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靴クリームの種類(良い物と悪い物) 汚れは乳化によって落ちる?

鎌倉の由比ヶ浜もたまには頭越えの波があるんですよね。
カッコいいね~!!

乳化性と油性の違いとは?
汚れは乳化によって落ちる?

靴クリームと言われるものにはどんな種類があるの?
使って良いものと、あまり使わない方がいいもの。

悪い物と言うと怒られるけど、使い方を間違えると革を悪くしてしまう物の違いを知っておいた方がいいですよね。

目 次 ⇓
□ 靴クリームってどんな種類があるの?
□ 乳化性靴クリーム (乳化とは?)⇒(汚れは乳化で落ちる?)
□ 油性靴クリーム (乳化性と油性との違い)
□ スプレー式 その他 (使っていい物、使い方に注意が必要な物)
□ クリーナー (乳化性)


靴クリームってどんな種類があるの?

普通、靴クリームと言ったらどんなものを想像しますか?
ビンに入ったもの、チューブに入ったもの、に入ったもの、スプレータイプ、ローションタイプ、スポンジでツヤ出すタイプなど、いろいろありますよね。

今までどんなものを使ったことがありますか?

実は靴クリームには大きく分けて”乳化性””油性”2種類のタイプがあり、ほとんどがそのどちらかに属します

① 乳化性クリーム(ビン入り、チューブ入り、スプレー式、ローション等)
② 油性クリーム(缶入り)
以上の2種類です。

乳化性靴クリーム

乳化性靴クリームは、瓶入りチューブ入りスプレータイプローションタイプ、など色々ありますが、すべて乳化性です。

乳化性靴クリームとは 蝋(ワックス)油(O I L) それと の本来混ざらない3成分に乳化剤を加えて乳化したものです。

これらの 蝋、油、水 は革靴の保革と艶出しに必要なものをすべて兼ね備えていますので、普段のお手入れはこちらがお勧めです。

靴クリームによる靴の磨き方は「靴のお手入れ方法」で詳しく説明しているのでそちらをご覧ください。
お化粧と同じで、靴クリームだけのお手入れはNGでクレンジングが必要ということも説明しています。

乳化とは
皆さん、マヨネーズって作ったことありますか?
乳化(エマルジョン)とは、水と油のように一緒にしても分離してしてしまうものを一体化させた状態をいいますが、マヨネーズを作ときに卵黄とオリーブオイルを混ぜ合わしているとファッと混ざり合う(乳化の)瞬間があるです。

もっとわかりやすく言うと、ちょっと前(かなり前かw)台所洗剤のテレビCMで 油の(汚れた)お皿に入った水に洗剤をたらすとパーッと油と水が混ざり合うのを見たことありませんか。

あれが乳化の瞬間なんですね。
洗剤に入った乳化剤によって水と油(汚れ)が混ざり合ったんです。

だから、衣服についた汚れもクリーニングをする時に洗剤を使いますよね。

あれは汚れ(油)と水を洗剤(乳化剤)の力で一体化(乳化)させて衣類から洗い落としているんです。


油性靴クリーム

油性靴クリームとはの2成分からできていて、水は入っていません

油は入っていますがほとんどが蝋分で、乳化性クリームと違って保革効果はほとんどありません。
その代わり、乳化性クリームよりツヤ出しと撥水効果があります。

靴のつま先とカカト部分をピッカピッカにする鏡面仕上げに使用されます。

鏡面仕上げに関しては後日詳しく説明します。
鏡面仕上げのワークショップは結構盛り上がるんですよw。

注 意
表面に蝋の被膜を作るのでツヤ出しと撥水効果がありますが、たまにクレンジングをして蝋を落とさないとひび割れの原因になります。

余談ですが、イギリスではタキシードにブラックタイでシャンパーニュを飲みながら靴を磨き上げるイベントもあるとのこと。
やってみますか?


スプレータイプ、その他

1、スプレータイプ
スプレータイプ(乳化性)は霧状泡状のものがありますが、いずれも乳化性のクリームで 汚れを落としてツヤを出すもの、スエード用のものがあり、靴クリーム以外でも防水用のもの、消臭用のものなど、専用スプレーがあります。
たまにはクレンジングが必要です。

スプレータイプで使い方に注意が必要なもの
中には乳化性ではなくツヤ出し専用のスプレーで、靴の表面にウレタン樹脂の被膜を作るものがあります。
これはスプレーしただけで乾くとツヤが出るため、ツヤ出しや撥水には簡単で効果がありますが、革の通気性が無くなり使いすぎるとゴワゴワになり、ヒビ割れの原因になります。
注意書きをよく読んで使い方に気を付けましょう。

2、液状(リッキト)タイプ(乳化性)
水を乳化させたもので油は入っていません
まぁ、ほとんど(90%以上)が水ですけどねw

塗るだけでツヤを出しますが、これも使い過ぎるとヒビ割れの原因になります。
ただし、樹脂系のスプレーとは違ってクリーナーで落とせますので、定期的にクレンジングをすれば大丈夫です。

油分がなく、ほとんどが水のため保革にはなりません

注 意
こればかり使うのは革のためにはよくないので、やはりビン入りかチューブ入りで手入れをして、たまにクリーナーでクレンジングをすることをお勧めします。

「靴のお手入れ方法」をご参考にしてください。

3、クリーナー(乳化性)
多少の脂分乳化したもので蝋分は入っていません

革についたホコリや汚れを落とし、古いクリーム(蝋分)の膜なども一緒に落とします。

チューブ入り、ローションタイプ、スプレータイプ、などがあります。

チューブ入りかローションタイプがおすすめです。

お化粧のクレンジングとおなじで、たまには革の表面をきれいにスッキリと素肌にもどしてあげましょう。
その上で乳化性(ビン入りやチューブ入り)のクリームでお手入れをして下さい。

「靴のお手入れ方法」を参考にして下さい。

注 意
現在市販されているものは中性タイプ(PH7.3くらい)なので、シミになりにくく、安心して使えるものがほととんどですが、注意書きをよく確認してください。

〇 乳化性靴クリーム
水、油、蝋、が乳化剤で乳化されたもので革靴に必要なものが入っている。
ビン入り、チューブ入りがあり、中身はおなじ。
たまにはクレンジングが必要。
〇 油性靴クリーム
油、蝋、で乳化され、水は入っていない。
ツヤ出しようで、保革にはあまりならない。
クレンジングが必要。
〇 スプレータイプ
霧状と泡状のものがあり、汚れを落としてツヤを出す効果がある。
ただし、艶出し専用のものは使いかに注意。
〇 液状タイプ
油と水で乳化され、蝋は入っていない。
簡単にツヤが出るが、たまにクレンジングが必要です。
〇 クリーナー
水と脂分を乳化してあり、ほこりや汚れと一緒に古い蝋分も落とします。

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