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細かいこと③「行く行く詐欺の特効薬」

今回は
不登校界隈で一般的に「行く行く詐欺」と呼ばれている現象を解説します。

夜に「明日は天気がいいので、お母さん仕事休みなので買い物でも出かけよう」と不登校児と話していたのに、朝になると「行きたくない」と言う。母親は「そうかそれならば、自分1人で出かけて用事を済ませよう」と支度していると、出かける寸前で不登校児が来て、「昼からなら行ける」と言う。本当はすぐに行きたかったが、毎日部屋にこもっている娘を思うと、外の空気も吸わせてあげたいし、新しい服でも買ったら気分転換になるかも、何より子どもと出かけたら楽しいだろうと考え、昼からでも一緒に行けるなら行った方がいいと思って了承した。不登校児は布団に戻ってしまう。起きてきたのなら今、支度すればいいじゃないかと思うがそれはグッと耐える。でも、昼を過ぎても不登校児はなかなか起きて来ないし準備を始めない。何度か声をかけると不貞腐れて支度をノロノロと始める。下の子も帰ってくるし、買い物は午前中に済ませておきたいイベントだったので「急いで」と強く伝えると

「そんな風に言われたから、もう買い物に行く気無くなった!本当は行きたかったのにお母さんのせいだからね」

と泣かれた。結局、私も子供も買い物には行けませんでした。1日が無駄になりました。

ぶらりさん、私はどうすれば良かったんですか?

これは、答えとしては、「どうにもならん」です。

お子さんの気持ちを代弁すると、布団の中でずっと葛藤していたわけです。

「買い物行きたいな、でも着替えるのしんどいな、このまま家にいたら気が滅入るな、行きたいな、お母さんそろそろキレるかな?私、服全然ないから新しいのほしいけど、いいのあるかどうかわからないし、明日から雨ばかりだから本当は今日行きたいけどしんどいな。」

布団の中でスマホゲームしている間もズーーーーっと悩んでいます。悩み苦しんでいる時に横からごちゃごちゃ言われるとカーッと来て、母親に暴言が出ます。超難しい数学の難問を解いている時に、あと一歩で答えが出そうな時に横から邪魔されたとイメージしてください。

だから母親のせいでショッピングセンターに行けないと言うのは不登校児にしてみたら筋は通っているのです。

買い物に行ける理由

買い物に行けない理由を探しています。

行くが優勢か?劣勢か?心の中は大きく荒れています。だから行く行かないが二転三転します。

ここで、子供部屋に乱入して

「さっさと用意せえーーーーー!」

で回復期の子であれば首根っこ捕まえて連れていくことも可能ですが、あまりして欲しくありません。理由はそれが日常になってしまって、不登校児が自分で自分の責任を取れなくなってしまうからです。

できればここはアイメセージを使って

「お母さんは、せっかく楽しみにしていたのだから一緒に行きたいな。でも気が乗らないのならお母さん一人で行ってくるね。」

と声をかけてください。他の用事との兼ね合いで時間制限があるのであれば、それも前もって伝えておく。期限を切って、何時までに支度ができなければ一緒に行ける、それ以降は行けないと決めておく

そして、その約束を平気で破ってくるし、ちゃぶ台返しをしてくる不登校児。

不登校児と暮らすというのは忍耐が必要ですね。

こういうグダグダに1万回ぐらい付き合ってきましたけど、一発でテキパキ支度し始める魔法の呪文なんてありませんし、お薬もありません。上にあるように、父親の「いい加減にしろ!」鶴の一声で動く場合もありますが、それがあったからと言ってこれからもすぐに動けるとは限りません。

ですが、案外、ドタキャンや行く行く詐欺が続くと、本人の自己嫌悪が最大値にまであがり、その後は案外動ける場合が多いです。やはり不登校児だって、ドタキャンする自分は、誰に言われなくても嫌なものです。

親側としては、忘れた頃に、、

「あれ?そういえば最近出かけるのがスムーズじゃない?」

と回復を実感するものです。

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