ファイル_001

「情報は発信するところに集まる」、と旅行の総括


東京に帰って来てそろそろ一週間になる。初めて滞在した町も多くあったが、今年も非常に楽しい旅行になった。

僕の働く会社には二週間の有給休暇制度“トリップオフ”というのがある。簡単に説明すると「二週間まとめて休み取れるようにするからまあ旅行にでも行ってきたら?」という制度である。制定当初は「必ず旅に出ること」「必ず一人で行くこと」というルールがあったが今は軟化してその強制力はない。


なので僕も肩肘張らず「折角だし普段行けないところでものんびり回ろうかな」ぐらいの気持ちで毎年有効に活用させてもらっている。

(ちなみに制定後第一回の三年前はオーストリア、ハンガリー、クロアチアを回り、なんとそのとき27歳で初めてパスポートを取得した。肩肘張っていた。) 


今年訪れたのは新潟、富山、金沢・能登、からの秋田という北陸→東北日本海側ルート。一昨年がレンタカーで北海道周遊、去年がレンタカーで九州周遊だったので比べると今年は渋めの、というかちょっと通好みなセレクトである。

旅行中「なんで新潟に?」とか「どうして能登まで?」と聞かれたけどこれは普通にただの勘である。良さそうだなと思ったので行ってみた。その意味では北海道や九州と別に変わらない。長めの休みじゃないと行けなそうなところも多いし。

今回も車はレンタカーを借り、料金は13泊14日で73,000円ぐらい。旅費は毎年トータルで20万か、それをちょい越える感じかなという計算でいるので20万円からまず73,000円が引かれる。チャリーン。これでも安い方だった。


さて、今回の旅行は振り返ると北海道よりも九州よりも人のお世話になった旅だった。友人知人が各県にいたので(しかも行くよー!と言っていて未だ行けていない場所だったりしたので)これは好機!と思いながら連絡をして人を辿った。

町の見所は何と言ってもその地の人に聞くべきだと僕は思っている。性格的に全くのノープランで出掛けるのがあまり得意ではないので、ざっくりと行きたい店や回るルートに目星をつけていくのだが、訪れた先で飛び込んで来たおすすめ情報があれば喜んでそちらを優先させる。優先させて融通させる。気のいい誘いがあれば予定を崩してほいほい着いて行く。それで損したことは今のところ(たぶん)一度も無い。

人の世話になったというのはその意味だけでなく、旅行中Facebookなどに投稿した写真に「ここに行きなよ!」「ここおすすめだよ!」とコメントをくれる人がたくさんいたことにも由来する。中にはメッセージでリストをくれる人も。これまたありがたい。


「情報は発信するところに集まる」という言葉がある。有名なのかどうかは知らないがキャッチーで理解しやすいので耳に馴染むのが早い。

初めてこの言葉を聞いたのは確か5年前で、ゲストハウスの先輩がこの言葉を用いた投稿をしていたのだったと思う。震災についてだったか、自分の宿についてだったか、もしくはそのどちらもだったかもしれないけど、初めて読んだときになるほどなあと思ってその後もなんとなくずっと覚えていた。

ただ、覚えていただけで言葉の意味を掘り下げようとはしていなかった。少し前にふと思い立って調べてみたところ、意味についての見識が使う人によって少し分かれていることに気がついた。


一つは「情報を発信しつづけている場所には自然と他者から良い情報が持ち込まれていくものだよ」といったようなもの。僕も調べるまではなんとなくこの認識でいた。

もう一つは「情報を公に向けて発信する立場を取ると、より多くの情報を集めて正しいものに精査・編集する必要が生まれ、他者からの振り返りによりそれは更に洗練される」といった主旨のもの。主観的に表し変えると「情報は発信するからこそ集約させる」と言ったところか。これを読んだときハッとしたのと同時にすごく腑に落ちるところがあった。


そう思ってみると個人の(現代の)旅行ではこの二つの意味をどちらもうまく使えるんじゃないかと言う気がする。二つ目の意味なんてメディアを運営している人やライターさんにとっては当然の方法論なのかもしれないけど、メディア事業をするわけでもライターでもないからこそ、そんな信条をかざして自由に発信をしたらいいと思う。


そんなわけでアウトプットと言ったら大袈裟だけど、総括代わりに今回行った場所でよかったところを項目でまとめます。


【景色・風景】
1寒風山&森山(五城目 男鹿)

男鹿半島入り口の山寒風山と五城目にシンボル的にそびえる森山はどちらも遠くまで見渡せてものすごく気持ちのいい場所。今の時期は水田に夕日が映ってさらにうつくしい。


2輪島→珠洲への海沿いの道(能登半島)

一番のドライブスポットでした。ずっと運転してたい。能登半島一周して、その足でもう一回あの道だけ走りたい。そんな道。ゴールは能登半島の先っちょ、禄剛崎灯台。海がまたこれすっごいきれいな色なんです。


3雨晴海岸(高岡 氷見)

