レースの条件によって切れ方が違う「カミソリ」と「ナタ」

「コダマはカミソリ、シンザンはナタの切れ味」という武田文吾調教師の有名な言葉がある。カミソリとナタはどちらも切れるのだが、その切れ方が違う。カミソリはスパッと切れるのに対し、ナタはザクッと切れる。つまり、カミソリの方がナタよりも鋭く切れる。かといって、カミソリの切れ味が良いかというと、そうとは限らない。たとえば大きな木をカミソリで切っても切れないように、切る対象物によっては、カミソリよりもナタの方が良く切れる。あくまでも切れ方が違うのである。

これをそのまま競馬に当てはめてしまうと、カミソリの切れ味とは、一瞬で鋭く切れる末脚のことで、対するナタの切れ味とは、良い脚を長く使える末脚ということになる。確かに間違ってはいないのだが、これだけではあまりにも抽象的で分かりにくい。もう少し具体的に述べると、以下のようになる。

カミソリとナタとの違いは、“スピードがスタミナに裏打ちされているかどうか”にある。分子がスピードで、分母がスタミナとすると分かりやすい。その馬のスピードに対してのスタミナの比重が軽ければ、末脚はカミソリの切れ味となり、スピードを支えているスタミナが豊富であれば、末脚はナタの切れ味となる。

たとえば、総合力は同じであっても、スピードとスタミナのバランスが違う2頭のサラブレッドがいるとする。Aという馬はスピードが勝っていて、そのスピードを後半の末脚に生かすタイプであり、Bという馬はスタミナが豊富で地脚が強いタイプ。この2頭が1000mのレースをすると、以下のラップが刻まれる。

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レースの条件によって切れ方が違う「カミソリ」と「ナタ」

治郎丸敬之

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治郎丸敬之

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