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宅建士の受験体験記。

ご無沙汰しております、鳥山貴弘です。

久しぶり、昨年4月以来、11カ月ぶりの投稿です。この間、いろいろな取組みを進めておりました。少しずつ共有していきますね。

今日はコチラに関連した報告を。記事投稿から間もなく1年って、ほんと早いですね。

こちらで受験宣言をしたとおり、宅地建物取引士(宅建士)の資格試験について、2023年10月15日、受験してまいりました。

正直、いろんな意味で、厳しい戦いでした。

結果まで記載しておりますので、サクラサクとなったのか、乞うご期待でございます。長文になりましたが、ぜひお付き合いくださいませ~。



1. ふらふら期


受験宣言をしたとおり、1年での一発合格と心を決めて受験を思い立ちましたが、自学自習は思ったより、ずっと難しいことがわかりました。書店で一番売れているテキストを買ってみたり、手ごろな通信講座を受講してみたりしましたが、どうにもならないんです。

難しいからやる気が起きない ⇒ やらないからわからない ⇒ 焦りばかりが募っていく。こんな感じで、どうどうめぐりになりました。

3月になり桜が咲くころには、書籍と通信講座での自習を断念しました。

続いては、YouTubeで人気の宅建講座「ゆーき大学」さんでの勉強に挑戦しました。が、初学者の私には民法の過去問が難しすぎて、わかりやすいことで有名な弁護士の「ゆーき大学」さんを聞いても、ちんぷんかんぷん。法律の知識がなさ過ぎて、正直、完璧に挫折しました。

自己分析の結果、一番の致命傷は「記憶力が悪い」ということでした。

法律は、覚えないことには解けない問題がたくさんあります。宅建は、法律試験の登竜門(行政書士、司法書士、弁護士などの法律系資格の入門)という位置づけです。

例えば、入門とはいえ、これくらいは覚えないとだめなんです。

「1のケースではAは必要だが、2のケースにはAは必要ない。しかし、Bはその逆、Cは両方必要で、Dは両方不要。ただし、Dは3の例外ケースにだけ必要。」

といった風になっていて、カンや雰囲気では手も足も出ません。覚えないことにはお手上げです。

そんな折、勉強の合間に、友人の先輩宅建士さんのSNS投稿記事を振り返っていると、ある特別な記憶法に関する記事を発見しました。

私は、記憶力のなさをどうにかしたくて、そこに記されていた「アクティブ・ブレイン」の講座を受けることにしました。はじめに、記憶法ベーシックコース(スピードコース)を受講し、これはイケると感じました。記憶に関する苦手意識が1日で解消されたからです。

その後、アドバンスコース、一般的な学習法コース、宅建向け学習法コース、の4コースを順番に受講していきました。


少し自信はついたものの、記憶法の基礎や記憶の仕組みに則った学習法を習得しても、自学自習のペース配分では、合格までの道のりは険しいと感じていました。

行き詰まりを感じていたゴールデンウイーク明け。終わらないテキストを前に、「仕事をしながらの自学自習は無理だ。あきらめよう。しっかり伴走してくれて、一発合格を狙える予備校に通うべきだ」と決断しました。

そこで、アクティブブレイン講師のススメを参考に、宅建指導では非常に定評のある「日建学院」への入学を決断しました。いくつか通える校舎があったのですが、最近地縁の深まっている「北千住校」のガイダンスに伺うと、波長の合う資格アドバイザーと出会いました。


ガイダンスの最後にいわれた「ひと言」で、入学を決意しました。

「前の教室時代に似た感じの方が1発合格したので、いけると思います」

この言葉がとても印象に残っていて、「よーし、頑張れば合格できそうだ」と思いこむことができました。人間で案外単純なものです。

自学自習とは真逆の、教室+ビデオブースで受講する形式を選択し、実際に予備校に足を運ぶ形で、学習ペースを作っていく戦略です。ここから彼との2人3脚がはじまりました。


