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ビートルズ "Blue Jay Way"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 69回目、今日の楽曲は...

アルバム MAGICAL MYSTERY TOUR A面 4曲目 "Blue Jay Way"

サウンド:★★★☆
メロディ:★★★
リズム :★★☆
アレンジ:★★★
第一印象:★★
スルメ度:★★★★
独創性 :★★★☆
演奏性 :★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ジョージの作品。ハモンド・オルガンとチェロによる、なんとも異様な雰囲気のサウンドで始まる。続いて入るジョージのボーカルも、また不思議なメロディラインである。そして、ドラムの音もベースの音も、重苦しい雰囲気が漂い、こうなるともはや通常の曲ではない。

メロディの構成は単純で、Aメロ "There's fog upon L.A..." とサビ "Please don't be long..." しかない。ただ、使われているコードが、かなり特殊である。基本のキーは Cメジャーで、全曲を通して Cのコード一発であるが、Aメロで Cdim となっている部分がある。メロディ・ラインに Eb や F# が登場する小節は、必然的に Cdim になっているようだ。なので、ベースはほとんどルートの C音で弾いている。このような同一コード一発の曲は、Tomorrow Never Knows でも見受けられる。

全体的にサイケっぽい感じがするのは、ドラムにかかっているエフェクターのせいだろう。フランジャーのようなエフェクトがかかっていて、スネアやシンバルがシュワシュワした音になっている。あと、サイケといえば、テープの逆回転サウンド。この曲でも随所に使われている。特に "There's fog upon L.A..." の直後のコーラスは、ちょっと不気味な感じがする。

この曲はジョージの曲でありながら、ギターが使われていない。主なバッキング・サウンドは、オルガンとチェロによるものである。あえてギターの音は使わず、エフェクトや逆回転など、当時の録音技術の粋を集めて制作された芸術作品と言えるだろう。このあたり、ジョンの Strawberry Fields Forever なんかとよく似た傾向の作品かと思う。

曲の後半になると、にわかにドラムが忙しくなる。やたらとフィルインが多くなるのである。しかも、こんなタイミングで入れるか?みたいな感じで、聴いていても落ち着かない。終わりかたも例によって不可思議なパターン。エコーのかかたチェロの短いフレーズのあと、オルガンのうなるような音で唐突に終わる。イントロも不気味であったが、最後もこれまた不気味である。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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