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#410 雑誌の耐久性

1年ほど前に、本屋で『IN THE LIFE』(ネコ・パブリッシング)という雑誌を見つけて買った。その出版社は、我が古巣でもある。

全436頁ある、今時めずらしい電話帳サイズ。でも、999円とお得な価格設定だ。お得なのには理由があって、ネコ・パブリッシングが過去に発刊したあらゆる雑誌の中から、おもしろい企画をちょっとずつ抜き出してがっちゃんこ。2次使用ゆえ、手間もコストも掛からない作りになっている。

読みたかったのは、436ページ中の8ページだけ。長尾さん(モデルカーズとカーマガジンの元編集長)が自身のスーパー7で行った、ひとりキャンプの話だ。実際、それで満足してほったらかしだったものの、その後も2ヶ月に1回くらいは手に取って、パラパラする。

すると、自分の興味の対象が刻々と移り変わっていることがよく分かる。トレッキング、SL、プラモデル、電車、猫、アメ車……と、少し前ならスルーしていたものが、ひょんなことで違って見えたり、思わぬ発見があったりして、そんな時間が楽しい。

『富士山を見る山8選』には、いつか写真を撮りに行きたいな、と思っているし、DATの開発者インタビューのページにある「回転か固定かそれが問題だった。」という見出しには、それだけでそそられるものがある。KLMオランダ航空に乗る機会があれば、間違いなくデルフトハウスを大人買いしてしまう。

雑誌を手にする時は(小説でもエッセイでもなんでもそうだけど)、少しでもそこにあるなにかに影響されたいと思って読んでいる。雑誌の多くは、すぐに読み捨てられてしまいがちだけど、あとからじわじわとくるような、耐久力のある作りであってほしい。


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