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ビートルズ "You Never Give Me Your Money"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 21回目、今日の楽曲は...

アルバム ABBEY ROAD B面 3曲目 "You Never Give Me Your Money"

サウンド:★★★
メロディ:★★★☆
リズム :★★★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★★
スルメ度:★★★
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

Happiness Is A Warm Gun 同様、3つの部分から構成されている組曲である。やや寂し気なピアノの伴奏で始まる最初の楽章のキーは Aマイナーで、Amを中心としたダイアトニック・コードとなっている。もの静かな雰囲気に対し、ベースのフレーズが小刻みに動いていて、なかなかよい味を出している。

次の楽章 "Out of college..." からは、ホンキートンク・ピアノが入り、ボーカルも気張ったような声になる。このホンキートンク・ピアノのドライブ感に加え、キーも Cメジャーになってがらっと雰囲気が明るくなる。この部分も特にノン・ダイアトニックは使われていないが、"But oh that..." からは Bb→F→Cの 3小節パターンとなっている。このメジャー・トライアドのコードが、4度降下の2回繰り返し進行になっていて興味深い。

そのコードパターンでのコーラスをくり返したあと、ギターのソロが入る。このソロがなかなかスピード感あふれるフレーズであり、次第に高くなっていくフレーズは、次の楽章へのイントロダクションのようにも思える。コードも D7→Eb7 ときて、C7→A7→Eb7→C7、F#7→Eb7、A7→F#7 のあと G7→G#7→A と半音上昇している。

そして Aメジャーに転調して、最後の楽章 "One sweet dream..."が始まる。ここでの、バックのギター・ストロークがなんとも軽快なリズムを刻む。この部分では、A→B→C→E→A とメジャー・トライアドが続き、Dm→G→Am/D→G7 を経てエンディングパターンの C→G→A につながる。ざっとこれだけ見てみても、かなり手の込んだ大曲であることがわかるであろう。

曲のエンディングでは、フェードアウトしながら鐘のような音や虫の鳴き声が入り、次の曲 Sun King につながっていく。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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