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AWS Summit Tokyo 2023 Report: 4つのキーワード

先週の木曜金曜に開催されたAWS Summit Tokyo 2023に参加してきました。AWS系のイベントは私も初参加だったのですが、AWS Summit自体もオフラインでEXPOスタイルの開催は2019年以来3年ぶりということでイベント会場の熱気も感じられて、良い学びのある2日間を過ごせました。

4つのキーワード

2日間の参加を通して、AWS Summitで私が感じとった4つのキーワードがあります。不確実性、変革、テクノロジーの民主化、そして、リーダーの意志です。これは基調講演にて繰り返し伝えられたポイントでもありますが、AWSカスタマーによる事例発表でも感じ取られるものが大きかったです。ひとつずつ深堀りしながら繋がりを見ていきます。

不確実性

私もアジャイルの必要性を説明する際にVUCAというワードを使って不確実性に対応する重要性に触れてきました。あらためて不確実性って、なんの不確実性なんだろう?と考える機会になりました。というのも、突然「不確実性」と言われても、たしかにコロナやAI技術の急速な発展が不確実性のわかりやすい例としてあれど、究極的にそれが自分にどう影響するかの具体をイメージしきれていないことが多いのではないでしょうか。おそらくそれは、先程のように「不確実性」を表現する例が誰にでも刺さるよう大きいトピックになりがち、ということが理由としてあるかもしれません。

この不確実性にもマクロからミクロまでのグラデーションの中に様々なものがあるはずです。社会全体に起こり得る不確実性、組織に起こり得る不確実性、プロジェクトに起こり得る不確実性、メンバーひとりひとりに起こり得る不確実性。それらはどこかで繋がっていたり影響しあってたりしています。つまり、昨今は不確実性が高いなんて話が言われていますしそういう側面も確かにあるとは思うのですが、不確実性が全くない時間軸なんてないはずなのです。濃淡はあれど不確実性は常に存在し、それに対応できるマインドセット、組織、プロセス、アーキテクチャー、技術をいかに揃えられるかが鍵となるのです。

変革

その不確実性に対応できるように自分たちを変えていくことが「変革」のひとつです。リーンに無駄をなくしながらアジャイルに価値を生み出していくことが大事で、この自分たちの「変革」がなされている状態から社会に影響を与える「変革」を生み出せるようになるのです。

前段の変革はスタートアップやテックジャイアントなどの企業組織は生まれながらにしてその状態になっているので、そのぶん先行しています。自分たちがそうでなければ、まずは追いつかなければいけないのです。たとえ先行していたり、自分たちのポジションに安心していても、それは不確実性のところでも語られているように大小の不確実性によりいつでも揺らぐ可能性があります。つまりこの変革とは、時代に合わせて変わり続ける進化のようなものであることが本来であれば望ましいはずです。ここ数年はDXというキーワードが流行っていて「変革できればゴール」と捉えられかねない心配もあります。ですがこのDXも本来はデジタルによって変革し続けることができる組織を作ることがひとつの目標だといえるでしょう。

組織内の変革と組織外に向けた社会にインパクトを残す変革。この2つをいかに継続的に実現していけるかが、企業の強さに直結していくのだと思います。変革と聞くとハードルが高く聞こえることもあると思います。変革というゴールを目的に置いた、断続的な変化と表現してもいいのかもしれません。

テクノロジーの民主化

そして、組織内と組織外の両方の変革において重要な役割を果たすのがテクノロジーです。ここにAWSのミッションでもあるテクノロジーの民主化が深く関係してきます。先述の通りDXはデジタルを起点に行われる変革であり、つまりはテクノロジーによる変革とも言えます。Beforeクラウドでは強力なサーバーやコンピューティングパワーを手に入れることや、さまざまなサービスの実装や管理の難しさもテクノロジーの障壁といえました。その障壁はAWSを始めとしたクラウドによりどんどん無くなっています。今回のサミットではAIに関連するクラウドサービスの発表も多くありました。誰でも学べば使え、その学ぶためのコンテンツの提供も行い、プロダクト開発の支援も行うという包括的なサービスからテクノロジーの民主化をAWSは進めていることを改めて学びました。

テクノロジーの民主化とは、変革を実現するための手段をできるだけ多くの人に届けるということです。それはつまり、変革の民主化とも言えるのではないかと思って話を聞いてました。ChatGPTやStable DiffusionなどのAI技術がライティングやクリエイティブの民主化をもたらしているように、サービスやプロダクト、より包括的なエクスペリエンスデザインなど人々の頭の中にあるアイデアをいかに実現しより良い世界を作っていけるのか。どこまでアイデアとプロダクトとのギャップが今後狭まっていくのかを期待してなりません。

リーダーの意志

最後は、リーダーの意志です。AWS Summitの講演内では「リーダー」ではなく「トップ」だったり「経営層」という言葉が使われていることが多く感じられましたが、ここはあえて「リーダー」という言葉を選んでいます。理由は私自身がトップでも経営層でもないからであり、どんな人でも「リーダー」になり何かを始めることができるという思いからそうしています。もちろん組織内のそういったリーダー達が活動しやすくなるよう、トップや経営層は方向性を示したりサーバントリーダーシップを発揮することは重要ですし、異なるレベルのリーダーシップは求められるでしょう。

私が思うのは、これまでにあげてきた内容、組織内外での変革やテクノロジー、それらのうち自分が必要だと思ったことに対し、リーダーシップとオーナーシップを持って取り組むことがいかに変化の原動力になるかということです。あらゆる変化、ポジティブなものもネガティブなものも、そこには人の意図や意志が内在しています。意志がカイゼンのサイクルやプロダクトの方向性、を決定づけることを思えば、そのチームや組織でどれだけ同じ意志を宿せるかが始まりの一人には求められると思うのです。

まとめ

興味深かったのは、アジャイルやデザインというワードの他に、Cloud Center of Excellence (CCoE) が浸透していて多くの事例発表の中で組織として組まれていたことです。これはまさしくクラウド技術のリーダーたちが集まり、組織内部の変革をテクノロジーのサポートともに行うムーブメントの現れだと感じます。

あとはいかにそれを社会の実際へのインパクトに繋げられるか、アウトカムを残せるかの部分をリーンアジャイルな組織への変革と合わせて実現していけるかが問われているのだろうなと思います。

As a Slalomer!

もう1つ、私が4月より入社したSlalom株式会社の一員として出展ブースに立つことができました。新人ながら会社について予習しブースに来場された方ともお話できました。Slalomは、この記事で説明してきたようなお客様のデジタルトランスフォーメーションやビジネストランスフォーメーションを戦略、テクノロジー、オペレーションなどあらゆるレベルで支援するための「Launch Center」をAWSと共同で日本国内においても開設しています

このサービスは2025年の崖を目前にした企業にとって、大きな価値提供ができます。グローバルでトランスフォーメーションをリードしてきたSlalomのパワーと、ローカルの事情を理解するコンサルタントが協力し、今求められてる日本のDXを実現し日本をより良くしていくことを目標としています。ぜひ一緒に実現していきましょう!

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