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古馬になって成長を遂げるのがキングカメハメハ産駒の真骨頂

競馬ファンであれば、スターホース同士の対決を一度は夢見たことがあるだろう。シンボリルドルフとシンザンはどちらが強いのか?オグリキャップとモーリスのマイル王決定戦や、エアグルーヴとジェンティルドンナの女傑対決など、実現し得なかった夢の対決を空想することは競馬の楽しみ方のひとつでもある。私の場合、キングカメハメハとディープインパクトの2頭が夢の対決である。

結論から述べると、ディープインパクトの勝利である。外を回って、最後の直線で飛ぶように伸びたディープインパクトが、食らいつくキングカメハメハに1馬身半の差をつけてのフィニッシュ。武豊騎手の控えめなガッツポーズと、安藤勝己元騎手のゴーグルの下に隠された悔しさが目に浮かぶ。ただし、これは3歳春の日本ダービー時点という設定でのものである。日本ダービー時点であれは、ディープインパクトの才能、素質、そして完成度は、キングカメハメハのそれを明らかに凌駕している。

安藤勝己元騎手いわく、「ディープインパクトに唯一注文をつけるとしたら、日本ダービーが終わってから秋にかけての成長力がどうか、ということ。キンカメの場合は、秋以降の成長力をすごく期待させる馬だったけど、ディープインパクトは現時点で十分に強いと言い切れる馬だから。これから伸びるとかなんとかじゃなくて、今の力を維持するだけで十分強いわけです。そこがすごい」(「サラブレ2005年8月号」より)。このコメントを借りるまでもなく、日本ダービー終了時点におけるディープインパクトの強さは圧倒的であった。

それ以降、つまり夏を越して3歳の秋以降であれば、2頭の力差は限りなくゼロに近づいていったのではないか。

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