からメシ 第130話 太陽の道

俺も高木さんも
疲れて、ぐっすり寝てしまった。


わけだが

「大きさとか関係ない。高木さんのだから好きなんだ!」
「大きさとか関係ない。高木さんのだから好きなんだ!」
「大きさとか関k」


そういえばさっき言ったな///
って思える俺の恥ずかしいセリフで目を覚ます。

「な、な、なんなのこのアラーム!///録音してたのさっきの///やめてよ俺の恥ずかしいセリフアラームにするの///」

「えー、じゃあえっちなことして起こした方が良かった?それでもいいんだけど、今回は私自身が起きれなそうだったからアラームにしたの」

「普通のアラームにしてよ///」

急いで着替えて(高木さんがまた俺の前で着替えちゃうから色々と困った。色々と。)支度して出る。
高木さんは俺が中二の時プレゼントした手袋、俺は高木さんに中二の時貰った手編みのマフラーをつける。
高木さんが一生懸命編んでくれた、という所に温かさを感じる。

そう、初日の出に間に合うように。

去年は神社の前の海岸だったけど、今年は神社の石段に座る。高木さんのリクエストだ。一体どんな魂胆が
高木さんを後ろから抱き抱えるようにして座る。

ギリギリだったからかすぐ日が登り出す。
太陽が少しずつ顔を出す。

「綺麗。」

「ああ、朝日が綺麗だ。」

「…夕日が赤いな。の派生?それ別にかっこよくないよ?」
「……ただ、月が綺麗の派生だったらロマンチックかもね。」

「そ、そこまでは考えてなかった!」

「あはははは。正直だね。…でも私の事好きでしょ」

「…うん。」

「ほら、見て、西片。参道」

日の光に照らされて道のような筋ができていた。

「太陽の道って言うんだって。元旦にこの鳥居の真っ直ぐ真ん前から日が昇るから」

「綺麗だね。」

「うん、毎年必ずこの位置に登ってくるんだよ。」

「毎年。変わらないんだ」

「うん。絶対変わらないことってこの世の中にあるんだよ。孤立系のエネルギーの総量は変化しない、とか。」

「エネルギー保存の法則だっけ?」

「そうそう。よく勉強してるね。うん。あとは、私が西片を好きな事とか、私が西片とずっと一緒にいることとかね。」

「物理法則並なの!?」

「物理法則以上の不変則だよ。」

しばらく、初日の出を眺める。

「さ、お参り行こっか。」

「そうだ、ふたりで当てっこしようよ。何お願いするか。」

高木さん。甘すぎるよ。その辺はもうよーく知ってる。しかも俺と高木さんの願いは同じなんだ。いやちょっとまて

「いられますように、じゃなくいれますようにだから‪✕‬、ら抜き言葉だから違いますみたいなのは無しね」

「うん。」

「それなら簡単だね。随分。答えは。俺と…一緒に…」

「俺と?なに?」

ちょっと恥ずかしいぞ改まって言うとなると
いや何恥ずかしがってんだ俺///

「俺とずっと一緒にいられますように///」

「ブー!」

「えええええ」

ショックだぞ。これ。不正解なことより、そうおもってないの?いやそんなはずはないだろ

「不正解ではないんだけど、回答不十分なんだよ西片は」
「正解は、西片とずっと一生一時も離れずに、幸せに生きて行けますように。何回生まれ変わっても西片と一緒にいられますように。でした」

「それで不正解ってなんかおかしくない?」
ほっとしたけど

「不十分は不正解だよ。チンパンジーの写真出されてなんという種の動物でしょうって問題に脊椎動物って答えたら不正解でしょ?」

「そうかもしれないけど」

「一時も離れずずっと一緒には強調して願いたいし、…喧嘩ばっかとかじゃなく…まずそんな事ないだろうけどさ、楽しく幸せに一緒に生きたいよね。いや、生きたい。じゃなく生きようよ
それに1代限りじゃなくて輪廻転生ずっとよろしくって感じだから。」

「うん。そうだね。」

「西片は私とずっと一緒に生きたいって?」

「……そ、そうだけど今の話聞いてたら高木さんと同じにしたいな///」

「一緒にお願いしよ。」

2礼2拍手1礼で俺たちの、物理法則よりも固い絆と願いを。より強固にするためにお願いをする。

でも、神様にお願いしなくても俺たちは。俺と高木さんは。俺と高木さんの力だけで、ずっと一緒に幸せに生きられるだろう。

「そうだよ。西片。だから輪廻転生までいれる意味あるんだよ。そこをちゃんと神様にやってもらわないと」

…なんで思ってることがここまで明確にわかるんだ高木さんは

「好きだからだよ」

ほらまた

「大好きだから」

帰り道。ゆっくり手をつなぎながら高木さんの家に帰る。
……正直めちゃくちゃ眠い

高木さん「ただいま。あけましておめでとう」

西片「あけましておめでとうございます」

高木さん父「あけましておめでとう。」

高木さん母「あけましておめでとう。……あんたが餅つきたいっていうから石臼用意しといたわよ」

高木さん「ごめん、お母さん。今日中にはつくからさ。今寝ていい?すごく眠くて」

高木さん母「ちゃんと昼には起きてつくのよおもち。あんたが言い出したんだから」

高木さん「はーい」

---

高木さんの部屋に着く

二人ともベッドに倒れ込む

「寝るね。西片。もう限界。…寝てる間に~えっちなことしてもいいから」

「し、しないよ!だいたい普通しちゃダメだよって言うだろそれ!……おれだって眠いし」

「そ…まあわたしも…起きてる時のほうが……zzz」

も、もう寝てる!布団もかけずに!
仕方ない、布団に入れてあげて、俺も入って、寝よ。

すると、高木さんが抱きついてくる。
ぎゅーって密着する。
実は起きてんじゃないのかこの人。
高木さんの温もりと、いい匂いと、やわらかさで…ちょっと興奮しちゃって、しばらく寝付けなかった。

第130話 完

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?