美代子ちゃんを忘れました。すぐ、戻ります。

女子大生の私が、東京の繁華街でラブホのフロントをしてなんだかんだで3年が経つ。

今日は、「美代子ちゃんを忘れました。」の話をしようと思う。


ラブホの忘れ物は、多岐に渡る。


1番多いのは、ローションで、ものすごい量を皆さん持って来ては、忘れていく。


ローション相撲でもするのかよ。


といつも心の中でツッコミながら年末は、忘れ物の分別をしたりしている。


『美代子ちゃん』の電話があったのは、私がそんなローションをまとめてゴミ捨て場へ運んでいるときだった。



プルルルルル


「はい、お電話ありがとうございます。〇〇ホテルでございます。」

「すみません、先ほどそちらを利用していたものですが…

忘れ物をしてしまいまして…」

「はい、何号室か覚えていらっしゃいますか?あと、お忘れ物は何でしょうか?」

「さっきまでいたので、覚えてます。501号室です。


忘れ物は………」


「お忘れ物は?」


「忘れ物は、美代子ちゃんです!!!オレ、戻ります!!!」


…………???


人間忘れたん…?

と思ったけれど、よくよく聞いたらマネキン

を忘れたらしい。

美代子ちゃんとは、愛玩具マネキンの事だった。


お忘れ物は、1階フロントで渡さなくてはならない。

捨てようと胸に抱えていた忘れ物の大量ローションは、さて置いて
主人に忘れられたマネキンを救いに5階へ向かった。

501号室で、

マネキンはベットに横たわっていた。





何故、こんなに、強烈なディープインパクトを残してくる、このシロモノを忘れていったのか…?


という疑問を持ちつつ、163センチの私と同じくらいのマネキンを、

さながら社交ダンスの練習をしているかの如く、腰を持ち上げ、1階フロントへ運んだ。




持ち主の、マネキンの主人は程なくして現れ、
マネキン断ちをしようと思っていた事を半泣きで語り、

ごめんね、ごめんね

と言いながら、二人で帰って行った。


という事で、ラブホにマネキンを捨てようとしては、いかん。ダメ、ぜったい。ってお話。

非日常度 ★★★★☆
(マネキンを、お忘れになったのはこの方が初めて。持ち込みも、なかなかいない。)


次回は、「仲良し家族」。

よろしくお願いします。


では、今日はこのへんで。


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高橋 アヤ子

20歳大学生だった私が、ラブホのフロントから見た話

ラブホの日常を忘れないように書き留めていきたいと思ってnoteを始めました。

コメント3件

なんだか、面白い
lupin3 さん: ありがとうございます!文章が苦手ですが、この面白い日常を何かに残したくて始めました…よろしくお願い申し上げます!
いや、面白いよ~~
当面、張り付いてるね・・・いずれ、モチーフになにか書きたい!!
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