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ビートルズ "Flying"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 68回目、今日の楽曲は...

アルバム MAGICAL MYSTERY TOUR A面 3曲目 "Flying"

サウンド:★★
メロディ:★☆
リズム :★
アレンジ:★★
第一印象:★
スルメ度:★
独創性 :★★
演奏性 :★★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ビートルズ公式曲中、唯一のインストゥルメンタル。とは言え、一応全員のコーラスは入っている。そして、 4人で共作した唯一の曲でもある。どこのパートを誰が作曲したか不明であるが、とにかく作曲者に、4人の名前がクレジットされているのである。さぞかし豪勢な曲かと思いきや、逆にシンプルの極地きわまりないナンバーである。

コードも Cのスリーコードがメインで、特にこれといった特徴は見当たらない。イントロから、ジョージが弾くギターの音が、なんとも気だるい感じがする。低音弦でトレモロをかけ、sus4のコードで弾いているせいもあるだろう。途中から、ポールのアコースティック・ギターが右チャンネルから聞こえてくるが、これがなかなかカッコいい。

ジョンは、メロトロンでメロディ・ラインを弾いている。正直、たいしたメロディーではないが、ほのぼのとしたオーボエのような音が、まさに「飛んでいる」感じがして、この曲によくマッチしていると思う。バックで密かに鳴っているハモンド・オルガンも、地味にいい雰囲気を出している。

そして、曲の中盤から 4人によるコーラスが、まるで聖歌隊のような感じで入り、ちょっと異様な雰囲気をかもし出している。このコーラスが終わると、エンディングに入るが、ここで使われている音(サウンド・エフェクト)が、これまたサイケデリック。文献によると、オルガンの逆回転とメロトロンによって作られたテープ・ループとのこと。このサウンド・エフェクト制作には、ジョンとリンゴもかかわっていたらしい。こんなところにも「共作」が生きているとは。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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