どんな由来かは知らないけど泊まってたらまさに晴れ間が差して来た雨晴海岸。晴れて空気が澄んでると対岸に立山連峰が見えるという極上のおまけ付き(検索)。そして立山連峰がものすごい格好良い。見とれてハンドル取られるぐらい。


【ごはん・居酒屋】
1なべ駒(五城目)

五城目の友人たちにまずはここ!と連れて来てもらったなべ駒。地酒を中心に日本酒が豊富な上、なべが絶品。そんで秋田では馬刺も食べれるんですね。


2小なみ(七尾)

七尾の重要人物が連れてってくれた、地元の人が集まるおでん居酒屋小なみ。ママは70越えてるって言ってたかな。みんな「姉ちゃん」って呼んでるのも良かった。すじうまし。お魚はその場で捌くスタイル。


3喫茶HERA(高岡)

高岡のゲストハウスほんまちのいえで管理人の加納くんがすすめてくれたモーニングの出来る店。モーニングはトーストとコーヒー以外に卵焼きのようなおいしいオムレツとちょっとした付け合わせがあって、洋食?和食?ってなるけどパクパク食べれちゃう。女学生のような奥さんと穏やかなマスターのやり取りがまたいい。


【店巡りの楽しい街】
1新潟

初の新潟市はhickory、スズキ家の茶の間、エフスタイル(は、お休みだった)、沼垂テラス町商店街などと回りました。楽しい美味しい人やさしい!という感じで行ったお店の人たちはみんな気さくだったな。町の中にhickoryみたいなお店(その土地のものに特化した、デザインも手がけるショップ)があるといいフックになるなあと思いました。


2金沢

ヤマト醤油面白かった…醤油や味噌、麹がおいしかったのでいろいろ買ってしまった。他にもいろいろ見たいところやオススメされてたところあったんですが金沢は何回か来てるしなーと思って一泊しかしなかったのを後悔してます。お店回るためだけにまた来ないと。


3高岡

高岡は宿があるからと思って来てみたけど見所が多くてかなり好きでした。古い町並みが残ってて富山市内とまたぜんぜん雰囲気が違うし、蔵をうまく使ったお店もちらほら。東京で知り合った大菅さんのお店(写真)もあるし近くには奥さんが営むカフェも。そういえば“魚は泳いでるレベルで新鮮”と噂のフレッシュ佐武行きそびれた。


【のんびりスポット】
1信濃川(新潟市)

新潟って一番大きな通りは日本海と信濃川に挟まれたところあるんですね、というのを行って初めて知る。信濃川ってここに流れ出るの!ってもなる。川沿いにはやすらぎ堤という所があってその名の通り安らげます。ずっといれる。本読んで、お腹減ったら町まで戻ってご飯食べて、コーヒー持ち帰りしてまた本読んでみたいな1日送れる。緑も多い。


2袖ヶ浜(輪島市)

朝市で有名な輪島の中心地からほど近い場所にある袖が浜。夏場のピーク時1ヶ月以外は予約不要&無料で使えるキャンプ地もあります。キャンプ場にテントを張るとちょうど向かいの水平線に夕陽が沈みます。お店で食べるのをやめて近くのスーパーでビールと食材買い込んでご飯作りながら沈む夕日を眺める贅沢。


3Says Farm(氷見市)

SAYS FARMのワインは味も大好きなんですけど本拠地訪れてみたら氷見の町と富山湾が一望できるとんでもなく景色のいい場所でした。農場、工場、ショップが敷地内にあります。ランチは要予約。ヤギとも遊べる。

というわけで以上まとめでした。


個人的に一番あがったのは氷見にあるみつおさん(68)が拓いた山なんですが一人では絶対に辿り着けないところにあるので氷見に行く人には案内人を紹介したい。ここ↓です。なつみちゃん連れてってくれてありがとう。

本当にいいことばかりの旅行で、ここすごい好きだ!と思ったところは、お店でも場所でも、身近な人達にぜひ足を運んでもらいたい。あの町の友人たちを訪ねてもらいたい。

一人旅って苦手だなーしたことないなーという人もいると思うし、僕自身パスポートも持ってなかったぐらいなので旅って言葉にどうしても引け目みたいなものがあったんだけど、学生の頃に文無しでバックパックでインドに行ってない人だって、現地で車借りて海沿いの道で素晴らしい夕日を拝んだ後に友達の紹介であった人に知らない町を案内されて路地裏のおでん屋のお母さんに注いでもらう地酒を肴に店のおっちゃんたちと話し込む旅をしたらいいし、大人なのでお金使って超イージーモードで気軽に旅行してみたらいいと思います。僕ができる精一杯の旅行のススメ。


旅行中色々と案内してくれた、りえちゃん、ひろくん、小島さん、オーナー一平くんはじめ人参のみなさん、おがさん、加納君、洋介さん、なつみちゃん、まいこちゃん、ななせちゃん、大石君、一気君、ジョニーさん、ジャーマンさん、もったん先生、りゅうちゃん、Gaiaで会ったみなさん、りゅうくん、みやちゃん、シェアビレッジ町村であったみなさん

ありがとうございました〜書き漏らしないかな…また行きます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?