別所隆弘 / Takahiro Bessho

フォトグラファー。アメリカ文学研究者。滋賀、京都を中心とした”Around The Lake”というテーマでの撮影がライフワーク。インスタはこちら: https://www.instagram.com/takahiro_bessho/
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自己紹介

1.Profile
別所隆弘 / Takahiro Bessho
写真家(風景写真) / 文学研究者(19世紀アメリカ文学)
滋賀県在住
ナショナル・ジオグラフィック社 2017 Nature Photographer of the Year "Aerials," 2nd place winner.

2.Works
【著書・雑誌】
・最高の一枚を写し出す写真術 (Jan, 2019) (単著)

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ときには僕たちは一緒に笑う必要がある(一つの大きな展示を終えて)

あれが起こったのは7月10日のことでした。全体的に小柄で軽量なソニーのフルサイズ用のレンズの中でも軽いレンズの一つである24mm/f1.4を持った時、腰を中心に破壊的な衝撃が全身を駆け巡りました。12年ぶり三回目、馴染みのある「魔女の一撃」。一瞬息が止まり、その直後、崩れるように床にへたり込みました。ぎっくり腰の襲来です。18歳のときに一度目、30歳のときに二度目、きっちり12年周期で42歳で今回

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僕らの世界には、すでに「オフライン」など存在しない(あるいは、「マトリックス」は今でも「幸福な悪夢」なのだろうか)

1999年といえば、ちょうど大作映画の谷間にひっそりとウォシャウスキー兄弟(いや、今や姉妹でしたか)の「マトリックス」第一作目が公開された年です。時代は世紀末。7の月に恐怖の大王アンゴルモアが地球にやって来るとか来ないとかで、世間は大盛り上がり。ちょうどフィンチャー最高の傑作「ファイトクラブ」が公開された年でもあります(確かそうでしたよね)。そんな喧しく不穏な最中、当時はまだ無名だった監督作品とい

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ある女の子の話(あるいは、小さい声を聞き逃さないということについて)

小学校の時の記憶って残ってますか?実は僕は殆ど残ってないんです。中学から違う学区に通うことになったので、小学校からの繋がりが完全に途切れたからかもしれません。まるでぼんやり霧がかかったような感触があって、ところどころ残っている記憶も実感のない蜃気楼のような覚束ないものばかりです。でもそんな中で一つ強烈に残っている記憶があります。山本さんという女の子のことです。数年に一度、その子のことを思い出します

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写真と文学 最終回 「世界の断絶と写真という小さな窓」

大学での最初の授業のことをいまだによく覚えている。広い構内の南東にあった教室は年月を経た建造物特有のカビと木の懐かしい匂いで満たされていて、小さな窓から斜めに入る光が舞い上がる埃を輝かしく照らしていた。それは新しいデジタルカメラで撮影された、とても古い写真を見ているような光景だった。目の前のすべてはクリアに存在しているのに、その光景はどうしようもなく遠く懐かしいという不思議なアンビバレント。その教

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言葉の中に刻まれる、その時代のDNA

文学研究者時代(って、まるで終わったかのような書き方ですが)、何人かの他学科の研究者、特に最先端の学問をやってる知人友人からたまに言われたのは「文学研究って何の研究をしてるの?」という質問でした。

僕ら研究者は基本的に互いの研究領域に対してリスペクトを持っています。それぞれの専門領域は極めて狭い専門性によって成り立っているので、相互に理解出来ないのが基本的な認識です。なので上の質問も、何か侮蔑的

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