愛すべきクソ田舎「黒石」へ参勤交代 ~そこから見えた地域おこしのヒント~
地元へ帰る。
僕にとって年に1度の大きなイベントである。
田舎育ちの三兄弟の長男でありながら、別の田舎に移り住み好き勝手やっている僕ですが、一応「長男だから年に一回は実家の様子を把握しておかなきゃな」という義務感を持っていて、義務的に冬は里帰りしてます。
自分の中では「勝手に参勤交代制度」と呼んでいます(笑)
そんな今回の里帰りは、トラブルから始まりました。
長野からの出発日に親父から電話が来て、
親父「予定通り、帰って来るのか?」
僕「おう」
親父「おら、コロナだ」
僕「笑」
という事で、親父は実家内で自主隔離。
近くに宿とって、自分以外の家族にだけ会って行け。と。
地元、青森県黒石市はこれといった華があるわけでもない、よくある田舎だ。
長野県でいうと、大町市に似ているかもしれない。
平地には田んぼ、山の麓にはリンゴ畑がズラリ。
街はずれにさびれた温泉郷があり(コロナの影響で旅館は軒並み廃業してしまったらしい)、駅前の繁華街は老舗の飲食店と若者が新しく始めた店が入り交じり、のれんの掛からない空き店舗が余白を演出している。
黒石に到着した日は、その繁華街からほど近い、小さなビジネスホテルにチェックインし、馴染みのある老舗のレストランで弟夫婦と会食することに。
店に入ると、同級生が「いらっしゃいませ」
高校卒業してからそこで接客し続けている彼女とは実に6年振り。
「お~!久しぶり!」から始まり、一気に地元トーク。
「だべ」「んだ」「たんげ」「ってらよ」「してらべ」
忘れかけていた津軽弁も、だんだん温まってきて、「あぁ俺、久しぶりに母国語しゃべってら~」と心も温まってくる。
地元に帰った時にパッと目に付く変化って、
・新しいお店などの新しいもの
・無くなってしまった馴染みあるお店など
という車で走っただけで分かるプラスマイナスだ。
不思議なのは、今住んでいる安曇野だと新しいものにワクワクしているのが、地元に帰ると逆で馴染みあるものが続いていることにドキドキしている自分がいたこと。
新しくスシローができてたり、若者がリノベーションして斬新なお店を開いていたりすることよりも、家族で通った中華料理店やボロボロの食堂が営み続けてくれている方が嬉しいんです。価値があるんです。「帰ってきたー!」ってしみじみ思えるんです。
だから、同じ店で接客を続けている同級生の様に、黒石を黒石たらしめてくれている存在には感謝なんです。
自分にとっての黒石を保っていてくれてありがとー!
時代と共に街の景色は必然的に変わっていくのだろうけど、自分自身をチューニングできる場所が残っているって、本当に有難い。
しみったれたクソ田舎だけど、大好きだ。
自分のアイデンティティが詰まった故郷、黒石。
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