PIP体験記 その1

 先日のPIPについての記事を多くの方に読んでいただきありがとうございました。是非、あれだけ書いたのだから実際に現場に足を運ばなければならないと思っていたのですがちょうどいい機会が訪れたので本日行ってまいりました。実は夏の初めのころにアイドル横丁夏祭りで一度通りすがりに野外ステージでお見かけしているのですが。PIPのビジョンや、運営方法などについての記述は前回のPIP記事で完了しているので、ただのアイドルヲタクとしての体験として書きます。

イベントの概要

 今回は通常のアイドルイベントではなく、前回の記事で記述した週刊金曜日アイドル特集の発刊トークイベントが開かれた場でもある荻窪ベルベットサンというライブハウスにて、著述家の古谷経衡氏の新刊「欲望のすすめ」の出版記念トークイベントとして行われました。そのトークの1部と2部の間のハーフタイムショー的にPIPのトークとミニライブが行われました。

イベント参加者

 メインのトークの参加者は今回の主役である著述家古谷常衡氏、経済学者の田中秀臣氏、政治学者の岩田温氏、司会業などをされているタレントの舞川れみさんという顔ぶれで行われました。

 PIPからはメンバーから選抜された工藤千里さん、豊栄真紀さん、山下緑さん、柚木萌花さんが、そして運営から濱野智史氏がアイドルトークコーナーに参加されました。

アイドルトークコーナー

 メイントークの前半1時間で「欲望のすすめ」の前半部分の、若者の欲望が弱っているのではなく周囲の経済環境によりそうならざるを得ない状況であるという古谷氏の本での主張に対しての論議が行われた後に休憩をはさみアイドルトークコーナーが行われました。

 メインのトークメンバーからは岩田氏、舞川さんが外れて客席に行き、田中氏の司会で古谷氏、PIPメンバー、濱野氏が参加する形で行われました。

 最初に田中氏からの軽いメンバーいじりやヲタいじりがあり、その後自己紹介を。年齢と学年や職業と共に名前を述べる形で進行しました。

 また、PIPのコンセプトについて濱野氏に聞くと長くなるのでいうことで、田中氏お気に入りらしい工藤さんに一言でコンセプトを話すよう求められました。工藤さんは「アイドルをつくるアイドル」というようなことをおっしゃっていました。

 次に、今日の本題である「欲望のすすめ」についての感想を求められ、本を読んできたという豊栄さん、山下さんが回答することになりました。

 豊栄さんは東大で経済学を専攻しているということもあり、自分たちがデフレの中で育ったことについて言及。インフレの入り口で経済的弱者が苦しむのではといった心配についても。経済学者の田中氏は東大のある教授陣がお気に召さないようでそちらを少しいじっていましたが、豊栄さんの一生懸命考えて答えたことに関して好感をうけていらっしゃいました。ちなみに終演後豊栄さんとお話ししたときにはリフレ派(自分の薄い理解だと金融緩和やインフレ目標などを設け好景気を目指す)が正しい気がしますと気を使ってくださったのかおっしゃっていました。

 山下さんは急に「80ページの・・・」と本の具体的記述に触れ、欲望について語っていたのだが自分は彼女に関してこの後に起きる他の衝撃が大きく記憶があいまいです。

 次に、田中氏よりメンバーに対して欲望があるかという振りが。山下さんは欲望あるとはっきり。柚木さんは食欲が欲望だと。

 また、メイントーク前半で若者が車を欲しいと思っているかという論題が出たことに絡め、車が欲しいかという話になり柚木さんが電車が苦手なので車が良いと古谷氏と意気投合。柚木さんファンは車を買わなければいけなくて大変と田中氏がいじる場面も。

 それから、山下さん(休職中)がネトウヨ思想持っているということが何かの流れで本人より明らかにされ、それから彼女が今回の総選挙の小選挙区、比例代表での投票先を述べたことによって会場の空気を完全に彼女のものにしました。内容は彼女の思想主張なのかリップサービスなのか判然できないので伏せておきます。ネトウヨ問題については古谷さんが最近よく取り扱う話題で、この会場のトークイベントでも以前テーマになったこともあったのです。また、実際の右翼や街宣の話まで話がひろがってとても楽しかったのですが、内容は彼女の名誉のために伏せておきます。

 とにかく、アイドルとしてはアウトかもしれないけれどその場の空気でおいしい話題を提供して観客を言葉で楽しませる山下さんの頭の良さには感銘をうけました。

ミニライブ

 トークの後にミニライブが行われました。ライブハウスといってもジャズ専門といっていい箱なので、ワイヤレスマイクはなく有線マイクで歌い、踊れるスペースがステージ上にはないのでステージから一段下がった客席の前でパフォーマンスするというつらい状況。さらに、前方の方は政治経済のトークを聴きに来た層の客で、私はトークもアイドルも楽しむために2列目にいたのですが同じ列や最前列には自分の他にアイドルファンは一人もいないようなアウェイ環境でした。