2. 基礎訓練期


実は、日建学院に入学した時点で、基礎なカリキュラムには、1ヶ月遅れの状態でした。4月下旬から本科コースがスタートするからです。

さらに、私は初学者でしたので、おすすめされた入門コースも受ける必要があり、実質的には2ヶ月分くらいの遅れがありました。

入学後、遅れを取り戻すには、スタートダッシュせざるを得ない状況でした。結構な学習費用を即支払って自分を追いこみ、むりやりでも時間を作って教室に通いました。あの頃、教室と自宅学習で、毎日3~4時間を目標としていました。仕事との両立は大変でしたが、少しずつ分かっていく感覚がつかめたので、楽しみながら取り組めました。

入門編+民法全体の基礎学習+宅建業法全体の基礎学習まで6月末に終わるというカリキュラムでした。それに追いつくため、1ヶ月あまりで入門+民法+宅建業法を詰め込みました。それには課題を2倍速で終える必要がありました。ほぼ毎日のように教室に通うことができたおかげで、6月下旬には、カリキュラムに追いつくことができました。このころ、分野別に行われる「まとめテスト」でも、合格圏内の点数をとれる実力がついてきました。

さらに、先ほどご紹介したアクティブブレインの宅建向け学習法講座も追加で受講し、記憶力が勝負になる分野である「重要事項説明」などの記憶法を特別に学びました。

その他、独自にまとめたノートも並行して作成、すきま時間には1問1答アプリも活用して繰り返し問題にあたって学習効率を上げました。教室講義だけではわかりにくい分野は、YouTubeのゆーき大学さんの講座や神ノートも併用しながら理解に努めました。

ちなみに、このころのモチベーションアップに利用したのは、三大難関資格(東大理3卒、弁護士、医師、公認会計士)保持者の河野玄斗さんのYouTubeでした。週末に定期的に企画される「12時間ぶっとおし勉強」は、12時間一緒にできなくとも、勉強量の確保のためのモチベーションに利用しました。

なお、河野さんは、自身のYouTube内の企画「最強の履歴書をつくろう」の中で、宅建試験を勉強期間、たったの1週間で合格してます。彼の受験対応力の桁が違いますが、勉強法は比較的オーソドックスでした。下記の動画は、宅建学習者には非常に参考になると思います。


3. 応用答練期


7月に入ると、急に仕事が忙しくなってきました。

そこで、他のことに手を出す余裕がなくなり、カリキュラム(予習課題、講義、講義後のテスト、宿題、過去問学習)をこなすことだけを考えて取り組みました。その結果、民法・宅建業法・法令上の制限という3分野別の予備校内の中間試験では、受講生平均点を大きく超える結果を出すことができました。

大量の宿題と動画視聴の授業がありましたが、カリキュラムを雑にこなすのではなく、問題を解くための考え方に集中して、過去問にも取り組んだ成果だと、少し安心しました。

8月になっても忙しさは続きます。

猛暑の中でしたが、週に2〜3日は学院に足を運んで勉強を続けました。しかし、このころ始まる応用答練講座では、過去問レベルの難易度にアップします。まだ勉強開始から2カ月あまりの私には、非常に難しく感じました。心が折れそうになり、試験への不安が強まり、学習に手がつかなくなる日がでてきました。

アドバイザーに、「これ、難しすぎてついていけません。無理ですよ」と相談すると「とにかく今は、宿題と課題をクリアすることだけで大丈夫です。みなさん、この課題だけでクリアされますから、これだけやってください」と助言されました。

不安になればなるほど、他の良い方法やテキストはないか、と迷いますよね。「新しい本を買いあさって結局どれも中途半端で伸び悩む」というのが、このころの受験生アルアルだそうです。

