第三期教育振興基本計画_概要_第一部

(文科省)「第3期教育振興基本計画」が凄い!!

2018年3月8日、文科省中央教育審議会にて

「第3期教育振興基本計画について(答申)」が公示されました。

(文部科学省ホームページより)

なにやら、とても重要そうなので、調べてみると、凄かったので、記事を書いてみました。

結論からいうと、

・ 5つの基本的な方針

・ 21の目標

・ 測定指標、参考指標

・ 施策群

が設定されました。

「はいはい。文科省が何かまた方針決めたのね。ふーん。」

と思ったあなた。(ドキッ!)

この「第3期教育振興基本計画」はふーんで済まされない、とても大事な資料なのです。

そもそも、「教育振興基本計画」って何でしょうか。

(第2期教育振興基本計画説明資料(1/8)より一部切り抜き)

つまり、

「これからの日本の教育をどうするか?」

について具体的な施策と共に説明している資料です。

平成20年(2008年)、第1期計画が開始。

平成25年(2013年)、第2期計画が開始。

平成30年(2018年)、第3期計画が開始。←今ここ。

日本の教育(政策)を考える上で、欠かせない資料だということです。

それでは、前置きはここまでとして、一緒に読み進めていきましょう。

ざっくり、全体像はこんな感じ

全部で91ページと読み応え満載ですが、少しずつ見ていきましょう。

まずは、概要から。

次の2つの資料をご覧ください。

(第3期教育振興基本計画(答申)概要より)

ぱっと見、文字が細かくて分かりずらいですが、これが日本の教育政策の全体像となるので、何度も見返しましょう。

第1部で「基本方針」(総論)について

第2部で「具体的な施策」(各論)について

書いてあると思ってもらえたら大丈夫です。

ざっくりと、全体像が見えたところで、第1部を読み進めていきます。

第1部「我が国における今後の教育政策の方向性」

第1部は、

Ⅰ. 教育の普遍的な使命 
Ⅱ. 教育をめぐる現状と課題
Ⅲ. 2030 年以降の社会を展望した教育政策の重点事項
Ⅳ. 今後の教育政策に関する基本的な方針 
Ⅴ. 今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点

の5つについて書かれています。

詳細は、原文を読んで頂くとして、

ここでは、ざっくりどんな内容が書かれてあるかをさらいます。

(ざっくりなので、抜け落ちているところもあります。)

ーーーーー

Ⅰ. 教育の普遍的な使命

教育基本法1条と2条についてさらっと。「人格の完成」のお話です。

Ⅱ. 教育をめぐる現状と課題

①これまでの成果

・「10年間で目指す教育像」(第1期教育振興基本計画)

・「自立、協働、創造」の軸(第2期教育振興基本計画)

・「PISA」などの結果

②現状分析

・社会状況の変化(少子高齢化、技術革新、グローバル化など)

・教育の状況変化(子どもの学習・生活の課題、地域、教師の負担など)

・教育政策の国際的な動向(SDGsやUNESCO、OECDなど)

について書かれていますが、特に②の部分はオススメ。様々なデータに基づいた分析がなされているので、「教育課題の全体像」を知りたい方はぜひ読んでみて下さい。

Ⅲ. 2030 年以降の社会を展望した教育政策の重点事項

Ⅱ.で現状分析をした後、「これからの社会と教育像」について検討がなされています。

①第2期計画での「自立、協働、創造」を継承した知識基盤社会を目指す

②100年時代、Society 5.0、生産性革命

③「可能性」と「チャンス」の最大化

あたりが重要テーマです。

この項目は、キーワードを抑えて、さらっと読み進めましょう。

さて、そろそろ疲れてきたと思いますが、

次が一番大事なポイントです。

Ⅳ. 今後の教育政策に関する基本的な方針

冒頭に触れた、5つの方針についてです。

2018~2022年度までの5年間は、

この5つの方針で教育政策が行われます。

1.夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する
2.社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する
3.生涯学び、活躍できる環境を整える
4.誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する
5.教育政策推進のための基盤を整備する

15ページに亘って、一つ一つのテーマに対して、簡素にまとめられています。

これは、もう原文を読んで下さい(笑)

