つきしろさん1

水生生物マニアにインタビュー Vol.3 〜沖縄のダイバーアクアリスト〜

こんにちは!イノカの河野です!
本日もアクアリストの方にインタビューを行いましたので紹介させて頂きたいと思います。

過去記事はこちらです↓ぜひこちらもご覧ください!



本日インタビューを受けて頂くのは、沖縄でサンゴ礁水槽をやっている月城さんです。沖縄に住んでいるため、すぐ近くに海がありいつでもサンゴが見れるという状況ながら、サンゴ水槽をやられています。その経緯も気になるところですね・・・!ダイビングも本格的にやられているそうで、アクアリスト目線だけではなく、ダイバーの方ならではの目線のお話もお伺いできたらと思います!
実際に沖縄に行った際に月城さんの水槽も見に行かせて頂きました!その時に撮影させて頂いた水槽がこちらです!

とてもかっこいいですね・・・!!
サンゴも生態も美しい上に健康で素晴らしい状態でした!

今回のインタビュアーは毎度おなじみイノカのアクアリスト、なおきさんです。

それではインタビュースタート!

飼育している水生生物の種類・飼育歴

なおき:それではよろしくお願いします。では、まず飼育している水生生物の種類を教えて下さい。
月城さん:魚とえび・かに・貝・ヒトデなどですね。
なおき:なるほどざっくりいうとサンゴ礁の生き物ということですかね。
月城さん:そうですね。

なおき:それでは飼育歴の方を教えて下さい。
月城さん僕が25さいのころから始めたので、現在までで14年ほどやっています。7才年上の兄貴が水槽をやっていたんですけど、水槽をやめるということだったので、譲り受けたのがきっかけなんです。でも私も30才のころに結婚したんですけど、それを機にやめちゃったんですね。で、またやりたいなと思って、水槽台から、濾過器まで作って再開しました。
なおき:なるほど・・・これはずっと聞きたかったことなんですけど、お住いが沖縄じゃないですか?沖縄って「THE・サンゴがある場所」っていうイメージなんですけど、月城さんって淡水から始めたのではなくて、海水から始めたんですよね?普通のマリンアクアリストの方はまず淡水をやって、徐々に海水にはまり始めたというのを良く聞くので珍しいですね。ましてや周りにサンゴがいっぱいある沖縄で始めるとは・・・とても珍しいなと思いまして。

月城さんそうですよね、良く言われますね(笑)もともと兄貴が人工海水でやってたんですけど、その時RO水や塩を購入するのが高かったと言ってたんですね。でも、僕は「沖縄に住んでいるなら海水を汲んでこれば良いじゃないか」と思ったんですよ(笑)
なおき:確かにそうですよね(笑)
月城さん沖縄に住み始めた当初は家から車で3分くらいのころに海があったので、海水には困りませんでした(笑)深夜3時ごろでも水槽の調子がわるいなと思った時は海に行って汲んだりしていました(笑)


水生生物の面白いところ、魅力、豆知識

なおき:水生生物の面白いところや豆知識があったら教えてください。
月城さん:僕が一番最初に飼ったのがカクレクマノミなんですよ。ハタゴイソギンチャクの方はショップで買いました。カクレクマノミは実際に海で取ってきたやつなんですけど、大きくなったら海にかえしてあげようという気持ちが強かったんですよね。それで実際に育てて1年後に採取した海へ返してあげたんですよ。
なおき:えー本当にかえしてあげたんですね!
月城さんそうしたら、その後毎年行くたびに2、3年はクマノミたちは僕が戻した場所にいました。
なおき:おーそれはすごいですね。ということは最初に飼った生体が自分で取ってきたもので、しかもそれを海へ返してあげて、さらには繁殖までして・・・!へえ面白いなあ!
月城さん:実際に海で取ってきたものを育てて海に返してあげるのがとってもリアリティがあって良いです。一番嬉しいのは返してあげたやつが繁殖してファミリーになったことですね。
なおき:いやーーそれは本当に良いですね!

