセラミドです。
しかし、最近では、天然物由来のヒト型セラミドも出てきました。
天然由来と言っても、ヒトから取られるわけではなく
ある種の酵母や麴菌などから分離されたヒトのセラミドと同じ構造のセラミドです。
ヒト型セラミドはヒトのもつセラミドと同じですからヒトとの親和性は高く、バリア機能の修復には最も適しているのではないかと思います。
合成のヒト型セラミドは構成している脂肪酸の鎖長がC18のものがほとんどで、天然のヒト型セラミドはそれより長い脂肪酸が含まれていて、バリア機能を高める効果が優れているそうです。

天然セラミドは、主に植物や馬由来のものが一般的です。
ヒトのセラミドと構造が異なり、セラミドにグルコースなどの糖が結合しています。
そのため、立体構造的に糖が邪魔になり、うまくバリア機能を再構成できないという報告もあり、バリア機能の修復には適しません。
しかしながら、それ自体の保湿力はヒト型セラミドより高いと思われ、
皮膚の細胞内でセラミドを合成するのを助ける働きもありますので
そういう目的で使用するには有効なのだと思います。

疑似セラミドは、化学合成で作られた、ヒトのセラミドに似た構造と働きを持ったものです。
ヒト型セラミドに比べると安価に作れますので
比較的廉価なスキンケア製品に使用されるケースが多いかもしれません。

セラミドには相棒が必要

セラミドには相棒が必要なのをご存じですか?
桃太郎に猿・犬・雉というお供がいたように
セラミドには「コレステロール」「脂肪酸」という相棒が必要なのです。
この相棒なしで化粧品に放り込まれてもたいした仕事をしてくれません。
セラミドはコレステロールと脂肪酸と一緒に「ラメラ構造」という層状の構造をつくることで、バリア機能を発揮します。
セラミドそのものは、たいした保湿力はないので、この「ラメラ構造」がミソなのです。

セラミドが力を発揮する「ラメラ構造」とは?

セラミドの化学構造は、スフィンゴイド塩基と脂肪酸が結合した構造をしており、分子内に親水性の領域と疎水性の領域があります。

セラミドは下の図のように分子内に親水性の領域と疎水性の領域があります。

セラミドの構造の模式図

そして、親水性の領域は親水性領域どうし、疎水性の領域は疎水性領域どうしが隣り合うようにきれいにならんでシートをつくります。
そのシートの疎水性領域どうしが対に向かい合う形でもうひとつのシートと重なり合い、いわゆる「脂質二重層」を形成します。

ラメラ構造の模式図

ラメラシートは何重にも重なって層状の構造を形成します。
また球状になったラメラカプセル(リポソーム)も存在します。

こうして層状になったセラミドは、親水性の領域が油などの疎水性物質が透過するのを邪魔します。また疎水性の領域は水や水溶性の物質などが透過するのを邪魔します。
こうして様々な物質の透過、侵入を防ぐ強固なバリア機能が形作られるのです。

セラミド化粧品の選び方

スキンケアでは、どのセラミドが良いか?というのは良く議論されます。
それぞれの化粧品メーカーは自分の使っているセラミドが一番良いと言うでしょうね(笑)。
私も多分に漏れず、ヒト型セラミドが最も良いと思っています。
それは、バリア機能の修復を目的とした場合、
最もヒトの皮膚との親和性が高く、バリア機能の再構成の効率が良いと思うからです。
しかし、疑似セラミドとの明確な差についてデータをもとに判断しているわけではありません。
疑似セラミドもそれなりに、効果的に皮膚のバリア機能を回復させるというデータは示されています。
ヒト型セラミドは高価なので、スキンケア製品も高価になりがちです。
廉価なスキンケア製品の場合、ヒト型セラミド配合と言っても
おそらくほんの微量しか入っていないかもしれません。
それであれば、しっかりとした量の配合された疑似セラミドを選ぶ方が良いかもしれません。

植物セラミドは、先ほど言ったように、構造的にバリア機能の再構成を邪魔します。
バリア機能を補う目的では適さないと思っています。
ただし、やはり先ほど言ったように、細胞内のセラミドの合成を高めるなどの効果はありますので、そういう目的で選ぶのは良いと思います。
ヒト型セラミドとうまく併用することが良いのではないでしょうか。

ヒト型セラミドは「相棒」が必要なことはすでに言いました。
セラミド化粧品を選ぶ際には、この点にもしっかり注意してみてください。

具体的には、化粧品の全成分を見て、どう判断すればよいか?
そのあたりはまたの機会にお話ししたいと思います。