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ビートルズ "Savoy Truffle"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 62回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES D面 3曲目 "Savoy Truffle"

サウンド:★★★★☆
メロディ:★★★☆
リズム :★★★☆
アレンジ:★★★★☆
第一印象:★★☆
スルメ度:★★★★
独創性 :★★★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ジョージの作品、個人的に好きな曲。歪んだエレピによる怪しげなイントロと、ブラス・セクションのアレンジが、なかなかカッコいい。しかもこのブラス・セクションの音は、マイクをかなり近づけて録り、ディストーションをかけている。フレーズはもとより、このザラザラとしたサウンドが、カッコよさをさらに増している。

例によって、変拍子が隠されている。イントロと Aメロの間と、2コーラス目の直前に 7/8拍子と6/8拍子の小節が入っている。このため、イントロから頭拍を意識しながらリズムをとっていくと、Aメロで 1拍半ずれ、再度頭拍を意識しながら 2コーラス目にいくと、また1拍半ずれる。半拍単位の変拍子の曲は、譜面や理屈でわかっていても、いざ演奏となるとメンバーのリズムが合わず、「おっとっと」となってしまう。相当練習してそのリズムを身体で覚えなくてはならず、コピーバンド泣かせの曲なのである。

そしてコード進行は、Aメロ "Cream tangerine..." から E7→F#→A→G→B となっており、F#以降はすべてメジャー系トライアドで動いている。キーが Eメジャーなので、F# と G がノンダイアトニックであるが、経過コードとしてでなく、しっかり各 2小節割り当てられている。このあたりのコード・アレンジが、聴いていて新鮮でもあり、心地よい。

この曲はジョージによるものではあるが、ギターのアレンジは比較的おとなし目で、裏拍でコードを地味に弾いている。間奏のソロは、なんか少し音が細く、しかも細切れフレーズでちょっと物足りない感じがする。それに引き換え、リンゴのドラムがなかなかよい。特にブレークした直後の半拍休んで 16分音符 2つを 2回繰り返すスネアのフィルが、なんともグルーブ感タップリである。サビ "You might not feel it now..." からのドラム・パターンには、16分音符で忙しくタムを回すフィルインが多用されており、この曲のスピード感をさらに増している。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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