なおき:月城さんは結構頻繁に海にもぐられるんですよね?
月城さんそうですね、沖縄にきてから14年になるんですけど、ダイビングした回数でいうと200回は超えていると思います。
なおき:かなり多いですね!!そういえば月城さんって沖縄出身ではないんでしたっけ?
月城さんそうですね、神奈川出身なんですよ。
なおき:あ、神奈川県なんですね。どう言った理由で沖縄に行かれたんですか?
月城さん:18才のころから毎年沖縄旅行に行っていたんですよ。サイパンとかグアムも行ってたんですけど、沖縄がやっぱり綺麗だと思いまして。毎年旅行に行くのが面倒になって、沖縄に引っ越しちゃいました(笑)
なおき:すごいですね。いや本当に羨ましいです!逆に言えばそれほど魅力があるということですよね。
月城さん:そうですね、間違いないです!

なおき:他に沖縄ならではの魅力があれば教えて下さい!
月城さん:そうですね、僕の頭の中では家の水槽と沖縄の海というのはくっついてるんですよ。例えば、魚がどういうところに住んでいるのかを観察しに海には行きますね。以前ハナガササンゴというサンゴを飼っていた時に、知識のない状態で飼うと2、3ヶ月でダメにしちゃったりとかすることもあったんですね。でもダイビングでよくハナガササンゴを観察した時に、影があって淀みがあって流れがあるところに生息していることを掴んできたんですね。それで、今の僕の水槽でもライトが直接は当たらないんですけど、ちょっと淀んで、常に流れがあるようなところに置いたら、かなり長く飼育できるようになりました。
なおき:なるほど、自然の状態を実際に見て把握して、それを水槽内で再現しているんですね。
月城さん:そうですね、結局僕はダイビングでハナガササンゴを観察しなければ、今の水槽でハナガササンゴは成功しなかったと思いますね。これが沖縄に住んで、マリンアクアリウムを楽しむ秘訣だと思っていまして。飼育に困ったら海を見に行くという・・・(笑)
なおき:それは本当に沖縄に住んでいる強みですよね、羨ましいです・・・(笑)


月城さん:豆知識で言えばよく行きつけのマリンアクアリウムショップがあるんですけど、そこは30年ぐらい海水魚を販売したり水槽メンテナンスを行なっている会社が有るんですね。そこがアデヤッコをなんと16年飼育し続けていますね(笑)
なおき:16年!犬の平均寿命より長いじゃないですか!
月城さん:そうなんですよ、最初は4、5cmくらいだったんですけどね。
なおき:当時から知ってるんですね?
月城さん:そうですね、沖縄にきた時はぜひ見にきて欲しいですね。

注意:生物を採集・放流する際は、密漁や外来種等の影響があるため漁業権に注意し役所等に確認を取ることをお勧めします。

水生生物の飼育で大変なこと、大変だったこと

なおき:水生生物を飼育する上で大変だったことはありますか?
月城さん:そうですね、僕の水槽ではハナゴイやハナダイをメインに飼っているんですよ。でもこの魚はとっても臆病で、餌を食べなかったり、水質に敏感だったり、岩陰に隠れたりして出てこなかったり、他の魚にいじめられたりするのが多い種類なんですね。
でも実際に海に潜っている間に、何百匹・何千匹とと群れているのを見たんですよね。それによって飼い方のヒントを得ましたね。そこでこういう臆病なハナダイも色々な種類のものをいっぺんに買うことによって、自然界と同じような状況を生み出すことで長期飼育ができています
なおき:みんな一緒に入れてあげて怖さを軽減させてあげるんですね。

水生生物の飼育で工夫していること

なおき:では、他に水生生物を飼育する上で工夫していることはありますか?
月城さん:まず魚とサンゴの相性をよく確かめました。まず飼う前に色々なところから知識を得て、知識を深めて行きました。
他にも工夫していることは新しいは魚を一緒に入れるということですね。魚をちょくちょく入れると病気を持ち込んでいうリスクがありまして、いっぺんに入れるようにしています。
なおき:一気に入れてしまおうということですね。
月城さん:でもその中でも魚を入れる順番は考えますね。魚の中でも上下関係はあるので、その知識をよく頭に入れておいた上で、自分が飼いたい魚を考えるんですよ。そして最初に一番弱い魚を入れてしっかり慣れさせてから、強い魚を順番に入れていきます。それによって弱い魚が隠れてしまうことはなくなりましたね。
なおき:それは本当に基本でありながらも一番重要なテクニックなのかなと僕も思います。
月城さん:初心者の方の中には飼ってきた魚を次から次へと入れていってしまう人がいるかもしれないんですけど、僕は考えた上でリストアップして入れていきました。


