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機械やネットの向こうには当たり前だけど人がいました

昨日のこの記事、noteの皆さんのご紹介以降すごく読んで頂いてます。ありがとうございます。

投稿から約24時間で5万viewということで、僕の他の記事が普段はせいぜい2000viewほどなので、文字通り桁違いの人たちに読んでいただきました。それほど、Pixelの「夜景モード」のもたらす衝撃が大きかったんだろうなと思います。

ところでこの話はそもそもThe GUILDのフォトグラファーでありライターでありモデルもされている Ichikawa Nagisaさん(Note / Twitter)からのご紹介で実現したことでした。僕はAppleユーザーなのでこれまでAndroidとは全然縁がなかったのに、興味を惹かれてお返事をした数日後には、Pixelが手元に届いておりました。

市川さんとも、そもそも数奇なご縁で、インプレスから出版していただいたドローンブックの冒頭に、市川さんや僕のギャラリーが掲載されていて、そのときにご挨拶させて頂いたのが最初だったように思ってます。とても良い本でしたし、僕は市川さんのギャラリーに感動したんですよね。それが今度はGoogleのPixel!実はまだ実際にお会いしたこともなかったりします。

そしてそもそも僕がPixelに興味を持ったのは、同じくThe GUILDのGo Andoさん(Note / Twitter)の昨日ご紹介した一連のツイートを見たからなんですね。「あ、Pixelってすごい面白いかも」っていう。少し前からAndoさんや、あるいはThe GUILDのCEOである深津さんのツイッターやnoteを読ませてもらっていて、技術的興味に基づいた世界の広がりに対してすごく興味を惹かれていたのですが、そのコアの思想はnoteにも共鳴していて、今回の記事はそのnoteのコミュニティの濃密さが、一気に後押ししてくれたような気がします。

さらに短い短い導線がトントン拍子につながっていった先には、Google本社のエンジニアに至りました。昨日の夕方ごろ、京都を訪れたことがあるPixelのカメラのホワイトバランスを担当したエンジニアの方から連絡をいただき、「この写真をオフィスに飾らせてくれ!」という連絡が。Pixelをまさにエンジニアとして作った人にまで写真が届きます。

彼とのやり取りの中で、さらに写真が届いた先が、なんとPixelのカメラのコアの思想であるComputational Photographyの主唱者であるMarc Levoyさんでした。Marcさんも京都の夜景写真を大変気に入ってくれたそうで、もしかしたらGoogleのどこかに収録していただくという流れになるかもしれないとのことです。とても光栄なことです。

こんなこと、まったく予想もしてなかったんですよね。表に出ている事象だけみると、「新しいガジェットの紹介」なんですが、その後ろで沢山の人が、この新しい機能の持つ可能性にワクワクして未来を夢想した。もちろん僕もその1人です。それが連鎖反応のようにして一気に広がったのがこの24時間でした。そして「ああ、こういうのはいいなあ」と思ったんですよね。機械やネットの裏には、まぎれもなく人間がいるんだなと。当たり前のことなんですけど、時々忘れそうになるんです。大事なことだと思ったわけです。

今回、Pixelはソフトウェアで画像を処理するという方法で写真やカメラの物理的限界をブレイクスルーするという試みをついに表に出しました。壮大な夢と野心の実現です。で、頂いたコメントの中にも「写真家の仕事がなくなっちゃう」とか、あるいは「これって写真なんだろうか?」というような心配されるような声も聞きました。僕も同じことは感じました。

でも一方で、これは機械が暴走して出来上がった末の、我々には理解できない、なんだかよくわからないグロテスクなものではなく、あくまでも「人間がこう見たい」「こうあったらいいなあ」と思うものを、一つの機能として仕上げたものなんだということです。必要ないなら切ることもできますしね。衝撃的な「夜景モード」の裏側にも、やっぱり沢山の人いるんですよね。

そして技術がアップデートされても、結局人はその新しい技術がもたらす新しい表現の領野を切り開いていくというのは、歴史が示している通りです。AIがすべてを奪ってしまうという懸念は確かにあるんですが、僕はあんまりそのあたりのことは心配していなくて、むしろやらなくていいことを削れる分、よりなにか違うことを試すことのできる素地が整うんじゃないという気がしました。

なんかよくわからない記事になりましたが、そんなことを思った24時間でした。

記事を気に入っていただけたら、写真見ていただけると嬉しいです。 https://www.instagram.com/takahiro_bessho/?hl=ja