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社会にはない学校の「異質さ」

社会にはない学校の「異質さ」

 市民の社会では自由なことが、学校では許されないことが多い。

 たとえば、どんな服を着るかの自由がない。制服を着なければならないだけでなく、靴下や下着やアクセサリー、鞄、スカートの長さや髪のかたちまで、細かく強制される。どこでだれと何を、どのようなしぐさで食べるかということも、細かく強制される(給食指導)。

 社会であたりまえに許されることが、学校ではあたりまえに許されない。  逆に社会では名誉毀損、侮辱、暴行、傷害、脅迫、強要、軟禁監禁、軍隊のまねごととされることが、学校ではあたりまえに通用する。センセイや学校組織が行う場合、それらは教育である、指導であるとして正当化される。


 最近、制服の自由化が叫ばれている。といっても、選択肢が増えただけだけどね。

「なんで、学校の教師に自分の着るものを決められやなアカンの?」

 という叫びがまともな人権感覚というもの。


 要するに、制服業者がつぶれると困るというだけの話。小学校と大学は私服でオッケーなんだから

「風紀が乱れる」

 なんて、嘘っぱち。私はアメリカの中学校で指導していた経験があるけど、制服がなくなると風紀が乱れるなんて嘘っぱち。髪型も化粧も何でもありだったけど、日本の中学校より平和で風紀は乱れてなんていなかった。


 アメリカの中学生に日本の学校の写真を見せたら

「これは刑務所か軍隊の写真か?」

 と、尋ねられた。髪型が学校が決めたものと違っていたら、強制的に髪を切られる。髪の色が黒でないと、地毛でも黒に染めるように「指導」される。


 こんなことは、アメリカでなくても日本の一般社会でも「人権侵害」であり「侮辱」であり「暴行」ですらある。日本国憲法で保障されている基本的人権より、教師の「指導」が上にあることの異常性。さすがに、おかしいと多くの日本人が気づき始めてブラック校則と呼び始めている。


 ブラック部活と呼ばれる「強制」部活も、欧米には無い異常事態と言える。これ、完全に「強要」で犯罪的と言える。イジメの温床になり、熱中症で亡くなったり、事故で亡くなったりする生徒がいてもお構いないだよね。


 制服廃止、強制部活の自由化、クラス解体。そんな欧米なら当たり前のことが、日本では100年経っても変わらない。20年ほど前から、賢い生徒とその保護者はこの異常性に気づいて公立中学校や公立高校から“避難”を始めた。

 しかし、経済的に余裕がない家庭、近くに優秀な私立校がない地方の生徒は絶望した。


 受験指導の現場に来てもらえば簡単に分かることだけど、優秀な生徒ほど教師や政治家に呆れかえっていて日本脱出を考えているのですよ。賢い人たちは「頭脳の流出」に気づき始めているけど、手遅れ。日本が先進国から滑り落ちて後進国の仲間入りしそうになって慌てて停る。まことに愚かで、賢い生徒たちが呆れかえって見捨てるのも当たり前。

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