水生生物の飼育でこれからチャレンジしたいこと

なおき:水生生物を飼育する上でこれからチャレンジしたいことはありますか?
月城さん:そうですね。飼いたかった魚にエヴァンスアンティアスという魚がいたんですよ。
なおき:背中が黄色いやつですよね
月城さん:そうです、お腹がピンク色で。でも意外とそれを長期飼育している人ってインターネットとかを探してもなかなか見ないんですよね。その魚の長期飼育を今は目指しています。
なおき:今は飼育されてどれくらい経ちました?
月城さん:半年ですね。
なおき:おー、ちなみにどれくらいを目指されてるんですか?
月城さん:8cmくらいまで大きくなるのには2、3年くらいはかかるんですよね。できる限り長く生きていて欲しいですね、僕が生きている限り生きてもらうことを目指しています(笑)
なおき:良いですね!それはぜひ達成して欲しいです(笑)

その水生生物の面白さを広めるために何かチャレンジしていることはあるか

なおき:何かチャレンジしていることはありますか?
月城さん:チャレンジしたいことについて話す前に少し映画の話をしたいんですけど良いですか?2、3年前にトムハンクス主演のキャプテンフィリップスという映画の中で、船長がソマリア近くの海で海賊に拉致されてしまうんですよ。で、その際に海賊が「自分たちは海賊をやりたくてやっている訳ではない。自分たちはもともと漁師だ。魚が獲れなくなったから生きて行くためにやっている」というセリフを言うんですね。実際にインターネットで調べたら、海賊というのは漁師であったり、貧しい国の人達がやりたい訳ではなく仕方なくなっていくということが分かったんですね。
それっでこれは僕の大きな夢なんですが、海賊たちにサンゴの養殖技術を教えたいですね。それにより、その場所にサンゴが育ち、小魚が集まり、それを食べる大きな魚が集まり、というような食物連鎖が生まれるんですね。それによって魚が獲れるようになり漁師がやっていけるようになると思うんですよ。それによって海賊をやる必要も無くなって海賊の数自体も減っていくんじゃないかなと思っているんですよ。そう考えたら、実はサンゴは人間社会と深く関わっているんですよね。だから自分の夢はサンゴを育てることや養殖の技術を身に着けることですね

尊敬するアクアリストがいたら教えて下さい

なおき:では尊敬するアクアリストの方がいたら教えて下さい!
月城さん:僕はやっぱりアクアリストの方というか海・自然ですね。
なおき:僕と同じですね!
月城さん:そうですね(笑)他にも漁師の方や、ダイバーの方とかに話を聞くと、とても深い知識を持っているので尊敬はしていますね。インターネットでも知識は深まるのですが、実際の声を聞くこともかなり重要だと思いました。

あなたにとって海水水槽とはなんですか?

なおき:月城さんに取って海水水槽とはなんですか?
月城さん:そうですね、癒しでもあり、自分と自然が共有して成長できる趣味だと思います。
なおき:おーー、素晴らしい答えですね!ありがとうございます。


なおき:質問は以上になります。沢山お話聞けて良かったです。
城さん:もっと話したいことはあるのですが、これ以上話をしたら何時間も話ちゃいそうなので・・・
なおき:またたっぷりお話しましょう!本日はありがとうございました!

終わりに

いかがだったでしょうか?正直な話、私はお話を伺うまでは沖縄には沢山海もサンゴもあるからわざわざアクアリウムをやらなくても良いんじゃないかと思っていたんですけど、沖縄に住んでいるからこその楽しみ方も沢山あるということを知ることができました!
またダイビングを沢山して自然と触れ合う機会が多いというのは本当に羨ましい限りです・・・(笑)

これからも、様々なアクアリストの方に話を伺っていきます!ぜひ次回もご期待下さい!閲覧ありがとうございました!


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