からメシ 第0話 レンコンのはさみ揚げ
俺と高木さんは高校生になった
一緒の高校、同じクラスで隣の席
正直、高木さんと一緒の高校に入れてまた隣同士の席で、嬉しく感じている俺がいる
でも、今困ったことが一つ
21円しか入ってない財布を見て震えていた
購買で昼ごはんを買う金がない!!
「ねえ、西片、何してんの?」
家のお母さんは朝から東陽オリーブという会社でパートをすることになり、お弁当を作る時間が無くなってしまったのだ
なので購買でお昼を買おうと思ったんだが
お昼を買う金がない!!!
「あれ?西片どうしたの?」
「お腹が空いたけどお昼ご飯買う金がないって顔してるよ」
「図星なの?」
高木さんめ!いつも何もかもお見通しで
「お昼ご飯どうするつもり?食べないの?」
くそう!からかう気だな!
でもないものは仕方ない
「うん、我慢するしか・・・」
「西片、口開けて?」
「へ?」
俺がつい条件反射で口を開けると高木さんは俺の口に
これはたしか、
「レンコンのはさみ揚げね」
「他にもいっぱいあるよ」
お腹ペコペコなのもあるのかもしれないが物凄く美味しい
「今日はいっぱいお弁当作ってきちゃったんだ」
「そろそろ西片が購買でお昼買うお金が無くて困るんじゃないかな~っておもって」
高木さんめ!
何故ここまでお見通しなんだ!エスパーなのか?
でも凄く美味しいし、お腹空いてたから有難い
「高木さん、その、凄く美味しいよ、ありがとう」
ホッ
「良かった・・・」
「・・・お箸1つしかないから、私が食べさせてあげるね」
「いやそれは、みんな見てるからさ!」
「ははははは」
「そうだ!西片!これからお昼、お弁当毎日私が作るよ!」
「え、いいよ、悪いし」
「いいからいいから!それに西片が勝負に負けてジュース奢りすぎたからお金無くなっちゃったのかもしれないし」
「そんな負けてないよ!!」
「だから、私に作らせて欲しいな」
「うーん」
「明日から西片の分も持ってくるから!」
「え、ちょ高木さん?」
「それとも、2人で1つのお弁当食べる?」
「えええええ////」
「ははははは、西片顔真っ赤、昔から変わらないよね顔赤いの」
高木さんめ、隙あらばからかってくる
「決まり、明日からよろしくね」
「分かったよ」
第0話
レンコンのはさみ揚げ
完
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