きみにきかせたい歌

あれ? 何をそんなに恨んで 何故にこんなに疲れている?
空を映すでもないコンクリが冷えた目で僕を見下す

その顔に落書きする少女 服を汚すのもためらわず
色を失くすのも怖かない ひたすら でたらめな線に夢をのせて

ママの言いつけを守って 車道に出ぬよう隅っこで描いてる
本当ははみ出しそうなほどの思いなんだろう
なんて一人勝手にシンパシー感じたり

また詰め込みすぎてさ 自分さえ支えられなくなったら
その都度描くんだ きっと今 一番 きみにきかせたい歌

ただの言い訳に過ぎないけど 上手に生きている大人の方達も
本当は泣き出しそうなほどの思いなのかも
なので子供染みたハーモニーで

ほら

鯨の上に跨って 君はドレスを着て
ピンク色の気流と踊るのさ
路上の国の虹が 星に架かったら
あの飛行機雲を食べにいく

もっと もっと 大きく描ければいいな
そっと そっと そんな夢に忍び寄ろうよ
行こうよ 行こう

あれ? 何をあんなに恨んで 一体何に疲れてたっけ?
さっきと何ら変わらないコンクリを踏みしめて 足並みに合わせて描く
何度でも 何度でも きみにきかせたい歌

#290 07/03/14

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