一完歩を長く走らせる技術に秀でた″押せる”武豊騎手

ジョッキーに求められる技術のひとつに、馬を追う技術がある。レースにおける勝負所からゴールまで、競走馬の持てる力を最大限に尽くして走らせる技術。もちろん、騎乗馬を勝たせるためには、馬を追う以外にもあらゆる技術が必要になるのだが、言ってみれば馬を追う技術は詰めの部分にあたる。将棋でいえば終盤。序盤、中盤でたくわえた力を終盤で発揮する。最近では、競馬の騎乗も将棋も、終盤よりも中盤、中盤よりも序盤の重要性が高まっているが、それでも終盤の詰めが甘ければ勝利を手にすることはできない。終盤を制する者がレース(ゲーム)を制するのである。

馬を追うことにも様々なスタイルや方法論がある。海外や地方の競馬場からジョッキーが参戦してきたことによって、中央競馬のターフの上で観られる騎手の追い方もバラエティに富んできた。どのスタイルや方法が正しいということではなく、ジョッキーそれぞれの肉体的資質に合わせたフォームで、コース形態や馬場に即した乗り方で、サラブレッドを適切に推進することができれば良いのである。

ちなみに、サラブレッドのスピードは、「一完歩の長さ(ストライド)×頻度(ピッチ)」で決まる。もちろん、疲労してバタバタになった馬は脚が伸びないように、同じ馬でも状況によって一完歩の長さは変わるが、走る頻度(ピッチ)が同じであれば、当然、一完歩(ストライド)を長く走った馬の方が先にゴール出来る。

一完歩の長さ(ストライド)は馬の持って生まれた肉体的特徴によるところが大きいのだが、数センチ位の長さであれば、実は騎手の技量によって補うことが出来る。ゴール前1ハロンの完歩数は平均27完歩であり、もし一完歩が10cm長くなったとすると、27完歩×10cm=270cmで2.7m。つまり、ゴール前1ハロンだけで、なんと約1馬身の差が生じることになる。このことからも、一完歩を少しでも長く走らせることが、一流騎手の仕事だといっても過言ではないだろう。

日本のジョッキーでは、やはり武豊騎手が、この一完歩を少しでも長く走らせる技術に長けている。たとえば、

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一完歩を長く走らせる技術に秀でた″押せる”武豊騎手

治郎丸敬之

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治郎丸敬之

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