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ビートルズ "Good Morning, Good Morning"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 86回目、今日の楽曲は...

アルバム SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND B面 4曲目 "Good Morning, Good Morning"

サウンド:★★★
メロディ:★★
リズム :★★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★
スルメ度:★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

いきなり鶏の鳴き声から始まり、すかさず "Good morning..." のコーラス・ワークに続く。そして、なんといっても、全曲にわたってコンプのかかったブラス・セクションがフィーチャーされており、この歯切れのよいサウンドがじつにカッコいい。似たようなブラス・サウンドは、Savoy Truffle でも聴ける。

この曲は、とにかく変拍子の嵐である。基本 4/4拍子だが、歌いだしから 5/4 を4回、2/4、5/4、4/4 を2回、2/4 となり、2コーラスめには 3/4 も登場する。演奏中は、バンドメンバー全員でガイド・カウントをしっかり把握しておかないと、どこかで拍がずれてしまう。いわゆるコピーバンド泣かせの代表曲でもある。

コード進行は、特に難しくはない。キーは Aメジャーで、Aメロ "Nothing to do to save..." からは A→Em→G→A→Em→G→A→D→E7... と、ビートルズとしてはわりとオーソドックス。Bメロ "Everybody knows there's nothing..." やサビ "Good morning, Good morning..." では、A と D の繰り返しである。

ドラムは、珍しく 1拍 3拍にスネアを叩くパターンを繰り返している。フィルインもスネアによる 16分音符連打を多用していて、リズムに力強さが出ている。なかなかよいとは思うが、Bメロからのドラムが、なんとも気になる。Bメロからは、スネアは 2拍 4拍のバックビートとなり、ハイハットで 3連符を叩いている。この 3連符が微妙にぎこちなく聞こえる。確かに叩きにくいリズムかもしれないが、いい意味でリンゴっぽいニュアンスが出ているともいえる。

ブラス・セクションに隠れてあまり目立たないが、ベースとバッキングのギターも地味に入っている。ベースの音は、Sgt. PEPPER'S に収録されている他の曲と違って、あまりクリアなサウンドではない。フレーズも特に突飛なことはしていないようだ。それに比べて、間奏部分のギターソロは、ポールによるものであるが、短いながら、なかなか気合の入ったフレーズを披露している。

エンディングでは、いろいろな動物の鳴き声が聞こえる。文献によると、これらは EMIスタジオの SEライブラリから用いられ、鳥、猫、犬、馬、羊、虎、象が順番に収録されているとのこと。これは有名な話だが、ジョンの希望で「食物連鎖と弱肉強食」の順に並べたという。そして曲の最後では、これらの鳴き声が入り乱れて、フェードアウトしつつ、間髪入れずに次の曲に突入する。しかし、これらの動物が、曲タイトル Good morning, Good morning" とどういう関連があるのか、例によって不明である。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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