見出し画像

#452 ドミノ倒し

その気になれば、誰もがギネスブックを狙える余興がドミノ倒しだと思う。ドミノ倒しと聞いて、「それ、なに?」というひとは、たぶんほとんどいない。でも、ドミノってのがそもそもなんなのか、どうやって遊ぶものなのかを知っているひとはほとんどいない。51年ちょっとの人生で、「ドミノ、やろうぜ」って誘われたことなんてないし、やっているひとを見たこともない。倒すことと、ピザ以外での存在感は無きに等しい。

「NPO法人 日本ドミノ協会」という団体がある。そういう世情を憂い、ドミノがドミノであるための本質に立ち返ろうとしているのかと思いきや、驚くべきことにそこは「ドミノ倒し」のみに特化し、「ドミノ倒し」だけを推進する組織として存在している。HPを開き、最初に目に飛び込んでくるコンテンツは、「はじめてのドミノ倒し」であり、「ドミノで結婚式のお祝い」とか「おうちでドミノ」がそれに続く。ガラガラと音を立てながら、瞬く間に崩れ往くドミノ。新婚生活や家庭との相性はいかに。

似ているにもかかわらず、今一つメジャーになれない余興に将棋倒しがある。というか、こちらは群衆が引き起こす事故の比喩にしばしば用いられ、あまりイメージがよろしくない。「公共社団法人 日本将棋連盟」は、マスコミに対して文句のひとつも言っていいかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?