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ビートルズ "Your Mother Shoud Know"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 70回目、今日の楽曲は...

アルバム MAGICAL MYSTERY TOUR A面 5曲目 "Your Mother Shoud Know"

サウンド:★★★
メロディ:★★★
リズム :★☆
アレンジ:★★☆
第一印象:★★★
スルメ度:★★
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

イントロは、いきなりベースの裏打ちから入る。それにすかさず続く 3部コーラスのハーモニーが美しい。たった 2小節という短かさも、メリハリの効いたインパクトをこの曲に与えている。曲調は、ポールがお得意とする 4ビート系のシャッフルであり、When I'm Sixty-Four でも同様のスタイルを聴くことができる。

コードは極めてシンプルで、ほとんど Aマイナー系のダイアトニック・コードが使われている。しいて言えば、ときおり登場する FM7 や A7 が、ちょっとしたスパイスを利かせているところか。伴奏もピアノのコード弾きがメインで、ベースも淡々と 4分音符メインで弾いている。そのためが、躍動感のあるボーカルラインが逆に引き立って聞こえる。

間奏では、ピアノのメロディにオルガンの音がまとわりつくようなアレンジとなっており、ふたつの音の掛け合いがなかなか面白いと思う。間奏 2小節目だけが 2拍子になっており、あまり目立ちはしないが、地味ながらもリズムにちょっとした変化を与えているのが、ビートルズらしいところか。

しかし、この曲にはサビがない。いわゆる Aメロと間奏だけの構成なのだ。イントロ - Aメロ - Aメロ - 間奏 - A'メロ - 間奏 - A'メロ - エンディング、という単純なものである。Aメロの最後の部分に A7 を経てリフレインを入れることにより、Aメロのバリエーションの A'メロを作っているところなど、ちょっと手を加えることで単調さを感じさせないアレンジとなっている。

それにしても、ボーカルのパンを目まぐるしく変化させているのはなぜだろう。最初の 1コーラスは左から聞こえ、間奏後の 2コーラスは右から聞こえる。そして、最後の "Da da da..." は、また左に戻るが右からも聞こえ、ステレオ処理されているようだ。遊びでやっているのか、何か意図しているのか不明ではあるが、まぁ、他人がやらないことをやってのけるのがビートルズなので、許そう。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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