一番の肝なので、中途半端にまとめをかじるよりは、原文と格闘する方がいいと思います。

ここでは、21の目標と共に、資料を切り抜きしておきました。

(第3期教育振興基本計画(答申)概要より一部切り抜き)

詳しくは、下のリンク先の一番上の「第3期教育振興基本計画(答申)」をご覧ください。5つの方針については、19ページから書かれています。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1402213.htm

5つの方針が発表されたことが分かったという事で、次に行きましょう。

次は、第1部の最後です。

Ⅴ. 今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点

ようやく第1部ラストです。

頑張りましょう。

Ⅳ. で「5つの方針」が決まったわけですが、いざ実行するにあたって、

①客観的な根拠

②教育投資

③次世代への準備

の3つのことに注意していきましょうというお話です。

①は最近はやりのエビデンスベースというやつですね。数字の裏付けという話だけではなく、PDCAサイクルの確立という観点も重視されています。

②は筆者も最近知ったばかりですが、「教育投資」という考え方があるそうです。コメント出来るレベルではありませんので、勉強したいと思います。

③は2100年以降も想定して、政策を考えましょうということです。直近は2022年度までの5年を考えるが、その先の22世紀のことも念頭に入れた準備をいまから仕込んでいきましょうということです。

さて、さて。

ようやく、第1部(総論)が終わりました。

では、第2部(各論)です。

第2部 今後5年間の教育政策の目標と施策群

第2部では、第1部で示された大きな方向性の中で、

「じゃあ、具体的に何をするか」について書かれています。

もう一度、この図をご覧ください。

(第3期教育振興基本計画(答申)概要より)

具体的な施策について書かれています。

実は、

「今後5年間の教育政策の目標と施策群(ロジックモデル)」

という資料も公開されています。

こちらの方が全体を見るには分かりやすいので、ここではロジックモデルの資料を紹介します。

(今後5年間の教育政策の目標と施策群(ロジックモデル)より)

全部を理解するのはハードですので、

興味のあるテーマについて、まずは読んでみて下さい。

第2部は以上です。

かなり、あっさりとした紹介しましたが、

45ページから91ページと実に、47ページに亘って指標と共に詳細に記載されています。

まだ読み切れていません(笑)

精読してから、また続編を書きたいと思います。

最後に、「所感」

如何だったでしょうか?

昨日、たまたま中教審のホームページを見ているとこの資料を発見しました。

(文部科学省ホームページより)

ホームページを見て、中央教育審議会の答申、と言えば

「学習指導要領」

あれ、学習指導要領ってもうだいぶ前に公開されてなかったっけ??
「学習指導要領」と「教育振興基本計画」の違いって何?

という初歩的な疑問から、調べてみました。

全部はまだ精読できていませんが、一つ分かったことがあります。

「この資料は教育を知るために必読だ」

ということ。

個人的な話ですが、教育に関する本を読んだり、人に会って話を伺ったりすることはあります。

ただ、いまいち勉強すればするほど、

複雑で膨大な情報に混乱してしまっていました。

もっと体系的にまとまったものはないかなと思っていたところ

「教育振興基本計画」を発見。

網羅性と信ぴょう性という意味で、とても価値ある「データ」だと思います。

教育畑の方からすると当たり前の話なのかもしれませんが、

教育学部生でもなく、ましてや教員でも文科官僚でもない一市民として、

教育に興味のある人にとっての「必読資料」だなと感じました。

ぜひ、一読されてみて下さい。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1402213.htm

そして、精読した上で、建設的な議論をしてみたいと思いました。

仲間をゆる~く募集します。

ではでは。

追記:「学習指導要領」との違い

調べてみると、当たり前すぎて書くかどうか迷いましたが、一応書きます。

(文部科学省ホームページより)

学習指導要領は、各学校がカリキュラムを作るときの「基準」のこと。

教育振興基本計画は、教育の理念を実現する「計画」のこと。

また、作成している部も違います。

(第9期中央教育審議会構図より)

学習指導要領は、「初等中等教育分科会」の中の「教育課程部会」で作成されている一方で、

教育振興基本計画は、「教育振興基本計画部会」で作成されています。

「カリキュラムに関する基準」「教育政策の計画」かの違いでした。

スッキリ。

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