からメシ 第132話 いざ北海道

高二の三学期。
始業式を終え、ホームルーム

早速間近に迫った修学旅行の班決めが行われる。
一気にクラスは修学旅行ムードだ。

「西片、ヤろっか?」

「言い方!///」

「え、別に普通の言い方じゃない?意識しすぎだよ~。」

「そうかな...まあでもぜひ、一緒の班になって下さい」

「もちろん。一緒にヤろ?」

「だから...///」

無事高木さんと同じ班になったが...
班は4~6人なのであと2人は...

高尾「おう、西片!班いっしょになろうぜ」

ミナ「高木ちゃん一緒の班になろ~」

と割とすぐ決まった。二人ともクラスに他にも友達いるが(特に日々野さん)、気を使ってくれたのか、なんだかんだ中学の時からの方がいいのかはしらないが。

あとは、余ってしまった人とかいたらいれようかと思ったが、そんなことも無く。無事班が決まった。

さて修学旅行当日。池田港に集合しフェリーで高松港、そっから高速バスで大阪の伊丹空港に行き飛行機で新千歳空港まで行く。

もちろん、フェリーでも高速バスでも飛行機でも高木さんの隣だ。昼食はバスの中で出されたお弁当を食べる。というのも結構カツカツなのだ。なにしろ4日の日程のうち2日は移動日である。

飛行機の中

「西片、私また窓際でいいの?西片も景色見たかったりしない?」

「こっからでも見えるから大丈夫だよ。」

「あ、高すぎて怖いのか。」

「ち、違うし///」

実はそれもあるけど、一番の理由は俺の横に高尾が座ったからだ

男、しかもクラスの男子に高木さんの横に座られたくない。
俺にこんな独占欲があるとは思わなかった。けど、その気持ちには正直になりたい。

「そっか。西片はそんな感じか。なんかうれしいや。とっても」

高木さんもその気持ちに気づいたのかもしれない。高木さんが俺の手をギュッと握った。

高木さん「北海道、春休み以来だね。西片。」

西片「うん。北海道って言っても春休みとは場所だいぶ違うけどね」

高尾「…春休み以来って……」

西片「な、なんでもない///」

しばらくすると
「...西片っ...❤」すーすー

高木さんが寝てしまった。俺の肩にもたれかかって。かわいい。
高木さん、そういえば、俺に修学旅行満喫してもらうために色々考えてたらあんまり寝れなかったとか言ってたな。

