あの歌詞のアイツ

エビングハウスが引いた曲線
滑り落ちて どこへでも
こぼしてきたものを 拭いたくても もう乾いてるだろう

ひとりはいいけど ひとりぼっちは嫌
そうして今夜も逃避行
僕のことを何もわからないはず なのに全て知っている

いつからか姿を重ね
あたかもさ 自分事のように 思い出せる

あの歌詞のアイツ まだ歌の中で また同じようなことで
悩んでいるアイツ でもたまに笑って そこで生きている

いつの日も 変わらないね
在りし日の 君のまま 会える

リビングデッドは今を感じるか
そういう意味じゃ 過去も並行
薄まっていく髪色を より鮮やかに 克明に 最先端が映す

あの時の言葉 まだ胸の奥に 深く突き刺さってるんだ
その時の僕は もうここにいないのに 誰が痛がってるんだ?

恥も 意地も 見栄も 夢も
僕がその時間に忘れてきたものを 抱き締めててくれる

あの歌詞のアイツ まだ歌の中で また立ち止まって
病んでるアイツ でも挫けないで 元気でやっている

あの歌詞のアイツ ほら 胸の奥で また間違えている 
この先の僕は まだここにいないけど ここで生きていく

いつの日も 変わらないね
在りし日の 君のまま
これからも 変わらないね
過ぎし日の 君のまま

#492  2021.5.3

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