《週刊セットプレー 2023》vol.22
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◆ショートで繋いでニア狙い(カターレ富山)
奈良クラブvsカターレ富山の試合でのセットプレーを取り上げます。
カターレ富山の2点目はコーナーキックから生まれました。
このセットプレーの最初の立ち位置はこちら。
攻撃側・守備側のどちらもファーサイドに固まっていることが注目ポイントです。
〈守備〉
11人全員が戻っての守備をしています。
マンマークを中心としたゾーンとマンマークの併用での守備をしています。
ポスト付近に1人(➋)、ゴール前中央に1人(➌)がゾーンで守っていて、残りの選手はPA内の相手選手をマンマークで守備をしています。
〈攻撃〉
PA内に8人が上がっての攻撃をしています。
中央からファー寄りに7人、PKスポットやや後方に1人がいることでニアサイドに広大なスペースを作っています。
後方から③がボールに寄り、PA角付近でボールを受けています。
ファーサイドに多くの人数をかけていたためにニアサイドの守備が少なく、守備2人がプレスに来ますが、距離があるため、③は余裕を持ってプレーができています。
また、ニア寄りのスペースを守っていた2人(➋,➌)が来ているため、ニアサイドにはさらに大きなスペースが生まれました。
このニアサイドに生まれたスペースにファーサイドから⑦が走りこみます。
⑦は一度前への動きを見せてから横移動をしているため、マークと距離ができるようにしています。(⑦をマークの➑は密集をかいくぐり、完全にフリー状況は作らせませんでした。)
クロスを⑦(柳下選手)がダイレクトでうまく合わせ、ゴールに繋がりました。
また、多くの選手が前線に上がっていて、最初後方にいた③も攻撃に関わっているため、ファーサイド大外にいた⑤,⑥は後方に走り、カウンター攻撃に対してのリスク対策を行っています。
◆点と線で合わせるFK(ジェフユナイテッド市原・千葉)
栃木SCvsジェフユナイテッド市原・千葉の試合でのセットプレーを取り上げます。
ジェフユナイテッド市原・千葉の1点目はフリーキックから生まれました。
このセットプレーの最初の立ち位置はこちら。
〈守備〉
11人全員が戻っての守備をしています。
ゴールまで距離のある位置でのフリーキックなので壁に1枚おいて、ゴール前中央に戻る位置に6人(➍∼➒)がいます。
〈攻撃〉
2人(⑩,⑪)がオフサイドになる位置からスタートしています。
これは、蹴られる直前に下がるであろうディフェンスラインに吸収され、オフサイドでない位置に変わるという理由での立ち位置です。
最初からディフェンスラインを下げるわけにもいかないので、マークに付かれていない状態からスタートができます。
ゴールほぼ正面からのフリーキックでゴール結びつく一般的な攻撃方法は、ファーサイドに滞空時間の長いボールを送り、そこで競り勝って直接またはパスを受けた選手が決めるという形です。
この攻撃では中央に低く速いボールを送っています。
この軌道のボールに合わせられるポイントは、守備の準備が間に合っていない位置と、ボールに追いついた大外にあたる位置の2か所です。
最も早くディフェンスラインを下げた➑によってオフサイドでなくなった⑩(鈴木選手)が手前の星印で合わせ、ボールの軌道を変え、ゴールを決めました。
いわゆる”よく見る攻撃”ではない形で、素晴しいゴールが生まれたシーンでした。
◆過去記事
◆取り上げた試合のハイライト映像
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