SSS(サブサーフェイススキャッタリング)のお話

こんばんは高原です。
暑くなってきましたね。

今日はツイッターで反響のあった SSS について補足解説したいと思います。
SSS とはサブサーフェイススキャッタリング(Subsurface Scattering)の略です。
よく分からないというコメントが来ていたので、これも一応解説しておきたいと思います


絵を描くときに結構多くの人はその物体の表面に当たる光のみを考えてしまうことがあるんですね。下の画像の上の絵がまさにそれです。

まあ、これでも良いといえば良いんですけどね。

ソリッドなものや不透明なものであればそれで問題ないんですが、基本的に固く見えてしまいます。しかし、自然物であったりとか、人体とか、水とか。そういうものは 光が物体の内部を透過しますよね。遮光性の弱い半透明のカーテンとかもそうです。


そういったものをソリッドなコンクリートとかプラスチックとかと同じように描いてしまうと、一気に人工的な印象になってしまいます。

今回はこの辺について考えてみましょう。



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透明の物体に光が入射すると、一部は反射して、一部は屈折して中に入ります。

まずこれを忘れている人が結構いますね。これを意識するだけで違います。

その入射した光が内部で屈折し、散乱するとことで、どうも元の固有色の彩度が高くなって外に出てくるようです。詳しい計算方法は、なんと自分も知りません。すみません。。。


下の画像を見てください。これは今自分が撮影した写真です。

手の反対側から光を当てています。

手のシルエットの 境界に、反対側から当たっている強い光が白く出ていますね。(CGではリムライトと呼びます)

その少し内側に彩度の高いオレンジ色が見えていますね。(撮影が下手でピンクに見えます。。すみません)これがSSS(サブサーフェイススキャッタリング)です。

この現象は半透明の物体の表面下(サブサーフェイス:subsurface)でおきます。表面下というのは、要するに、あまり深いところで起きないということですね。なぜかと言うと深いところだと光が入ってこれないからです。

画像の手中心の辺りを見てください。反対側から光が当たっているはずですが、全く彩度も明度も変化していません。これは半透明とは、いっても手がある程度の不透明度を持っており、中に骨も入っているので、深い部分には光が透過して来れないからです。


SSSは、光が入っていき、散乱(スキャッタリング:scattering)して出てこれる表面下で起きるわけです。だからSSS(サブサーフェイススキャッタリング)という呼び方をされているのです。
光が入っていかない部分には、他のソリッドな物体と同じく散乱することはありません。

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ちなみにこの SSS という現象はリアルな CG 表現では非常に重要になってきます。特にキャラクターの肌のシェーディング( CG の工程の中で物体のマテリアルを決める工程のこと。どのように光を反射して、どういう影がつくのかを計算し、マテリアルを設定する)で大事になってきます。
ツイートでも書いたように、この SSS を表現できないと、肌のプリッとした柔らかさや透明感を出すことはできないので、フィギュアのような固い見た目になってしまいます。

ちなみに CG では半透明というのはややコスト高いです。どう半透明なのか、内部でどのように光が動くのか計算しないといけませんので。なので、カーテンとかプラスチックとかも、わざと不透明のものにしたりしますね。

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コースティクス

なぜ内部で光が散乱すると彩度が高くなるのか詳しい計算式はよく分かりませんが、半透明の物体は水と違って中で光が散乱する割合が大きいんだと思います。

水の場合は大きく光の色は変化しないように感じます。その代わりコースティックスという別の現象がおきます。(本当は同じ方法で計算でできる気もするけど)

コースティクスとは、水や反射率の高い金属の中を光が入射した時に中で複雑な屈折と反射をすることで、光が集積し独特な波模様を形成する現象のことです。

こんな感じですね。プールとかで見たことがある人も多いのではないでしょうか。後は海の中とか。綺麗ですよね。これも CG の水の表現では重要になってきます。

密度が均一な水中では、常にある一定の比率で光が屈折していくので、光が出て行く時に一定の重なり合いが起きるのではないかと、自分は思っています。
コースティクスは自分もよくわかっていなくて、もう少し勉強が必要ですね。これに関しても解説をしたいと思います。

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今回の SSS や、ちらっと説明したコースティクスも含め、こういう自然現象を理解するためには、実際の植物とか、自分の手を観察するのがいいです。どんな風に光が入ってきて、どのへんで光が散乱し、透過するのかを自分で観察した方がいいと思います。後は絵が描ける人は自分で書いてみるていうのがいいと思います。

とりあえず明日外に出たときにでも、光が当たっている葉っぱの裏とか見てみてはどうでしょう↓


やってみないと理解したことにはならないのでという話は前回のノートで書きました


こちらのノートも結構反響をいただいて嬉しかったです。
自分で書いておいてなんですが、自分の場合も本で読んだだけで理解した気になったりとか教えてもらって理解した気になってしまう事って、結構多いんですよね。
なので自分で説明しておいて、「お前もわかってないのか!」と言われないように、僕ももっと観察して理解して、描きたいと思います。


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さて今日はここまでにしたいと思います。
今回はちょっと難しかったですかね。ただ基本的な立体が取れている人であれば、きちんと描くことはできると思います。なんとなくでも表現できるとすごく画面のクオリティが上がるので是非挑戦してみてください。

ではまた

高原


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高原さと

がんばるコンセプトアーティスト。映像やゲーム、アニメの仕事をして生きてます。早稲田建築卒。 アートやモノづくりに関する記事を配信中 <ブログ>https://takaharasatoshi.com/ <voicy>https://voicy.jp/channel/731

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