英雄の系譜:ジオウ・アギト編

 ※仮面ライダージオウのアギト編の感想。見てる人向けに書くか、見てない人にもわかるように書くか迷い、どっちつかずのとっちらかった文章になってしまった…。

 現在放送されている仮面ライダーこと「仮面ライダージオウ」は、平成仮面ライダー20作目記念かつ平成ラストライダー。お祭り系の作品であり、過去の作品からオリジナルキャストがガンガン出てくる。平成仮面ライダーは、私が小学生のころに始まったため、世代的にど真ん中。各作品はチラチラと追っていたため、ジオウを見るのは毎週の楽しみになっている。 先週と今週とは、2001年から2002年に放送された仮面ライダーアギト(平成2作目)が取り上げられた。キャストとしては、アギトの主人公とヒロイン(?)、そしておっさんが友情出演した。

 王様になりたい主人公とその愉快な仲間たちが、主人公じゃない人を王様にしたい敵対勢力=タイムジャッカーと戦いながら、王様を目指していくというストーリー。王様になるためには、過去のライダーの力を受け継ぐ必要があり、逆に敵は過去のライダーの力を反転させた怪人を生み出し、主人公たちの邪魔をする。そのため、力を受け継ぐor力を反転させられるときに、過去の作品のキャストの皆さんが関係してくる。

 今週のアギト回は非常に良かった。端的に言って神回であった。1つはアクションが素晴らしかった。ジオウとアギトが大人数の怪人を相手に共闘するのはよかったし、戦闘シーンでアギトの主題歌(挿入歌)が流れたのも非常によかった。懐かしい。曲を聞くまですっかり忘れていたけど、やはり体が覚えているようだ。燃える。

 もう1つは、過去作の登場人物と現作の登場人物のからみがとてもよかった。現作のヒロインには過去の記憶がなく、そのうえ先週今週ではヘンテコ特殊能力を発動してしまい「あれ? もしかしてあたし、もともとは敵組の一員だったんじゃね?」と悩んでしまった。実はアギトの主人公もまた記憶喪失で、アギト本編では自分の記憶についての何やかんやがあった。その2人が記憶とアイデンティティについて会話をして、それがきっかけでヒロインが吹っ切れるというシーンがあった。ジオウにはこれまでにも他作品の主人公やその仲間が客演しているが、ジオウの主人公組とのからみがあまりうまくできていなかった。力を引継ぐためにそれなりにからみはあるのだけど、消化イベントみたいな感じで「ライダーの力だけ渡してさようなら」という感じが多かった。それが今回は、ライダーの力を渡すのに加えて、アギトがアギトの作中で悩み・戦い・乗り越えたことを、主人公組に伝えているような感じがあった。

 平成仮面ライダーとスーパー戦隊(あるいはプリキュア)との大きな違いは、登場人物の造形であると思っている。スーパー戦隊は完全に子供向けの番組であり、登場人物の精神年齢は役者の実年齢に比べて幼く、性格もデフォルメされている。それに対して平成仮面ライダーは、登場人物の精神年齢は役者の実年齢に近くて、性格も一筋縄ではない。そのため、大人が視聴しても面白いのだと思う。そして、1年間の番組が終了した後、今回のような客演があったときに、登場人物は、役者の加齢に見合った成長・成熟が描かれる。今回は、その成長・成熟、そして先輩ライダー(というと陳腐か。単純に人生の先輩の方がいいかも)として後輩を後押しする姿がよく描かれていた。アギトが、アギト本編で、あるいはアギト本編後にどのような人生を送ってきたのかを物語っていた。

 来週は響鬼の客演回。いよいよ平成ラストの放送回となる。わくわくしながら、また1週間を待とう。

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