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東京ダート1600mの「勝つためのポジション」は外の3、4番手

昨年の有馬記念号の連載にて、勝つための基本ポジションである内の2、3番手を走った馬が勝つことを動物学的な観点から説明した。私が本命に推したサウンズオブアースは公開抽選で内枠を引き当てることなく、走りたかったポジションを走ることができず、内枠を引いて内の2番手を走ったゴールドアクターにわずか及ばなかった。有馬記念が終わったあとの忘年会で、「そういえば、ゴールドアクターは内の2、3番手だったなあ。今、気づいたよ」と競馬仲間から言われ、レースが終わってみれば誰もが分かるのだと嘆きつつも、現代の日本競馬における勝つためのポジションの重要性を再認識した。強い馬が勝つわけではなく、勝った馬が強いわけでもなく、勝つためのポジションを走った馬が勝つのである。

内の2、3番手はあくまでも基本であり、どの競馬場のどのレースもすべてそうであるはずはなく、コース設定や馬場、レースの性格によって、勝つためのポジションは前や後、内から外へと移動する。それは俗に言う展開とは少し違った考え方で、分かりやすく説明すると、展開が前か後ろかという平面的な位置取りを示した概念だとすれば、勝つためのポジションは前後左右(内外)という立体的なそれを扱っている。だからこそ、逃げ馬が有利とか、差し馬向きといった大まかな目安ではなく、もう少し繊細なポイントが指標として浮かび上がってくるのだ。

前置きはこのくらいにして、今週行われる今年初のG1フェブラリーSの話をしたい。東京競馬場のダート1600mコースで行われる、このレースに勝つためのポジションは外の3、4番手である。なぜ内ではなく外になるのかを解説していくことで、東京競馬場のダート1600mコースの特徴が分かってくるし、さらに今年のフェブラリーSの勝ち馬も探し出せるはずである。

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