助言を受けて、「こなすだけ、こなすだけ」と言い聞かせ、点数や理解度を気にせず、まずは講座に通うことだけに集中しました。

8月下旬には、仕事がさらに多忙を極め、ストレスのかかる場面も多くなりました。すこし変かもしれませんが、仕事での不安のほうが上回る時期もあったため、予備校にいる勉強時間が、私の心の憩いとなっていきました。すこしずつではありますが、わかる問題が増えていくという実感が感じられたらです。


4. 直前期


今思い返せば、直前の2ヶ月はあまり記憶がないほど、仕事と勉強の2つに追われていました。自分でも、あの状態の中、よく粘り強く頑張れたな~、と感心しまてしまうほどです。

予備校でもそうですが、アクティブブレインの講師や仲間にも相談にのってもらいながら、とにかく勉強ペースの維持を図りました。

8月後半からは、通常の講義・答案練習に加え、過去問5年分を本番通りに取り組み、徐々に当日の試験に向けた対策に進んでいきました。

9月下旬まで学習を続け、学院の総仕上げ模試では、なんと合格基準を超える41点に到達し、ようやく合格ラインをクリアしました。ねばってねばった成果で、過去問に似た問題であれば、かなり対応できるようになってきました。

そして、9月末からの直前期に突入しました。

仕事は多忙なままでしたが、この段階では「もう来年は勉強したくない」という一心でした。正直、こんな努力を2年も続ける自信がありません。

毎日平均5時間、週末は10~15時間を目標に勉強時間を確保しました。これは、家族や同僚の協力なしには確保できない勉強時間です。子どもたちの面倒は妻や家族にお願いしました。

隙間時間をすべて費やして、10月の直前2週間に、意地で、過去問500問を2周回しました。ちなみに、1回転25時間ほどかかります。なお、この時点でも解けないような過去問(全体の1割ほど)は、あきらめて捨てました。

最後に、北千住にある私たちの秘密基地「空中階」の一室を借りて、ファイナルペーパーを作成しました。ファイナルペーパーとは、出題可能性の高い範囲の暗記用メモで、試験直前に暗記して試験に臨むためのものです。私にとって空中階は、まさに「精神と時の部屋」。学んだことが脳裏に焼き付いていきました。

直前期には、予備校での模擬試験が5回ありました。すべての試験で、学院が設定した合格圏内のスコアをマークしました。嬉しい一方で、なんといっても、本番は一発勝負です。過去問よりも模擬試験のほうが簡単な印象があり、本試験がもっと難しかったらどうしようと、不安がよぎっていました。

5. 試験当日


試験当日、私は朝早くから近くのカフェで勉強するために出発しました。天気は、思わしくなく、大雨で傘を差しながら、心の中でも、同じように不安のどしゃぶりでした。

カフェに到着し、一息ついてから最後の見直しを行いました。学習期間になんども取り組んだ過去問4冊もカバンにいれていたので、よく頑張ったと自分をねぎらう時間もとりました。

時間が迫る中、ファイナルペーパーを復習してから、もう一度過去問を手にしましたが、民法は解ける気持ちがしませんでした。そこで、民法の難しい問題はあきらめると決め、確実に点数を稼げる問題に集中することにしました。具体的には、農地法や統計など、暗記すればほぼ確実に取れる問題から攻める作戦を確認しました。

ちなみに、私の目標は、合格に必要な39点(過去の合格基準35~39点くらい)を確保することでした。

分野別の目標点は、次の通り。
民法・権利関係(9点/14問)
宅建業法(18/20)
法令上の制限(6/8)
税・その他(2/3)
5問免除(4/5)

目標達成が一番危ういのは、苦手な民法・権利関係の9点でした。カバーするには、他分野でさらに1点ずつ積み上げる必要があります。また、もし本試験の難易度が下がると、39点でも合格できない可能性があることも不安の種でした。40点オーバーで試験当日には安心していたい、というのが本音でした。

昼過ぎ、雨はほとんど上がっていました。いよいよ本番です。

カフェを出てから、神保町にある大学キャンパスの試験会場に到着すると、受験生が集まっていました。年配の方から若者まで、多様な顔ぶれがありましたが、皆一様に真剣な表情でした。

