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ビートルズ "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 76回目、今日の楽曲は...

アルバム SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND A面 1曲目 "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"

サウンド:★★★★☆
メロディ:★★★☆
リズム :★★★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★★
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★★
演奏性 :★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ビートルズ自身が架空のバンドになり、そのライブを収録するという演出手法を取り入れた、当時としては画期的なコンセプト・アルバムのタイトル・チューン曲。開演前の雑踏やオーケストラの準備の音など、ワクワクするような SE から始まり、おもむろにイントロが入る。なかなか心憎い演出である。

サウンド的には、シンプルなバンド・サウンドで、特にギターがカッコいい。イントロのリフ、Aメロ "It was twenty years ago..." でのバッキング、サビ "We're Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band..." でのバッキング、2回目の Aメロ "I don't realy want to stop..." でのリフ、いずれも一切ムダのない、完璧なギター・サウンドかと思う。

ベースは極めてソリッドでクリアに聞こえる。間奏や Bメロ "It's wonderful to be here..." では、8ビートで流れるようなランニングベースを披露しているが、サビではギターのリズムに合わせて弾くなど、メリハリを出している。ドラムもハイハットなしのパターンが続くと思いきや、サビではハーフオープンの力強いハイハットでリズムを刻み、2拍 4拍では、スネアのサウンドも強調するような叩き方をしている。

サウンドで印象に残るのは、随所に登場するフレンチ・ホルンの音。特に、Aメロ直後の 2本のホルンによるアンサンブル・フレーズは、ファンファーレっぽい感じがして、いかにも「これから開幕しますっ」みたいな雰囲気をかもし出していて、思わず聞き入ってしまう。さらに Bメロでは、ホルンによるバッキングも加わり、Aメロやサビの華やかさと対比させるかのような厳かなアレンジとなっている。

ちなみに、キーは Gメジャーで、コード進行は Aメロから G7→A7→C→G7 が基本。あと、サビと Bメロで F7 が入る程度で、きわめて単純である。エンディングもまた凝っていて、歓声の SE が流れる中、次の曲を歌うビリー・シアーズを紹介するという演出がされている。そしてそのまま、With A Little Help From My Friends に突入する。文献によるとこの「歓声のSE」は、ハリウッド・ボウルでの自分たちのライブ・テープから持ってきたとのこと。これまた心憎い演出である。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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