治郎丸敬之

「競馬は文化であり、スポーツである」をモット―とした、新しい競馬の雑誌『ROUNDERS』編集長。競馬ブログ『ガラスの競馬場』管理人。『週刊Gallop』にて「超・馬券のヒント」を連載中。

走るフォームを教え込んで強い馬をつくる

4月に上梓した単行本「馬体は語る—最高に走るサラブレッドの見つけ方」を読んだと、新規開業の厩舎で働く厩務員から連絡をいただいた。その方は、「ROUNDERS」のファンでもあり、手紙でのやり取りを経て、今回の単行本の発売を機に初めてお話をすることができた。その会話の中で、「vol.1で書かれていた走るフォームはとても参考になりました。実は、新しい厩舎では走るフォームに力を入れているのですよ」と言われ

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天皇賞・春では長距離適性と多様性のある馬を狙え

天皇賞・春を3200mのレースとして行う意味はあるのか。世界的にスピードが重視されている流れの中、3000mを超える距離のG1レースを勝つことに価値はあるのかという問いがある。私はあると考えているし、天皇賞・春を勝つ馬こそが、真の名馬であるという想いがある。

私が競馬を始めたのは、オグリキャップがラストランの有馬記念で奇跡の復活を遂げて引退した年であり、そのあたりの時期から競馬をたしなんできた競

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勝つためには、勝つ気で乗らない(賭けない)こと

力はあるのに勝ち切れない馬がいる。勝てないレベルは様々だが、たとえばナイスネイチャやステイゴールドなど、特にG1レースにおいて惜しいところで勝利を逃がしてしまうような馬たちには、自分を重ねてつい応援してしまう競馬ファンも多い。しかし、その馬に関わる人たち(馬主や調教師、ジョッキーなど)は頭を抱えたくなるだろうし、馬券を勝った人々もそう。もちろん馬にとっても、引退後のことを考えると死活問題となる。

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トラックバイアスを利用して予想する

開催当初は内外均一であった馬場も、レースが行われ、距離ロスをしないように各馬が少しでも内側のコースを走ろうとすると、どうしても内側の馬場、特に3~4コーナーの部分の芝が傷んできてしまう。そのため、馬場の保護を目的として仮柵による馬場の使い分けをしているが、この仮柵の移動によって、どうしても馬場の内と外で大きな有利不利が生まれてしまうことがある。

たとえば、移動柵を最大9m幅で動かせる東京競馬場に

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最初から強さを信じ続ける方が馬券は儲かる

最初は強く思えなかった馬でも、後々に本当の強さが分かってくる馬がいる。他馬を千切って勝ったり、激しい叩き合いを制したりすることもなく、レースの内容を見る限りにおいて、強さが伝わってこない馬。速いタイムで勝利したり、厳しいラップを刻んで押し切ったりすることもなく、数字的にもその強さが証明されていない馬。様々なタイプはあっても、つまりは私がその強さを最初から見極めることができなかった、私の想像を超えた

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凱旋門賞帰りの馬の狙い方

私が競馬を始めた頃、日本馬が海外に遠征することはビッグイベントであり、少し大げさに言うと命がけの挑戦であった。凱旋門賞を含む、ヨーロッパの大きなレースに挑戦したものの全く歯が立たず、衰弱してしまったスピードシンボリに寄り添い、飛行機に同乗して帰国した野平祐二騎手のエピソードが個人的には大好きだ。そのような先人がいてくれたおかげで現在の日本競馬の隆盛があり、海外の大レースに挑戦する日本馬の姿は日常の

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