いつも、高木さんは。俺のために頑張ってくれて。ありがとう。

高尾「なあ...お前らってやっぱり...もう...」

西片「しーっ。高木さん寝てるから」

そんなこんなで新千歳空港につき、バスで
某スキー場の近くの宿へ行く。もう夕方だ。

「西片、見て見て。雪だよ。」

「香川じゃあんま降らないもんねえ」

と高木さんと会話しながら。手はしっかり繋いでいる。

そんなこんな、かなり暗くなってから宿に着く。

夕食は豪華だった。

高木さん「西片。カニ剥いてあげるね。」

西片「ありがとう。高木さん。...でも高木さんもいっぱい食べてよ」

高木さん「うん。分かってるよ。でも西片のカニ剥くの楽しいから」

西片「...じゃあ高木さんの分のカニは俺が剥くよ」

高木さん「それじゃ意味ないよ~」

ミナ「二人とも仲よしだねー。」

高尾「あ、あのー俺のカニもだれか...」

シーン

高尾「なんでもないです。すみません。」

西片「...高尾もいい機会なんだし月本さんと話してみたら?」

一日目はバイキングなので、一応席は行動班できまってるけど、結構移動とか自由なのだ。まあ、俺はそれでも高木さんと一緒に食べるのが心地いいけど。

高尾「あ、あの。つ、月本さん。」

サナエ「は?」

高尾「良かったら俺のカニ、むいてもらいませんか」

サナエ「なんでわたしがあんたのカニ剥かないといけないのよ」

ケリをいれられる
高尾「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」

高木さんが剥いてくれた蟹は美味しかった。
カニミソつけても絶品

高尾がどっかいって(多分木村のとこ)代わりに天川さんが来た

高木さん「さ、またお食事取りにいきましょ。あ・な・た❤」

西片「ひ、人前でやめてよ!///その呼び方!」

ユカリ「に、西片君っていつもそんな呼ばれ方してんの!?」

西片「違う!違うから!///」

食事を取りに行く
「ほら、高木さん。変な誤解されちゃったよ天川さんに」

「でも、たまに、あ・な・た❤って呼んでるよね。西片の事。...誘惑する時とか」

「だから!///」

「いいんじゃない?将来的にはそうなるんだし」

「でも!と、とにかく学校の人に高木さんと俺の事にあんまり首突っ込まれたくないっていうか」

「おお。恥ずかしいから?それとも...邪魔されたくない?」

「り...両方だよ……。」

さらにいえば独占欲もあったりする
高木さんは俺の一番大事なもので
俺は高木さんの一番大事なものなのだ
...自分自身よりも

「まあたしかに私もそういうところ、あるなあ。出逢ったばかりのころ、教室で2人きりでさ。このまま誰も来なきゃいいのにね。
って言ったよね。あれからずっと同じこと思ってるよ?」

「そっか」

「さ、あ・な・た❤いくらとうに大量にかけたいくら丼作ったよ。ぜひ食べてみて」

「つ、痛風になる」

「あはははは。介護は任せて。」

「ならないようにしてよ!///」

そんなこんなで食事をとると
今度は宿泊班に分かれる

「はぁ...西片と一緒に寝たかったなあ」

「し、仕方ないだろ学校行事なんだし///」
「それに日々野さんに加えて天川さんも同じ宿泊班なんだろ?中学の時のクラスメイトが2人もいて良かったんじゃないの?」

「んー。まあそうかもしれないけど。」

なんか浮かなそうだな。

「でもやっぱ西片と一緒が良かったなー。」

「それはしょうがないから。その代わり明日のスキーは一日中一緒に遊ぼう」

「やった」

---
お風呂、温泉に入り

部屋へ

宿泊班は行動班を性別でまず分ける
さらに性別で半分に分けた行動班が2人の場合それぞれ違うクラスで3セット
3人の場合それぞれ違うクラスで2セットにして6人部屋に泊まる。ランダムで
なんでも普段交流してないクラスとの交流がうんたらかんたら

...ていうか久しぶりだな
お泊まりは高木さんとばっかりだったから
同性で集団で泊まるのは中学の修学旅行以来か

そしてこっちも驚くことに

浜口「よう。西片。」

同じ行動班の高尾に加えて浜口も同じ宿泊班になった。

高尾「おい、修学旅行の夜なんだ。あれやろうぜあれ」

西片「なんだよ枕投げかなんか?」

浜口「そういう子供っぽいのいいから。もう俺ら高校生だぞ?」

高尾「違うわ!もっと大人のたしなみだよ!」

浜口「恋バナとか?」

西片「嫌だね。絶対何も喋らない」

高尾「ちげーよ。そんな女子っぽいやつじゃなくてさこれよこれ」
高尾「男の夜はエロ漫画朗読会に決まってんだろ!」

浜口「俺勉強するわ。北条さんと同じ大学入りたいし。今のままじゃ全然...」

西片「俺もパス」

それ以外の班員ものらなかった。まあ面識もないし

高尾「くそう俺だけでよんでやるからな」

高尾の朗読劇が始まる。
いや、男が読んでもさあ。

ていうか。俺は高木さんに悪い気がして聞かざるに徹した

次第にぞろぞろと欲望に負けた男どもが高尾のまわりにあつまり一緒によみ始める

高尾は何冊か色んなジャンルのを持ってきてたようで部屋の皆に貸していた

しまいには
「さすが高尾氏、エロマンガ先生」
と称えられていた

そしてついには

浜口「いやー。たまには息抜きも必要だよな。勉強ばっかしてたらバカになっちゃうわ」

と浜口まで陥落する。布団に入って目を閉じているのは俺だけ

高尾「西片はいいのか?」

西片「俺は見ない!」

高尾「全くあいつはほんと照れ屋だな」

浜口「でも顔赤くなってなさそうだぞいま」

そんなこんなでエロマンガの宴が行われる
俺だけ早めに眠りについた。

朝起きる。トイレに入ると。
げっ...この匂いは
部屋も何となく所々臭い
全く、なにやってんだあいつらは。

正直もうエロ漫画とかそういうの読みたいとすら思わなくなっていた。

ただ...
「おはよ。西片。」
朝食に起きてきた高木さんと会う。
高木さんに見とれて、そういうことも想像しちゃったりして。俺にだってそういう欲はあるのだ。かなり。高木さん限定なだけで

「ふふふ。西片。修学旅行中はダメだよ」

「し、しないから!///」

「でも、西片がどうしてもっていうならどっかで逢い引きして...」

「だからそういうのはやらないから!///」

「あはははは。朝食いこー。西片」

こうして修学旅行2日目の朝を迎えた。

第132話 完

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