からメシ 第127話 大掃除

12月も終わりごろ。

「去年は私が西片の家泊まったからさ。今年は西片が私の家泊まってよ。」

とか高木さんが言い出す。
1度泊まったことあるとはいえ、
長期間高木さんの家に泊まるのは初めてだから如何なものかと思いきや
高木さんの両親も俺の両親もOKしてくれたので、お泊まりすることに。

といっても勉強合宿みたいなもんだ。
ひたすら勉強。勉強。
高木さんの教え方は分かりやすいし楽しいけど
それでも勉強ばっかりは飽きる。
しかも、高木さんがしっかりとリードして勉強するよ!って感じならともかく

「んー。西片飽きちゃってるね。気分転換にさ、えっちでもする?」

「し、しないよ///」

とか脱線どころか誘惑してくるのが困るんだよな。まだ初めての時に1回(正確に言えばその日5回もしたから5回なのか?)しただけなのに
日常的にこの手の誘惑してくるからこまる。

そんな中

高木さん母「勉強もいいけど年末なんだから部屋の大掃除しなさいよー。」

と高木さんのお母さんが下の部屋から声をかける。

「ごめん、西片。大掃除しろって言われちゃったから、下でくつろいでていいよ?ちょっと時間掛かるけど」

「え、いいよ、俺も手伝うって。力仕事とかあるかもしれないし」

「え、悪いからいいって。西片はお客さんなんだし…それに……」

「それに?」

「ううん、なんでもない。とにかく申し訳ないからさ」

……怪しい。なんか隠してるのか?
いや、変な心配はしてないけど。でもなんかもやもやする

「いや、俺、掃除手伝いたいから」

「そう?じゃあ西片、上の方お願い。」

下になんかあるなこれ。

ん?机の後ろになんか箱が…たくさん…

なんだこれ

「あっ、それは……///」

でかでかと0.01と書かれた箱が沢山あった

「……い、いつでも西片に…抱いて貰えるようにって……///」

見つけた俺が恥ずかしいんだけどこれ……///
でもこれはからかい返すチャンスか?

「高木さん、こういう事でいつもからかってくる割に、自分は恥ずかしかったりするんだ?」

「うん……///実はいつも結構恥ずかしいんだよ?それよりも西片と…こういう事したいって気持ちが強いから突っ走っちゃうだけで」

しめた、あとはここをつつけば
「こういう事って?なにかな」

「……せ、セックス///」

「セックスって言わないで!///」

「っ。はははははは。結局西片が照れちゃうんだね。」

高木さんめー。ん?でも待てよ?
なんかよく見るとノートも落ちてるぞ

「なんだこのノート」

「そ、それはだめ///」

なんかもやもやする。
からかい返すチャンスだけどそれ以上にこのもやもやをなんとかしたい。

「見ていい?」

「それはだめ……///」

ダメって言われるとみたくなる
もやもや感があるし
……でもこれ、良くないよな。

「ごめん。高木さん。見ないから。」

「……」

ちょっと、いや、凄く気になるけど
良からぬ内容だったらどうしよう。とか

「私こそごめん。ちょっと恥ずかしい内容だからさ。でも、よく考えたら。西片に見せないものがあるのって私自身も嫌だし…西片がもやもやをずっと留めることになるのも嫌だし。やっぱり……見てくれるかな。」

「わかった。見るね。」

「うん。///」

高木さんが恥ずかしがる内容ってなんだ。

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1ページ目には

西片ノート
とかわいらしくかれていて、ハートマークでデコレーションされていた。

2ページ目
今日西片に告白された。私もやっと好きだって言えた。やった。私、生きててよかった。
幸せにするって言ってくれたのも嬉しかった。私も絶対西片のことずっと幸せにするから。

あまりに嬉しかったので今日から西片が好きな気持ちを時々ここに書き記していこうと思う

(日記に詩が混じったもののようだ。)

初めて重なる唇。
西片の方からしてくれて嬉しかった。
めちゃくちゃ恥ずかしかっただろうに。
頑張ったね。だから余計、ほんと嬉しかったんだ。

西片の事が好きすぎて、私はもう半分西片なのかもしれない

西片へ。生まれてきてくれて本当にありがとう。今日西片の誕生日だったからさ。

西片の思ってることは手に取るようにわかるよ
だってそのために私の思考も感情も存在するんだから

西片とキスをしているとこのまま唇と唇がくっついて離れなければいいのに、って思ったりする。ご飯食べられなくから困るだろ!って西片は言うかな?それもそうだね。でもそれくらいの気持ちって事だよ。

西片がバイクの免許取りに行った時とか、ちょっとの間会えないだけでも辛かった。泣いちゃうなんてね。

西片の匂いに包まれてると落ち着く。毎日包まれていたい

西片と一緒にいたい。一緒に暮らしたい。赤ちゃん欲しい。

なんで私はまだ西片にあげられてないものがあるんだろう。西片に私の全部をあげたいのに。

紅葉の赤色より、西片の顔の赤色眺めてる方が好きだな。

家のベッドで一人で寝るより、西片と一緒に寝る方が落ち着くし安心するし安らぐ

西片に裸見られるのは確かに恥ずかしいはずなんだけど、それよりも西片とひとつになりたいから恥ずかしさはどっかいく

私は欲張りだから、西片と一生一緒じゃ足りないや。輪廻転生しても西片とずっと一緒だけは譲れない。その代わりその時は人間になれなくてもいい。それでも西片と、生まれ変わっても一緒にいたい。

歩幅や呼吸、心臓の鼓動の一つ一つすら、西片と同じリズムを刻みたい。

西片へ、西片がいてくれたから、生きてこれたよ。ありがとう。

絶対にいつも、ずっと西片の隣にいて、西片を支えるのが私だよ。それが出来ないならそれはもう私じゃないし、存在する意味もない。私の人生は西片のもの。

初めて西片とひとつになった。西片に全部をあげられた。大きな夢が叶った。嬉しい。嬉しい。嬉しい。ほんとに幸せ。
生きててよかった。西片がこのために色々と覚悟を決めてくれたのも嬉しかったしかっこよかったよ。
あと大きな夢は西片の赤ちゃん産むことだね。

恥ずかしがっててもちゃんと西片は愛してくれてるのがうれしい。だからついからかっちゃう。

私は世界一の幸せ者だとおもう。だって西片と一緒にいるんだもん。

等など

高木さんが顔を真っ赤にして枕に埋めてる。

「ああああ。恥ずかしい///に、西片に、は、初めてをあげた時よりは、恥ずかしい///」

これをからかいに使えば史上最強のからかい返しができたかもしれない。
でも俺にはそんなことできなかった。

こんなにも高木さんが俺の事を愛してくれてる。こんなにいっぱい愛してくれてる高木さんなんだから

「高木さん。恥ずかしくなんてないよ。ありがとう。俺の事こんなに愛してくれて。///」

「でも、恥ずかしい///」

「嬉しかったよ。俺///」

「ありがと。」

下から高木さんのお母さんの声がした

高木さん母「2人とも~おやつあるわよ~休憩したら」

西片・高木さん「はーい!」

第127話 完

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