行動工学とはなにかースキナー心理学入門ー5章 知覚を読んで

こんばんは、takabatanです。
今回はスキナーの著書、「行動工学とはなにか」の一番私が興味を惹かれる知覚の話です。

行動分析でどう知覚を扱うのか、特に自分をどう思うのかとか、自己について上がってくるイメージをどう扱うのか。そのことは私のある意味人生最大の疑問の1つです。

大学院で曲がりなりにも行動分析を勉強し、現場でも応用行動分析を中心として支援をしていますが、利用者さんのイメージとか頭の中にあることをどのように活用していくか、心理的な素材をどのようにCLとThがシェアをして今後についてお互いに考えていくのかというのは日々のワークでもあり、難しい課題でもあります。

このスキナーの本の5章はその疑問について、実にシンプルに回答をしてくれています。端的にスキナーの言葉を借りると、「刺激コントロールの別種の自己知識は、われわれの行動をコントロールしていてる随伴性を分析する時に、利用可能となる。」となります。

つまり、自分のことをこういう人だと思うのも、それは知覚行動であるということ。自己知識という刺激に対する反応として、自分のイメージが有る。

夢などもそう。夢も知覚行動である。ある刺激に対して夢を見るという行動があるということだと、スキナーはバッサリと語っています。

こうまではっきり言っていいものかどうか・・・疑問ではあるけど、ここで問題とされるべきは、では、その随伴性と呼ぶとき、その行動を強化している強化子があるかどうか。ここについては・・・あまりこの章では明確ではないように感じますね。

個人的には、夢は記憶を再処理している過程であると言う説もあるので、脳がそもそも溜まっていくだけの記憶を処理してスッキリするためには夢を見るという事が必要で、その夢を知覚的な行動と定義をするならば、脳が記憶をしすぎてためすぎたという状態になった時に(確立操作)、諸々記憶にある色々なものを先行事象として、夢に再構成して見るという知覚行動が起き、それにより脳がスッキリするという後続事象、すなわち強化子を得ているという考え方は成立しそうな気がします。

では、たとえばフッと湧いてくるイメージとかはどうなのか。

今回取り上げたスキナーの本の他の章には「思考」という章があったりするので、そちらも確認してみないとですが、私が普段考えているのは、自分がその日置かれていることや考えていることそのものを先行事象として、イメージが湧いてくるという行動が生じ、後続事象、強化子としてはスッキリするというものがありそうかなあと日々感じています。

ただし、即時強化されるものばかりでなく、だいぶ遅延されて強化子が後続することも多そうですし、私たち心理士は、ネガティブケイパビリティが重要であると言われることもこの遅延と関係ありそうです。

すぐにCLさんの洞察にたどり着けるならば、すぐ問題が解決するならば、そんないいことはないけれども、実際はそうは行きません。

CLさんが何で困っているのかわからないとか、確実に弱化されてそうなのに、なんでこの人はこの行動を続けているのかよくわからない・・・ということもあるのですね。

そんなとき私たちは解決を急ぐよりも、待つ・耐えるということが求められるし、専門家であるということはこの待つという行為ができる、寄り添い続けられる、伴走者で有り続けられるということで、普通の人よりも訓練によって遅延の時間が長くてもいつか強化子に当たる時が来るということを信じて、この行動をしている・・・というより遅延されても強化子を得た経験があるからこそ、しかもそれが常にではなく、間欠的に来るからこそ、Thの行動は強化されているのだと言えそうです。

ん・・・本の話からだいぶそれました・・・

と・・・とにかく・・・スキナーのこの本の知覚の章は全く理解しにくいけれども、シンプルにスキナーの考え方が表現されていて、正しく刺激的。

もしよろしければ古本屋さんや図書館へGO!
駄文で、申し訳ございませんが、これで終わります。
ありがとうございました。




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