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ビートルズ "Getting Better"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 79回目、今日の楽曲は...

アルバム SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND A面 4曲目 "Getting Better"

サウンド:★★★☆
メロディ:★★★
リズム :★★★★
アレンジ:★★★
第一印象:★★★
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

4分音符の歯切れのよいギターコードで始まるイントロに続き、マーチ風のドラムが入る歌いだしが印象的である。この 4分音符による高音域のギターコード・パターンは、曲の随所で使用されており、この曲を特徴づける重要な要素となっている。

歌いだしてすぐ、 Aメロ "I used to get mad..." からベースが入ってくるが、4分音符でルートと 2オクターブ上のルートを 2拍ずつ交互に弾くという、シンプルながらメリハリのあるフレーズとなっている。このとき、ドラムは 3拍目の裏(実際は 8分 3連の最後の音符)に、オープン・ハイハットを入れている。このハイハットがリズムのアクセントになっていて、シャッフル感もよりいっそう強調されている。

そして、2回目の Bメロ "I've got to admit..." からは、ベース・パターンがガラッと変わって、長めの音符でシンコペーションのリズム・フレーズとなっている。同じ Bメロでも同じベース・フレーズを弾かないという、ポールの演奏スタイルの特徴がよく表れている曲でもある。

2回目の Aメロ "I used to be cruel to my..." に入る前に、ジョージお得意のタンブーラが登場する。このタンブーラも、この曲を特徴づけている音であり、バックに何気に入るコンガのリズムと合わせて、一種異様な雰囲気をかもし出している。

コード進行はいたってシンプル。歌いだしは C → Dm ときて Aメロからしばらく Gコードが続く。キーが Cメジャーなので、Aメロがすべてドミナントの Gという、なかなか珍しいコード進行となっている。Bメロやサビでは、Cに加えて Dm、Em、F などが使用されており、きわめて普通。転調もなければ変拍子もないという、ある意味、中期のビートルズらしくない曲なのである。

あと、コーラスがカッコいい。Aメロにはいって、ジョンのオブリガード風のサブ・ボーカル "No, I can't complain" が、ポールのメインボーカルに対し合いの手をいれるような感じで、なかなかよい雰囲気である。そのあとも短く "Ah..." とか "Oh..." とか短いオブリガードを細切れに入れているのも、聴いていて心地よい。Bメロでも、追いかけコーラスのようなフレーズ "Better..., I can't get no worse" が、ポールのメインボーカルと絡まって、シンプルなコード進行でありながらサウンドに厚みをつけている。

なお、この曲は、ポールの最近のライブでもよく演奏されており、本人もお気に入りの曲なのだろう。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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