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美しい目をしたロードカナロア産駒を狙う

「目は口ほどにモノを言う」ということわざがあるように、もともと口がきけない馬にとっても、目は心を映し出す窓になる。馬の目には、喜怒哀楽といった感情だけでなく、その馬の性格さえもが映し出される。気性が穏やかで賢い馬は、黒く澄んだ目をしている。やる気や気合は目に表れてくるものであり、生き生きとして底光りするような眼光の馬は、間違いなく体調が良く、走ることに対して前向きである。

逆に精彩を欠き、どんよりと濁っているような目の馬は、明らかに調子を落としている。走る気のない馬は、相手をうかがいながら走るフリをする、ズルそうな目になる。その馬の本質は、意外にもこのようなところに見え隠れしているものだ。

先日、インタビューさせていただいた社台ファームの獣医師である下村優樹氏は、馬の目に関して以下のように語っていた。

馬の性格や体調面は顔つきや目に表れていると思います。黒目が大きく、澄んでいて、集中力のある目をしている馬が好きですね。そういう馬は体も丈夫で、体調が良いことが多いです。集中しているので余計なところで力を使いませんし、良い意味でマイペースな馬です。

たとえば、人が厩舎で作業をしていても気にすることなく、自分は関係なく寝ていられたり、運動するべきときはムクっと起き上がる。オンとオフが切り替えられる馬は、競馬場に行っても自分で体をつくったり、力を出し切れます。落ち着きのない馬は、人間が現れたり物音がすると、ソワソワしたり集中できなくなります。

今年から産駒がデビューした新種牡馬ロードカナロアの快進撃が続いている。産駒は続々とデビューして勝ち上がり、クラスが上っても頭打ちになることもない。とにかくストレートに自身の能力を出し切っている産駒が多い印象を受ける。初年度から大きな期待が寄せられていたことは確かだが、いきなりその期待以上の勢いで活躍馬を誕生させているのだ。

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