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ビートルズ "Good Day Sunshine"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 95回目、今日の楽曲は...

アルバム REVOLVER B面 1曲目 "Good Day Sunshine"

サウンド:★★★★
メロディ:★★☆
リズム :★★☆
アレンジ:★★★☆
第一印象:★★☆
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

低音域のピアノと、ベースによる 4分音符のイントロに続いて、スネアの 3連符が雰囲気を盛り上げていく。そして、お決まりの 3部コーラスによるサビ "Good day sunshine..." が入る。まさに曲タイトルとおり、サンサンと輝く太陽のようなイメージである。

この曲は、全曲にわたりほとんどピアノによる伴奏がメインとなっている。ギターは使用されておらず、あとはベースとドラムといった、きわめてシンプルな構成となっている。そのためか、ピアノは 2台を使用し、ポールとジョージ・マーティンが弾き、ドラムもオーバーダブされている。ベースはジョージが弾き、ジョンはコーラスと手拍子のみの参加である。

キーは Aメジャーであるが、イントロの音は E音であり、ボーカルが入るところから B→F#→B→F#→E... というコード進行で Bメジャーっぽい響きとなっていて、なかなか意表を突いている。なお、ここの部分はボーカルのリズムが変拍子っぽい感じになっているため、3/4 + 5/4 拍子ともとれる。ただ、ドラムのスネアは、淡々と 4分音符を叩いているので、4/4 + 4/4 の解釈でもよいかと思う。

そして、Aメロ"I need to laugh..."からようやく Aメジャーになるという感じ。Aメロからは、A→F#7→B7→E7... というコード進行で、ややノン・ダイアトニック多めといった感じか。ここの部分で、ピアノが何気にクロマチック・スケールのような短い下降フレーズを弾いているが、これがなかなかキマっていてカッコいい。ピアノといえば、間奏のホンキートンクっぽいサウンドでのソロが、実に心地よい。これはジョージ・マーティンによるもので、アレンジャーならではのセンスが発揮されている。

エンディングで、また奇妙なことをしている。サビの最後のボーカル "Good day sunshine" を、3部コーラスで繰り返し歌っているが、1小節を重ねるようにずらしてオーバーダブをしている。そのため、山びこのようなエコー感が出ている。しかもキーは Fメジャーに転調しているため、ちょっと新鮮味のある終わり方のように感じる。2分ちょっとの短い曲ながら、イントロとエンディングでピリッと趣向を凝らした演出が心憎い。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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