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新時代前夜祭で作りたかったのは、この「空気感」でした。

「THE EVE〜新時代前夜祭〜」が無事に終了しました。「ゆとり本」のお渡しのためにと、ゆるくはじめたイベント企画がどんどんと面白くなり、気がつけば平成最後の一大イベントに。来場者数も300人を超えるほどの大盛況でした。

そんなイベントを、大きな混乱もなく終えられたのは、編集担当の若尾ちゃんとイベント運営を取り仕切ってくれたあやかちゃん、翼くんという主力メンバー3人に加えて、現場を支えてくれたIWAIのみなさま、出店・登壇をしてくださったみなさん、当日会場のお手伝いをしてくれた20人程度のボランティアのみんながいたからこそ。本当に感謝しかありません。

正直言って、当日の記憶があんまりありません。午後からバタバタと準備をはじめ、トークショーも2つ登壇させてもらって、会場の運営を見つつ、たくさんの方とお話をして。写真を撮るまもなく、気がついたらイベントは終わっていました。そして23時には始まる前と同じ何にもない会場に戻っていて、みんなが帰り支度をしていました。

トークショーでももっと話したいことがたくさんあったし、そもそも録音していないので自分が出ていない回のトークは内容すら聞けないまま、2階の本屋さんに用意するはずのPOP(実は2階の一部選書は登壇者や出展者がやっていたのです・・・!)も忘れる始末。「#新時代前夜祭」がツイッターでトレンド入りしたそうですが、僕自身は一度もSNSに投稿することなくイベントが終わりました。正直後悔だらけだし、もっとやれたなあという部分はたくさんあります。

だけど、今朝SNSで「#新時代前夜祭」をたどっていろんなコメントを見ていると、未完成だけど、僕が作りたかった空気感は作れたのかもしれないなと感じました。むしろ、ゴールなんてないから、未完成であることが正解なのかもしれません。

個人的に今回一番の成功だなと感じているのは、主体が見えないイベントにできたことでした。イベントって主催が立っていたり、人が立っていたり、集客という観点からも何かしらのフックがいる方が良いに決まっています。だけど、僕らはヒーロー不在の時代を生きています。別に何か一つにだけ熱狂するわけではない。だから、主体がなくても、同じ価値観・思想・空気感に共感する人々は集まれるということを証明できた気がするのです。

今回のイベントで、僕はそんな「透明な場づくり」がしたかったのですが、終了後に若尾ちゃんが「作ったのは場所じゃなくて空気じゃない?」と言っていて、すごく腑に落ちました。たしかに「場」ってそこにあるものだし、僕らがつくりたかったのは「空気」そのものだったんだって。出店してくれたみなさまのコンテンツやその場の温度感、香り、音楽など、五感すべてで体験できる、ここにしかない刹那的な「空気感」。それが僕らをつないでいるんだと。

思い返せば、2月にiwaigami吉岡さんからIWAIでのイベントに関するお誘いがあって、「ゆとり本」のことを伝えるとIWAIの方々含めて共感をしていただいて。創業者の咲さんとも出会って価値観を分かり合え、今回のイベントが決まりました。

その後、若尾ちゃん、あやかちゃん、翼くんに運営メンバーとして参加してもらうも、よく考えると4人でイベントの詳細や具体的なことを話し合うことはほとんどありませんでした。みんなが目指す「新時代前夜祭」の思想・空気感を共有できたら、あとは信頼したメンバーが作り上げるもの、集めてくるコンテンツを信じて、任せ合っていた気がします。これこそが、最高の「空気」を作れた理由だった気がするのです。

とにかく、平成の最後、最高の締めくくりでした。ふとイベントを終えて、昨年の8月、僕がフリーランスになったその日に若尾ちゃんとHOTEL SHE,翔子ちゃん、そして高校の先輩でもある経営者の周栄さんと「平成のうちに学園祭をやりたい」と盛り上がったことを思い出しました。実現しちゃったよ。しかも、みんなと一緒に。

今回のイベントを通じて、これから僕のやりたいことが明確になりました。僕は誰かにとって心地のいい「空気」を生み出す仕事をしていきたいなと思います。なんだか本当にまとまりのない文章になってしまいましたが、今の率直な気持ちをここに残しておきます。これからもどうぞよろしくお願いします。


平成31年4月24日
すみたたかひろ

(写真は全て安東佳介さんが撮影してくれた最高の思い出です!)


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