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その場でありながら、その場ではないような空間

その場でありながら、その場ではないような空間を作りたい。とても禅的な表現で、論理的ではないようにも思うが、そんな場所が作れるんじゃないかと思っている。それはリアルでもデジタルでもない場所。1.5次元的な空間だろうか。そんなことをお昼に話していたら「土地から浮遊した場所みたいだ」と言われてしっくりきた。そうかもしれない。

マーケティング視点でいえば「ローカライズ」というのはその一つの手法かもしれない。具体的にいえば、ブランドの哲学に応じて、その土地のコンテクストに合わせたお店や施設を作ること。そうすれば、使う素材やデザインが違っても、そこには同じブランドのルーツが感じられるという算段だ。違う場所なのに同じように感じるわけである。

好例としては「イソップ」や「スターバックス」などだろうか。特に「イソップ」なんかは場所によって建築家を変えたり、素材を工夫したり、ローカライズに余念がない。「スターバックス」は少し前まで、同じサービスを提供するために基本的な内装やコンセプトを統一させて展開するマスブランド的な手法を取ってきたが、潮流に合わせてか、少し風向きが変わってきている。

一番上の写真にあるのは「スターバックス富山環水公園店」。“世界一美しいスタバ”とも言われた場所である(そうは感じなかったが)。ここ最近水辺に関連した場所ばかり紹介しているということでここをピックアップしてみたけれど、京都の清水寺や広島の厳島神社など、その土地にローカライズされたスターバックスはたくさんある。

ここで言った「ローカライズ」というのは、あくまで「土地から浮遊した場所」という概念の一要素でしかないと思う。もう少し、この概念を深掘りして考えてみたいと思う。


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