私も自分の机に向かい、深呼吸しながら、これまでの努力を振り返りました。思考がハイになっていたのでしょうか。試験はマークシートなんだから、ゲーム感覚でやろう、と悲壮感がワクワクに変わっていきました。

ところが、事件発生です。

試験30分前なったころ、スマホを封筒にしまうように指示がありました。

その時になってはじめて、腕時計を忘れたことに気が付きました。スマホ不可、試験室内には時計はありません。いまから買いに行くこともできません。

焦る気持ちをなんとか押さえて、考えました。

「試験時間は120分。学院での模試を直前期に5回受験もしたし、どのくらいのスピードで回答すれば時間内に解けるかの感覚は持っているはず。自分を信じて試験に臨もう」

時計なしで、120分間の戦いが始まりました。

6. 試験後:挑戦の結果


1問目から解くのではなく、模試で研究したとおり、簡単な順番、正答率が求められる順番に解きました。

私の場合、農地法、統計、宅建業法、5問免除、法令上の制限、税その他、権利、民法の順です。時間がわからないので、迷った問題は候補にマークをしたうえで飛ばしていきます。民法の前に、解答用紙にマークをし、見直しまで終えました。

最後の民法はやはり難しいかったです。1~10問目まで、すべて自信がありません。

このあたりの問題はお手上げだなと思ったタイミングで、なんと試験監督から「試験終了30分前です」とのアナウンスがありました。

このアナウンスが救いでした。

権利関係は、いくら考えても正解かどうかわかりません。やはり、残りの30分、それ以外の問題の正答率を求めることに全力をそそぐ作戦に切り替えました。

権利関係で自信のない問題は、問題を読まずに、すべて「3」にマーク。1/4の確率にかけて、残り時間を他を見直しし、マークミスなく答案用紙に写します。簡単な問題を落とさない、これが鉄則です。試験後に、マークミスの不安が残らないように、ぎりぎりまでマークミスを見直しました。

「試験終了、筆記用具を置いてください」

試験監督の声が響きました。残り30分の集中力が勝負だった気がしますが、すべて3にマークした以上、運を天に任せた気分でもありました。

トイレに並んだあと、急ぎ足で北千住校に向かい、解答速報を待ちました。その後の答案速報を待つ時間は、なかなかに長く感じました。予備校の模範解答が出るのを待ちながら、緊張はピークに達していました。

というのは、解答速報をみると、すべて3にマークした権利の問題について、問1~問7まですべて誤りでした。1/4の確率を見事に外しました。この時ばかりは、天を仰ぎました。

「こりゃ、終わったな」

そう思いました。あきらめムードのまま、続く解答速報を見ながら、残りの問題のマルつけしていきました。奇跡的に、そのあと、ほとんどの問題がマルでした。1校の解答速報に誤りがあっては困ると、携帯であちこちの予備校の解答速報を確認し、何度も自分の答案と見比べる時間が続きました。

当日、各予備校の解答速報が一致し、確定しました。

私の点数は50問中41点でした。

内訳は、権利7/14、宅建業法18/20、法令8/8、税3/3、免除5/5と、各分野での点数も、権利(民法)を除いて、すべて目標を達成しました。

予備校の出す合格最低点も36~38点でした。万が一、解答速報の間違いやマークミスの可能性があったとしても、さすがに41点なら大丈夫だろうと合格を確信できたのは、試験終了後3時間後の5時ごろでした。

その後、自宅への帰り道で、助けてくれた家族や友人に感謝のメッセージを送りました。自宅に向かうエレベータホールで、勝利の雄叫びをあげたのを覚えています。

それから約1ヶ月後、合格通知が届き、ほっとするとともに、喜びで満たされました。


まだまだ書き漏れもあれば、後日談もあるのですがが、なんと6500字にもなってしまいましたので、それはまた別の機会に書きたいと思います!



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