 また、今回は柚木さんに加え、いつもだとマイクをもっていないメンバーの豊栄さん、工藤さんがマイクをもって歌うというレアな機会だったようです。山下さんはダンスができないということで、ラスト一曲のみの参加でした。マイクの持ち方から有線マイクに慣れていないの一目でわかったのですが、予想通り途中でケーブル抜けるハプニングも。有線マイク持つときはケーブル抜けないように一周ケーブルで輪っか作って一緒に手に持つようにするのです。

 一曲目はAKB曲カバーの「ハート型ウイルス」。超至近距離で座って「ハート型ウイルス」を聴く状況どこかであったぞとデジャヴ的感覚覚えたのですが、思い出してみれば数年前HR(福岡のアイドルグループ)の当時スカスカの劇場で最前見た記憶がありまして。タンバリン欲しくなりますね。ただ、今回の環境で自分アイドルヲタクだとメンバーに認知されていない状況で騒いで楽しむ勇気が足りず不完全燃焼でした。メンバーも緊張感たっぷりでした。

 二曲目にオリジナル曲「僕を信じて」。曲としては普通の(よっしゃいける)アイドル曲ですが、クオリティはちゃんとしています。初めて聞いて引っかかるところはありませんでした。

 三曲目もオリジナル曲「きっとぐっとサマーデイズ」。真冬に夏曲かと一瞬思いました。国民的アイドルグループの音楽的に挑戦しない時の夏曲のようですが、普通のものをしっかり作れるのは先ほどの曲も含めていいのかなと聞きながら考えていました。MIX(前奏や間奏でリズムに合わせて決まった言葉を叫ぶオタ芸)は絶対打ちたくなる曲で小さくながらも一緒に打たせていただきました。

 四曲目がAKBカバーの「たんぽぽの決心」。夏の初めのアイドル横丁夏祭りの野外ステージでもこの曲をPIPが歌っているのを見たのですが、ほとんど振付がないバラードです。動きがない曲なのでPIPメンバー全員でパフォーマンスするより今回4人で歌っていた方がよく各人を長く見れてとても良かったです。改めて秋元康氏の作詞能力すごいと感じながら聞きました。今日一番ぐっと来たのがこの曲でした。一生懸命歌うというのが自分には一番響くのかもしれません。

物販

 イベントの後半も終わり終演後、PIPの物販がありました。物販の内容はチェキ物販のみ、1000円でチェキとチェキへのサインでした。私はトークでの頭の良さ、ポニーテールや笑顔、たたずまいのキュートさなどでイベント中にお気に入りになりかけていた豊栄さんのもとへ。

 物販も濱野氏が仕切っていて1000円を支払い豊栄さんとの2ショットを濱野氏に撮っていただきました。濱野氏は腰痛めていらっしゃってつらそうで文字通り身を削ってアイドル運営を頑張ってらっしゃるのだなと、豊栄さんのとなりで鼻の下を伸ばしながら考えておりました。

 そして、サインのために名前きかれたので告げたところまさかのPIPについて以前書いたnoteの記事を読んでくださっていたらしく、あの記事書いた方ですかみたいな感じになりまして。私としては素人のつたないながら一生懸命書いた文章をこんな頭のいい方に読んでいただいていたことに恥ずかしくなりました。それでも、PIPについて文章を真摯に書いたことを喜んでいただいたようです。というわけで、今日から私は豊栄さんのファンになりました。勉強もアイドルも素晴らしいレベルでやっていらして、尊敬しております。

ちなみにもう一回チェキを豊栄さんと撮っていただきました。豊栄さんすばらしいですね。ちなみに生誕イベント28日あるらしいので行きましょう。

まとめ

 今回PIPを特殊な形(トークイベントのおまけ扱い、メンバーが4人のみの選抜)で拝見させていただいたのですが、握手によって人がアイドルになるのかそれともアイドルである人と握手したいのか問題について言えば、今日の4人はトークやキャラクターや外見においてすでにアイドルとして魅力的だったのでファンとして普通にコミュニケーション志向とかいろいろ考えずに話を聴いて笑ってライブ楽しんで握手してという普通のアイドル現場の楽しみ方で十分楽しめました。

 また、PIPのアイドルをつくるアイドルというコンセプトについては山下さんや豊栄さんの頭脳の明晰さを目の当たりにし将来彼女たちに可能性があるのだろうと感じました。PIPに所属するだれもが運営になれるかはわかりませんが、能力ある彼女たちならできると感じさせてくれました。

 結論としてPIP体験はダンス、歌唱力についてはまだ不明ですが、アイドルとして普通に可愛く面白く楽しいものでした。そして、今回の記事を「その1」としたのはPIPのフルメンバーで普通の状況のステージを拝見したいということで、拝見したら是非「その2」を書かせていただきたいと思います。

 最後に勝手に毎度の記事を書かせていただいている濱野氏、今回の面白いブッキングをしてくださったであろう田中氏、本日ごあいさつさせていただいたPIPファンの方々に感謝したいと思います。ありがとうございました。

最後の最後に豊栄さんかわいいですね。

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