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DVにさらされる子ども達~面会交流での子への悪影響を見抜くポイントと伝え方

多治見の弁護士木下貴子(@多治見市,多治見ききょう法律事務所)です♪
読んで下さってありがとうございます🥰感謝しています💖

今回は,私の電子書籍も読んで下さった方で,モラハラ夫との離婚を進めていく上で,役に立った本として紹介されていた本「DVにさらされる子ども達」(DV加害男性とその家族に直接かかわった経験,加害男性を対象とするプログラムのグループリーダーとして1000人を超える加害者にカウンセリングをしたり,裁判所での親権評定に関与してきた経験を有する著者ランディ・バンクロフトとジェイ・シルバーマンの共著です)から気づいたことを改めてご紹介します。

夫から妻へのDV,特に精神的虐待,心理的虐待と言われる「モラハラ」のケースで,子どもにどのような悪影響があるのか,それによって,面会交流を実施する際に,気をつけるべきことは何なのでしょうか?

私自身は,今でも,子どもが愛されているという実感を得て育つために,面会交流をすることも,とても大切だと思っています。

そして,子どもと一緒に住む同居親側に,モラハラの傾向がうかがわれる事案では,子への悪い影響が,子どもの言動からも明らかに感じられるものや,面会交流を不当に拒否されていると感じるものもあります。
そのため,同居親側の対応に問題があって,面会交流が実施できない場合の「適法な」対応についても,動画などを通じて,繰り返しお伝えしています。

しかし,一方で,モラハラを受けた同居親の立場の女性からは,子と父親を会わせることがとても苦痛,というご相談を受けます。
離婚の手続きまでは,離婚すれば安心して過ごせる,と思って希望を持って頑張れたけれど・・・
離婚後も,面会交流を通じて,攻撃が続いていてつらい,終わりが見えないので,離婚までよりも絶望的な気持ちになっています・・と言われることもあります。

子どもと一緒に住む母親の安心した生活を守ることは,子ども自身の安心した生活,「子の利益」にも繋がりますから,私はとても重要な事だと思っています。

加えて,DV,モラハラによる子への悪影響は大きく,離婚,別居したからと言ってなくなるわけではありません。

そのため,「子どもの脳を傷つける親の行動,発達を促す親の行動」でも紹介していますが,面会交流の実施に注意が必要です。

そして,「子の利益」が最優先で決められるのが面会交流ですから,「子の利益」とならない面会交流であれば,制限されるべき場合も,もちろんあります。

この点,DVがあったかどうか,モラハラがあったかどうか,が争われること自体も多く,本当にそのような事実がないのに会わせないのであれば,「子の利益」のために,面会交流を実施できるように調整することも裁判所の役目として重要なところです。

しかし,実際の離婚調停や面会交流調停では,そのような事実があったかどうか判断することが難しいこともあって,この点の確認が曖昧なまま,面会交流を実施することが「子の利益」になる,という前提で進められてしまっているのではないか,と感じることも少なくありません。

実際に,DV,モラハラがあったと言えるような場合であっても,それによる子への悪影響が軽視され,面会交流を実施するよう安易に進められてしまい,子への影響が心配な事案,被害者であるはずの母親がとても苦しんでいると感じられる事案もあります。

そのため,同居親,別居親,の立場に関わらず(と私は思っていますが),DV,モラハラの加害者であるかどうか,その傾向が見られるのか,は面会交流を実施すべきか,実施するとして,どのような方法で実施すべきか,において,とても重要な要素になるけれど,その事実認定は難しい…

男性がモラハラ,DVの被害者になる場合もありますが,女性が被害者になるケースの方が圧倒的に多いことを踏まえて,女性が被害者,男性が加害者となる場合の特徴を踏まえ,この本ではアドバイスをして下さっています。

特に女性被害者向けに「加害者」,子に悪影響を与える父親(男性)となる人の傾向について書かれていましたので,今回は,女性の方に,是非これを見抜いて,「子の利益」とDV,モラハラを受けたご自身の生活を守るために,裁判所で適切に伝える方法,対応の仕方,ポイントとして参考にしてもらえたらと思います。

面会交流で注意すべきモラハラ(心理的虐待)をする人の特徴は。見抜くためのポイントは?
DV,モラハラによって,具体的にどのような子への悪影響があるのか?
DV,モラハラのあるケースで,面会交流を実施する際に注意すべきことは?

特に女性で子と一緒に生活する同居親の立場の方で,面会交流を本当にしてもいいのかと悩んでいらっしゃる方,もし実施するとしたら,どのようなリスク,注意点があるのか,「子の利益」のために,実施しない方が良いと考えた場合には,どのように裁判所に伝えていったら良いのか,参考にしてもらえたらと思います。

この本の著者ランディ・バンクロフトさんについては,最近,オンライン講演会で「DV加害者と虐待」~DVは子どもを苦しめる「受動虐待」~をテーマにお話を伺いましたので,また,改めて気づいたことをご報告したいと思っています。

https://tajimikikyo.com/?p=4118

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